見てきたものや聞いたもの

出雲弁講座➂

 第3回目になりました出雲弁講座です。18年間松江市で出雲弁のネイティブスピーカーをやっておりました私の私見をふんだんに盛り込んだ、出雲弁の講座となります。

 方言というのは、狭い地方の中でもどうしても地域差が出てしまうものですので、その辺はご了承ください。

 

 ①ぞんぞがさばー‥「鳥肌がたつ」という意味です。これは「ぞんぞ」が「さばー」の二つの単語から成り立っています。正式名称は「ぞんぞがさばる」です。さばる から先に説明すると、さばる は さばりつく とも言い、「まとわりつく」「ベタベタした感じでひっつく」という意味になります。ほこり等のゴミがついていたら「くっつく」。粘液状の汚れがかかったら「さばる」といった感じです。これがより口語チックに”る”が省略されたのが「さばー」となります。

 次は ぞんぞ です。ここからは私が祖母から教えてもらった由来になります。根拠となる文献を探しましたが全然見つかりませんでした。ご存じの方、おられましたら是非教えてください。

 ※諸説あり 【ぞんぞ】という妖怪がいて、それが人にまとわりついてのっぺりとくっつくと、人は寒くもないのに急に鳥肌が立つ。別に悪さはしないで、人を驚かせるだけ。鳥肌が立っている ということは、目には見えないけどその人に【ぞんぞ】かくっついている。ということで、ぞんざがさばー という表現になったそうです。

 

 ②あいまちする‥これは「ケガをする」という意味です。あいまち 自体は 痛い という意味が強いかと思うのですが、病気の時の痛みは、あんまり「あいまちする」とは言いません。ケガなどの突発性があるものが適しているかと思います。あと、致死性のあるケガの場合も言いません。軽傷~(致命傷でない)骨折ぐらいまでが守備範囲です。

 「そげんえなげなことすると”あいまち”すーよ。」「もそんどったら足に落ちて”あいまち”したわ。」というよう使い方がネイティブな例文かと思います。

 なんにしても、あいまちしている人は大変な状況です。島根県に訪問した際にこの言葉がわかれば、咄嗟の怪我人の対応もできるかと思います。ぜひ覚えてください。

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