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たけだ勝利の駆けある記

武田勝利の活動を紹介します。

東野圭吾「祈りの幕が下りる時」読みました

2013年09月26日 | 
 東野圭吾新刊「祈りの幕が下りる時」読みました。

 新刊は、テレビドラマや映画になった「新参者」「麒麟の翼」で有名な加賀恭一郎シリーズです。今回の作は、次々と起こる難解な事件と格闘しながら、日本橋署に勤務する刑事加賀恭一郎のルーツにせまるというテーマを持っている作品です。
加賀恭一郎が子どもの時、失踪した母親の思い、その中で事件に関わる父娘の愛情と苦悩を描いています。こういうテーマだけに読後感はすこし重いものがありますが、後でじーんと胸にしみるものがありました。

 最近の東野圭吾さんの作品では、3・11東日本大震災と福島原発事故の2つのテーマに積極的に挑戦しています。今作でも事件が起きる最初の現場は宮城県、また、原発労働者の問題に正面から取り組んでいます。作者の視線はあたたかいものがあります。
「東野さんがんばれ」とエールを送りたい。関心のある方はぜひお読みください。

 実は東野圭吾さんの作品には、原発を真正面から描いている95年作の「天空の蜂」という作品があります。原発技術者の登場人物を通して原発の使用済み燃料プールの問題など、今から思うとこの時期にここまで書いていたのかと思う作品です。
 今でこそ著名な東野さんですが、この作品を書いた後は、業界からいっせいにほされたこともあるという曰く付きの一冊。関心のある方はこちらもお読みください。

半沢直樹シリーズ「ロスジェネの逆襲」買いました

2013年09月18日 | 
 「やられたら倍返しだ」―半沢直樹は痛快です。

 消費税、原発、憲法、さまざまな課題で国民世論に逆行して安倍内閣は暴走をすすめようとしていますが、安倍内閣にも「やろうとするなら倍返し、10倍返しだ」と痛快にたたかいたいものです。(テレビドラマではとうとう「100倍返し」がでました)

 ドラマもいいですが半沢直樹シリーズの池井戸潤さんの本もいいですね。1作、2作を読んで「ロスジェネの逆襲」も買ってしまいました。本を買って初めて知りましたが、第4作目「銀翼のイカロス」をすでに「週刊ダイヤモンド」で連載しているとのこと、ますますこれからが楽しみです。(^_^)v

今月の雑誌―ちょっと面白かった論文を紹介します「前衛10月号」

2013年09月12日 | 
 今月の「前衛」10月号の面白かった論文をちょっと紹介します。
 不破さんのソ連スターリンの覇権主義の根源を解明する連載も13年参院選どうたたかいぬいたかという東京、京都、大阪の委員長の対談も面白かったのですが、今号の川田忠明さん「憲法を生かして日本を守る―中国や北朝鮮をめぐる疑問にもこたえて」はとても面白く、勉強になりました。

 全体が、疑問に答えながら日本共産党の外交・安全保障政策を縦横に語っています。一つは、「きびしい世界の現実を考えれば、憲法9条は理想論」「軍事力で対抗することも必要ではないか」という疑問に答えているところ。近年の中国、東南アジア諸国での諸島の領有権を争う紛争で何度となく危機的状況が生まれ、死傷者が出る問題にまで発展したときにも、軍事力に訴えるのではなく、ASEANと中国が紛争の平和的解決をめざした「南シナ海行動宣言」を改めて確認することで、お互いの行動を押さえ、対話が可能となり、暴発を抑える「安全装置」の役割を発揮したということなどが、いくつもの事例をふまえて書かれています。ASEAN外交のような外交力をつけることこそが本当の安全保障となることがよくわかります。

 もう一つは、北朝鮮問題で「憲法も大事だが、万一の場合には、軍事力で対抗すべきではないか」「ミサイルを撃たれても、黙っているのか」などの疑問にこたえた論考です。この疑問は、新潟の置かれている地点からも、繰り返しよく出される疑問です。ここでもこの間半年の外交力の実践で回答が出されています。今年の3月には北朝鮮がミサイルを配備し、ロケット発射を公言しました。日本はどうしたか、対空ミサイル配備という軍事的対応に出ましたが、外交では、協力するべき韓国、中国との会談も出来ない。一方、アメリカ、中国、韓国は4月中旬からケリー米国務長官の訪中など、三国の繰り返しのシャトル外交に出ます。この北朝鮮問題を主議題にした協議の内容に北朝鮮が積極的に反応し、5月中にはミサイル撤去、7月には南北との対話もはじまりました。

 日本が日米軍事同盟で思考停止になっている間に、世界では外交力という安全保障の確立が進んでいます。現実を直視した柔軟な思考で、憲法を生かした外交力を培っていけば日本はもっと世界の中で大事な役割を発揮するできることを実感させられる論文でした。

志位和夫著「綱領教室第1巻」読んでいます

2013年08月12日 | 
 今日は、宿直・日直で「綱領教室第1巻」を読んでいます。

 選挙では、自民党政治と対決するとともにどんな問題でも建設的な提案をおこなったことが躍進の大きな力でした。ブレない政党として、その大本にある日本共産党の綱領も多方面から注目されています。提案・対案を打ち出すには、日本の社会を歴史的視野から、また世界的視野から、事実に基づいた冷静で理性的な分析が必要です。この本は、そういう事実に裏づけされた新しい発見がいくつもありました。

 いくつか上げると、注が豊富です。尖閣諸島問題で、1972年の田中角栄・周恩来会談録はよく出されますが、中国側の議事録も掲載されています。千島問題では、ヤルタ協定でのソ連参戦の三つの条件の中で南樺太は「返還」としながら、千島列島は「引き渡す」と表現されていることにソ連の領土拡大の意図を事実で示しています。サンフランシスコ平和条約で千島を放棄した際の吉田首相の受諾演説も掲載されています。

 また、なぜ朝鮮半島が南北に分断されたのか、なぜ韓国で軍事独裁政権が1987年まで続いたのか、この深層に日本による朝鮮の植民地支配があることを指摘している点は、新鮮な提起です。

 新しい角度からの探究の書として学ぶ楽しさがあります。

心あたたまる一冊 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 東野圭吾

2012年04月30日 | 
 今日は、久しぶりに本の紹介を。

 東野圭吾さんの「ナミヤ雑貨店の奇蹟」が3月28日に発売されて一ヶ月がたちました。
 本屋で新刊コーナーを見ていたら、平積みでどーんと置いてあるではありませんか。発売予定を知らなかったものですから、よろこんで購入、すぐに読みました。

 この本は角川出版の「小説 野生時代」に2011年4月号から5回連載されていたもので、東日本大震災後ということは多分にあると思いますが、東野作品の中でも、特段に心あたたまる作品だと思います。

 最初「ナミヤ」ってなに? と思うわけですが、浪矢さんとの「ナヤミ」相談の文通のことだとわかると、なるほどと。
 しかし、このナヤミ相談が、時空を超えて交わされるわけでして、これが最後には、一つに収れんしていくあたり、さすが東野さんの作品と感嘆します。

 なによりも、今の時代、インターネットやメールが主流になっている時勢のなかで、手紙のやり取りを通して交わされる言葉のあたたかさが心にしみます。

 これから読む人にネタバレしてはいけませんので、これ以上つっこんで書けませんが、あたたかい人間的なぬくもりを感じたいという方、感動をえたい方、おススメの一冊です。

東野圭吾「マスカレード・ホテル」読みました

2011年10月05日 | 
 9月9日に東野圭吾「マスカレード・ホテル」が発売されました。
 自称東野圭吾ファンとして、当日、購入して読み始めました。

 今年は、書き下ろしの「麒麟の翼」にはじまり、「真夏の方程式」、続いて「マスカレード・ホテル」とファンとしてはたまらないですね。

 マスカレード・ホテルも楽しくスリリングに読めました。
 ホテルに殺人予告がされ、4つの連続殺人事件のつながりが明らかになっていくわけですが・・・。

 マスカレードホテルの「マスカレード」は仮面舞踏会という意味ですから、どの登場人物が仮面をかぶった犯人なのかと、最初から読者としては、考え続けるわけでありまして、著者東野圭吾さんと読者とのこの間合いがなかなかいい。

 本を買いますと、帯に「想像力の限りを尽くしたという実感があります。それだけに手ごたえも十分です。今後同じことをやろうとしても、これ以上にうまくやれる自信はありません。」なんて書かれているものですから、ますます想像力をかき立てられます。

 マスカレードホテルのフロントクラーク山岸尚美さんとそこに配置された警視庁の新田浩介刑事が毎日のホテルの業務を通じたやりとり、推理を軸にして舞台が展開していきます。

 この中の舞台のどこに仮面をかぶっている参加者がいるのかと考えながらの推理戦になるわけでありまして、面白かったです。

 今年は、東野圭吾作品の人気投票がやられていますが、私も結構読んでいるんですが、無料販売で本屋に置いてあった東野全作品紹介を見ながら、最近「レイクサイド」「黒笑小説」「毒笑小説」「怪笑小説」、初作品「放課後」などなど、仕事以外のひとときの楽しみになってます。

探偵ガリレオシリーズ「真夏の方程式」読みました 絶賛です

2011年06月17日 | 
 6月6日に東野圭吾さんの「真夏の方程式」が新刊書き下ろしで出版されたことは、東野ファン、探偵ガリレオ湯川博士ファンのみなさんはよくご存じのことと思います。

 私も7日に購入。一日であっというまに読み終えてしまいました。
 もう少し後にとっておいて、楽しみながら読んだらよかったと思うくらい、大変面白く、東野圭吾さんの作品は「新参者」しか読んだことがないという方も、心動かされること間違いありません。ぜひご一読ください。

 「探偵ガリレオ」は、福山雅治さんと柴咲コウさんの共演でテレビシリーズも話題を呼んだ作品。
 今回は、玻璃ヶ浦という東京から遠く離れた海岸が舞台です。
 この地名のひびきだけでも、とても美しい海を連想するのですが、湯川准教授と小学校5年生の恭平くんが冒頭、海を探検?するシーンで、もう引き込まれてしまいました。

 湯川博士は子どもが苦手だったはずなのに・・・と思いながら、「博士」と呼び慕う恭平くんとのやりとりにあたたかさを感じます。これは加賀恭一郎シリーズの「新参者」に通じるものがあると思いますね。

 環境保護に真剣に取り組んでいる「成実」さんや旅館を経営しているご夫婦の人間模様を織り交ぜながら、ストーリーは一気にすすんでいきます。

 3月に発売された「麒麟の翼」もよかったですが、「真夏の方程式」は、決して期待を裏切らない面白さでした。

経済誌も「派遣切りに怒りの一喝」--月刊BOSS 3月号

2009年02月04日 | 
 毎日のように派遣切り・雇い止めが問題になり、2009年問題といわれている派遣労働者の3年期限が切れる今年3月には40万人の派遣労働者が首を切られるといわれています。

 今日、衆議院予算委員会で志位委員長がPanasonic、マツダの具体的事例も挙げ、国による現行労働法による指導を求めていますが、私も屋内集会では、大企業には体力が十分あること、内部留保の0.2%を使えば解雇は行わなくてよいことを話しています。

 この間のブログでの私の写真もちょうど経済誌「月刊BOSS3月号」を示しながら話しているところが載っていますが、これが大変わかりやすく一目瞭然。話していて評判も上々です。

 月刊BOSSという経済誌は、主に管理職の方に読まれている雑誌だそうで、いまゆる企業の中に身を置いている人でも、いまの大企業が率先して行う解雇・雇い止めはおかしい、モラルハザードだと感じているということです。

 3月号では、巻頭に「特集 派遣切りへの怒りの一喝」を掲載、東レの名誉会長前田勝之助さんが登場し、「派遣を首にする大企業はけしからん」「責任の第一は雇用を守ること」「人間を部品扱いにするな」と経営者の立場から発言しています。

 いろんな方と対話すると、「この寒空に派遣切りはひどい」「われ先に首切りをやる大企業はおかしい」と怒っている方が多くいますが、「企業が存続するためには、解雇は仕方ない」「赤字なんだから、解雇しなければ、企業自身がつぶれるし、放っておけば海外にいってしまう」という方もいらっしゃいます。

 マスコミで毎日にように、今日はどこどこの企業がマイナス収支だ、大幅赤字だというニュースを流している影響が大きいと思いますが、よく考えてみると、この経済誌で特集しているように、「一社だけが首切りをすれば純益が上がるかもしれないが、すべての企業がいっせいに首切りすれば景気の底が割れてしまう」「日本企業は、日本型経営でもの作りを重視し、企業が人を育ててきた。一時の利益でこれをやめれば日本の未来はない」「株主に配当を増やして、一方で解雇は経営者として非情」ということは、経済界や企業の実情に通じている人にはむしろ常識となっていると感じます。

 この経済誌の特集は、日本共産党の「ルールなき資本主義からルールある経済社会へ」の主張がわかりやすく受け入れられることを示しています。

「ハリー・ポッターと死の秘宝」本日発売、早速購入

2008年07月23日 | 
 今日は、ハリー・ポッターシリーズ完結編第7巻の「ハリー・ポッターと死の秘宝」の発売日ということで朝からテレビで報道がさかんです。

 私も、以前から予約をして出版を心待ちにしていたうちの一人で、今日朝用事を一つ済まして、予約していた本屋さんがすぐ近くにあったので、購入してきました。

 もう、いざ手にすると仕事の合間合間に心ひかれて読んでしまって、第1章と第2章を読みましたが、もうハリー・ポッターとボルデモートが出てきただけで、引き込まれて、もう大変。

 6巻を読んだのが1年前でしょうから、細かなところは記憶が薄れているところがあって、もう一度6巻のあらすじをさぐらなければと思ってしまいました。

 いまは私の手元にありますが、家に帰ると妻も子どもも早く読みたいと待っているので、最初に誰が読むかでちょっともめるでしょうが、忙しくしている私は、やっぱり後の方でしょう。

 待つこともダンブルドアはシリウス・ブラックはスネイプはどうなるのだろうと想像が広がって、これまた楽しみです。

小林多喜二「蟹工船」読んでます

2008年06月03日 | 
 「おい、地獄さ行ぐんだで!」

 という書き出しではじまる小林多喜二の「蟹工船」がいま話題です。

 新潮文庫版はすでに15万部も増刷。岩波文庫も在庫が切れ6千部増刷予定だそうです。

 私も学生の頃読んでいますが、いま注目されているということで、あらためて書店で購入して読んでいます。

 自宅の近くの蔦谷書店新通店で購入したんですが、ヒットしているだけあって平積みでドーンと置いてありました。コメント付きで広告チラシもつけてなので、思わずパチリと写真を撮ってきました。

 この書店のコメントがふるってるんです。写真だけでは見えないでしょうが、こう書いてあります。

 小林多喜二の「蟹工船」ブーム!!
 現代の「ワーキングプア」と「蟹工船」の類似性が話題となり、連日メディアで取りあげられています。新たな切り口で「格差社会」を見つめ直すおすすめ本です。(ワーキングプアと格差社会にはアンダーラインも)

 まさにこの通りで、いま青年の中で派遣労働や請負労働で、体を切り売りするような、人間をモノのように使い捨てにするような労働が蔓延しています。こういうなかで我が身と「蟹工船」を重ねて考える青年が、模索し本を求めているのが、「蟹工船」現象ではないでしょうか。

 6月2日の「日報抄」では、このことが取り上げられ、最後に「資本家と労働者の階級闘争・・・この言葉が、また現実感を持ち始めたのだろうか。」としめくくっています。

 いま、マルクスやエンゲルスにも注目が集まっています。現代の社会を考えるとき、資本主義社会の根底を見つめなおす、そういう時代に来ていることを感じます。

 そういう本も機会があれば紹介しますね。