パブ常連56歳男を逮捕 女性オーナー殺害 容疑を否認
大阪市北区天神橋のビル5階のカラオケパブ「ごまちゃん」店内で、オーナーの稲田真優子(まゆこ)さん(25)=同区=が殺害された事件で、大阪府警曽根崎署捜査本部は18日、殺人容疑で、店の常連客だった兵庫県西宮市高須町の会社員、宮本浩志(ひろし)容疑者(56)を逮捕した。捜査関係者によると、容疑を否認しているという。稲田さんは事件前、宮本容疑者とみられる常連客に「しつこくつきまとわれている」などと漏らしており、府警は詳しい動機などを調べる。
府警は18日朝に宮本容疑者に任意同行を求め、その後、自宅を家宅捜索するなどした。府警や捜査関係者によると、稲田さんは14日午前10時半前、パブ店内で倒れているのが見つかり、間もなく死亡が確認された。首や胸に切り傷や刺し傷があり、司法解剖の結果、死因は失血死で死亡推定時刻は11日午後だった。
現場ビル1階にある防犯カメラには、11日午後5時ごろに出勤する稲田さんの姿が写っていたほか、女性従業員や宮本容疑者とみられる人物らがビルに入る様子も記録されていた。
稲田さんは複数の知人らに対し、「常連客で連絡がしつこい人がいる」などと漏らしていた。宮本容疑者は店で稲田さんが別の客の相手をしていると、激高することもあったという。
店は12日と13日も本来は営業日だったが、施錠されたままだった。府警は11日の営業後に稲田さんが殺害され、14日に発見されるまで店内に放置されていた疑いがあるとみている。
稲田さんには、鋭利な刃物による傷が上半身に十数カ所あった。首を複数回刺され、胸の傷が肺を貫通するなどしており、稲田さんは強い殺意を持って襲われたとみられる。
(産経WEST 2021.6.18)
「まゆちゃんラブ」妻子ある56歳平凡なおっさんが凶悪ストーカー化した動機【大阪カラオケ店主殺害】
大阪市北区のJR天満駅近くにあるカラオケパブ「ごまちゃん」の経営者、稲田真優子さん(25)が殺害された事件で、逮捕された会社員・宮本浩志容疑者(56)は当初から大阪府警にマークされていたことがわかった。
宮本容疑者は稲田さんが「ごまちゃん」をオープンさせる前に働いていたカラオケ店A時代からの常連客だった。A店と「ごまちゃん」のどちらも常連だった客はこう話す。 「稲田さんの遺体が発見された直後、彼女と親しかった人に府警から問い合わせがあった。前のA店関係者などは、すぐに宮本容疑者の名前をあげていたそうです。私もその話を聞いて、やはりそうだろうなと思うほど、宮本は稲田さんに執着していました」 宮本容疑者は4年ほどにA店を訪れ、稲田さんと知り合った。A店は集客にSNSを活用。稲田さんの出勤日はすぐに把握できるようになっていた。 宮本容疑者は稲田さんの出勤日にほたいてい店に足を運んでいたという。 「夜8時~9時頃に来て、閉店まで粘っていた。もちろんお店には稲田さん以外の女性もいますが、宮本容疑者は話し相手が稲田さんでなければ、ダメ。同じ常連客から『まゆちゃんラブだね』と声をかけられると、『そうまゆちゃんラブ』と笑っていた。稲田さんが他の客と話していると、急に怒り出すこともあった。稲田さんが自分の店『ごまちゃん』をオープンさせてからも毎日のようにやってきた。稲田さんが他の客を30分くらい接客していると、『何してんのや』と言い、立ちあがって激高。他の男性客が止めようとすると、つかみ合いになったこともあった」(前出の常連客) 常連客がこのトラブルを稲田さんから聞いた時、「何を考えているのかわからない。もう店に来ないでほしい。しかし、来店を断ることもできないし…」と困り果てた様子だったという。さらに常連客はこう続ける。 「稲田さんが店を閉めるのを外で待ち伏せしたり、自宅を突き止めようとし、跡をつけてきたこともあったらしい。悪質なストーカーだったと思います」
大阪府警などによると、宮本容疑者が犯行に及んだ時刻は6月11日午後9時~10時の間とみられる。緊急事態宣言下で「ごまちゃん」は飲み物はノンアルコールを出し、午後8時で閉店していた。 「宮本容疑者は営業が終わるまで居座って犯行に及んだようだ。稲田さんを殺害した後、店のカギを探し、施錠して発覚を遅らせようとした形跡がある。犯行後はそのまま兵庫県西宮市の自宅に戻ったようだ。宮本容疑者は、営業が終わり、稲田さんと2人になれるタイミングを見計らったようだ。計画性のある犯行と思われる。稲田さんは店の関係者に宮本容疑者が帰るまで、『一緒にいてほしい、2人っきりになりたくない』と、頼んでいたこともあった」(捜査関係者) 宮本容疑者が稲田さんに執着していたのかがわかるのは、SNSからもうかがえる。宮本容疑者のものと思われるツイッターから稲田さんがSNSに投稿する度に、コメントがつけられていた。 犯行の日、6月11日、午前8時23分に稲田さんが<ブログを更新しました。『るんるん~』>とツイートすると、午前9時58分に<リフレッシュ完了にやにやした顔 今日からがんばれ~>と宮本容疑者はコメントをつけた。 その後、午後1時20分に、稲田さんが<昨日はソロハイキングしたぜ。帰り道のラーメン幸せ^_^>と奈良県に一人でハイキングに出かけて、ラーメンを食べた様子をつづると、2時17分に宮本容疑者は<ラーメンのためのハイキングか~>と返信。 ほぼ毎日、ツイートしている稲田さんにコメントをつけている。 中には<今日も運動するのかな? ますますキレイになるんだね~><(稲田さんが)いなくていいのかな~看板がいないなんて?>と稲田さんへの執着が読み取れる返信もあった。 また、稲田さんの料理を宮本容疑者が<小料理も多くなってきたね~ 店長の努力の賜物だね>とほめるレスポンスをつけると、<いつもほめ殺しどうもです>と稲田さんが返信していた。
宮本容疑者は兵庫県西宮市のマンションに妻と2人の子供と住んでいた。それでも終電近くまで稲田さんの店にいることもあった。 「奥様は時々、顔を合わせることがあったが、宮本容疑者はよく知らない。ごく普通のサラリーマン家庭に見えた。昨日から捜索で警察が来ていたようです。宮本さんが逮捕されたとニュースで知って本当に驚いた」(近所の人) 事件のあった稲田さんの店のあるビルには、たくさんの花がたむけられていた。別の常連客もこう語る。 「稲田さんは宮本容疑者に見張られているような気がする。かなり粘着質だとイラついていたようだ。宮本容疑者は店で稲田さん以外とはあまり会話をしなかった。しかし、妻子がいることは店で隠していなかった。どこから見ても、年齢相応のおっさんでした。稲田さんと釣り合わない。どうしてこんな凶行に及んだのか、理解できない。稲田さんの冥福をお祈りするばかりです」
(AERA 2021.6.19.)
常連男に「あなたのことが苦手」 大阪、事件前にパブ経営女性
(共同通信社 2021/06/24 )
大阪市のカラオケパブ「ごまちゃん」で経営者の稲田真優子さん(25)が殺害された事件で、稲田さんが事件前、殺人容疑で逮捕された常連客の会社員宮本浩志容疑者(56)=兵庫県西宮市=に対し「あなたのことが苦手です」と伝えていたことが24日、関係者への取材で分かった。店に来ないよう求めてもいたが、連日のように顔を出していたという。
事件は25日で逮捕から1週間。大阪府警もこうしたやりとりを把握している。店が入る雑居ビルの防犯カメラの映像などから、事件があった11日夜、最後の客として一度退店した後にビル内に潜み、稲田さんが1人になる機会を狙っていた疑いがある。
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