すそ洗い 

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マスク

2020年06月15日 | 社会
第1次世界大戦中の1918年から始まったとされるスペインかぜは全世界で推定4千万~1億人が命を落とし、日本でも約38万人が死亡した。流行の第1波より第2波の方が致死率が高かったという。マスクが広がりつつあった日本では、当時の内務省などが「マスクとうがい」「『テバナシ』に『セキ』をされては堪らない」といった感染予防を呼び掛けるポスターが出回った。



それに伴い、金属製だけでなく、成形しやすいセルロイド製や見た目を重視したビロード製など多種多様なマスクが登場した。商品のパッケージも、スーツを身にまとった紳士、カールがかかった髪の若い女性などターゲットに合った絵柄に変化した。  一方で、こうした商品は使い捨てでなく、手が込んだ作りで「今の価格で数千円程度と高価なものだった」という。〝高根の花〟だったマスクを身近にしようと、「簡単に作れる新しい呼吸器」などの見出しで、手作りの方法を当時の新聞が記事で紹介していた。  「まず鉄線または銅線を卵形に曲げて骨組みをして、この上にガーゼ1枚を着せる」など丁寧に作り方を示し、「商店で販売する普通呼吸器は値段も高く、長時間使用すると苦しくなるが、(手作りの)呼吸器なら呼吸をするのも楽でせきも容易」と記している。まるで、新型コロナでマスク不足が相次ぐ中、政府の調達品に頼らず、市民が工夫して乗り越えようとした現代に通じるものがある。

スペインかぜの流行をきっかけに、日本人にとってマスクによる感染予防が習慣化していったとされる。そうした中で第2次世界大戦が始まり、「ぜいたくは敵だ」の号令の下に金属やセルロイド、皮などは貴重な物資として戦場に送られた。結果として、ガーゼそのものにひもが付いた簡易的なマスクが大勢になる。戦争が終わり、50年代後半から現在主流の不織布の流通が始まり、20年くらい前から一般的なマスクになり始めたようだ。  時代は流れ、紫外線カットや小顔に見えるマスクのほか、デニム素材が登場するなど、機能性だけでなく、見た目重視や多機能が求められるようになった。欧米などでは、マスクは病人がするというイメージが強いが、日本人は感染予防に加え、防寒対策やファッションの一つと捉えるなど生活になじんでいる。  平井さんは「日本人は古くは神事の際に和紙などを口に挟んだり、江戸時代には頭巾や覆面をかぶったりと口を覆う行為には抵抗がなかった。近年では花粉症予防でマスクの着用が広く浸透している。今回の新型コロナでは、こうした文化を背景に感染拡大を抑えられたのかもしれない」と話した。






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