
これはYZF-R1(04)用のセミラジアルマスターシリンダ。ブレンボのOEM品で、マスター径は16mmだ。こいつをFJに取り付けて、ブレーキのコントロール性UPを目論んでみる。
FJのマスター径は5/8インチ(約16mm)なんだけど、前から横型の14mmに交換しようと思っていたんだよね。
マスター径が下がるとパスカルの原理によりキャリパーピストン側の圧力が上がるため、軽い力でキャリパーピストンを強く押し出すことができる。
その代わり同じだけピストンを押し出すのに沢山レバーを握らないといけないし、ピストンのスピードが落ちる。
超ざっくりと言うと『効きがよくなり、(レバーストロークが長くなるため)微妙なコントロールがやりやすくなる。また握った奥で効くようになる』ということだ。
ただ径を小さくしすぎるとピストンを必要なだけ押しだすことができず、エアを噛んだみたいにレバーがスカスカになってしまうぞ。
このあたりは好みがり、柔らかいタッチを嫌う人もいるので一概に小さい方がいいとは言えないけれど、僕は楽にブレーキングできてコントロールもし易い小さめのマスターが好きだな。
セミラジアルの16mmは横型換算で14mmと同等と言われており、どうせ交換するならセミラジアルを試してみたかったので、このマスターにしてみたのだ。
実際には油圧比だけでなく、レバー比も関わって効きとタッチが決まるし、ラジアル・セミラジアルは横型に比べ油圧比を低く、レバー比を大きく作られているので、どんなフィーリングになるかはやってみないと判らない。
ブレンボのロゴにしびれるねえ。
問題はラジアルやセミラジアルは横型に比べてクランプ部から前側に大きくせり出しているので、カウル等と干渉する可能性があることだ。
仮に取り付けてみよう。
レバーを下に向けすぎると、ハンドルを左に切ったときにカウルに当たってしまうが、自然な角度のときにはギリギリカウルと干渉しない。
よし、使えるぞ!
試しにTZRにも取り付けてみたんだけど、レバーを少し上に向けてやらないとハンドルを左一杯に切ったときに水温計とレバーの調整ダイヤルが当たってしまうので、取り付けには少し工夫が要りそうだ。
TZRのマスターは、交換するなら1/2インチの横型にしよう(ノーマルは14mm)かね。
ブレーキホースはクランプ下側、白いキャップのところにある。
スイッチ用の端子はFJと同じなので、加工は不要だ。
リザーバタンクを固定するために、ミラーホルダー付きのハンドルクランプを使う。
MT-01用がピッタリだ。
ブレーキ用のクランプは逆ネジになってしまうので、クラッチ用を使う。
ノーマルのホースジョイントを活かすので、短いホースを作る。
マスター側は70°、ホースジョイント側は20°で作った。
取り回しはこんな感じ。
マスター側のバンジョーは45°の方がよかったかも。
リザーバタンクは、NISSINのタンクステーで取り付けた。
ちょっと斜めってるな。ステーを曲げて調整しよう。
交換した結果、効き自体はそれほど上がった感じはしないけれど、レバーストロークが増えた分、コントロールがやりやすくなった。
これは目論見どおりだ。
ただ、初期からガツンと効くブレーキが好きな人には向かないかも。
ノーマルと比べ、レバーを多く握らないと効かないため、最初は違和感ありまくりなんだけど、数日で慣れて違和感は感じなくなった。
注意することは、レバーをあまり近くに調整しすぎると、(指2または3本がけのときに)レバーとグリップの間に指を挟んでしまうので、遠目にしておく必要があること。
ノーマルキャリパーは、ピストン径34mmの4ピストンなんだけど、MOSキャリパーなど、もう少し小さいピストンのキャリパーだと、レバーストロークが短くなってカチッとしたタッチになるはずだ。
これは取り外した純正マスターシリンダのピストン。頭(レバーに付いているネジで押すところ)が削れて変形してる。
横型でタッチが悪くなる原因のNo1がこれじゃないかな?すぐこうなっちゃうんだよなあ。
ノーマルのマスターを保管する前に分解清掃して組み直しておこうとしたんだけど、サークリップがユルユルになって、ピストンを固定できなくなってしまった。
シールの状態は悪くないようだったけど、そのうちピストンが抜けてしまったかもしれない。
壊れる前に交換して、よかったような気がするな。
2014/01/19
部品番号は
5YU-26393-00
で、今調べたら1598円でした。
この部品番号で注文すればOKですよ。
念のためにヤマハ部品検索サイトで確認してみてください。