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京の一枚

京都 晴明ゆかりの名所散策 


1)鉄輪の井戸(かなわのいど)


・・・鬼と化すほど狂おしい恋




京都駅から地下鉄烏丸線、「五条駅」より約5分、鉄輪の井戸(見学自由)へ。


ここを舞台に夢枕獏氏が『陰陽師(おんみょうじ)・生成り姫』を書いている。


元となった伝説が、謡曲『鉄輪(かなわ)』に出てくる、鬼女の話。


『夫に浮気をされ、恨んだ末に頭に鉄輪を頂いて丑の刻参りをし、挙句、鬼になってしまう。


夫は晴明に依頼して呪いを解き放つ。


そしてとうとう女は家の近くの井戸のほとりで息絶えた・・・。』


その井戸がここ、鉄輪の井戸。


鬼女になるほど狂おしい恋をした女性、仕事とはいえ、その呪いをはね返した晴明。


そこにはビジネスライクでクールな顔がかいま見える。


井戸の場所は少々分かりにくいが格子戸の前に石碑があり、その奥にある。


自由に入れるが、民家の敷地内なのでお静かに。


そして鴨川に架かる松原橋の東詰。


晴明が没した時、塚が築かれ、ここに埋葬されたと言われている。


(残念ながら、今は何も残されていない)










2)長仙院(ちょうせんいん)


・・・鋭い眼光に陰陽師の本質を見る


四条大橋を渡って河原通を北へ。


六角通を西に入ると繁華街の中に長仙院(日中随時・拝観無料、075-221-5179へ要予約)。


ここは安倍晴明の木像が安置される寺。


いよいよその実像に迫ることができる?本堂の片隅に2体の木像(1体は蝉丸という説あり)と共に置かれた目前の晴明像は、束帯姿の座像。


狩衣の袖を翻し、眉間に皺を寄せ、鋭い眼光を放っている。


若くて美形、マンガの晴明とはイメージが違い、40代くらいだろうか?大陰陽師の威厳と風格が漂う。


この晴明像は、廃仏毀釈に伴い、明治10年、本尊の阿弥陀如来像など5体と共に、松原橋近く(先程訪れた元晴明の墓があった辺り)の清円寺から譲り受けられたもの。


幸運にもその興味深い契約書を見せていただくことができた。


もちろん長仙院は、晴明像以外にも見所が多い。


本尊の脇侍の勢至菩薩の姿態や、良く手入れされたサツキの庭も美しく、周囲の喧噪を忘れるほどだ。










3)清明邸跡(京都ブライトンホテル)


・・・モダンな空間で、千年の余韻を楽しむ




地下鉄「市役所前駅」から東西線に乗り、「烏丸御池駅」で烏丸線に乗り換え、「今出川駅」へ。


徒歩で新町上長者町のブライトンホテルへ。

『大鏡』によると、かつての晴明邸が「土御門大路(現在の上長者町通)と町尻小路(現在の新町通)の交差する辺り」にあったらしい。


その晴明邸跡が今ではモダンなこのホテルになっている。


ここまで来たところでランチタイム。


「料理が美味しい!」と評判のブライトンで晴明を偲びながら、ランチ(\2,000-~)をいただく。


予算に余裕があれば宿泊もおすすめしたい。


晴明邸跡で何かを感じることができるかもしれない。




※写真は全て過去のものです。
















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