京の一枚

京都 松尾大社 上卯祭 10日


古来より、卯の字は甘酒、酉の字は酒壺を意味していると言われ、酒造りは「卯の日」にはじめ、「酉の日」に完了する慣わしがあり、お酒造りにかかわる祭りの日取りもこうした昔からの慣習によるものであるとされています。


稲刈りが終わり新米ができる秋、つまりお酒造りの始まる季節、毎年11月上の卯の日に執り行われる醸造安全祈願のお祭りが『上卯祭』で、このお祭りでは全国の和洋酒、味噌、醤油、酢等の醸造業はもとより、卸小売の人々も参集し、盛大に醸造安全を祈願し、守札としての大木札(だいもくさつ)を受けて持ち帰り、各々の蔵に奉斎し、お酒造りをはじめる慣わしとなっております。


また年明けて、春を迎え、4月の中の「酉の日」には、醸造完了を感謝する『中酉祭』(ちゅうゆうさい)が執り行われます。


また当社では、千歳講という明治時代からの講が結成され、この講員に対しては一年を通して、醸造安全、家内安全、業務繁栄等の祈願が毎朝欠かさずなされています。




〔上卯祭の起源〕


この祭りの起源は、中世から近世特に江戸時代、産業経済の発達、交通機関の整備等により、全国各地の醸造家から盛んに奉納されていた“太々神楽”に由来するものと思われます。


この“太々神楽”奉納について当時の文献には、造り酒屋の旦那衆の松尾大社参詣の道中の模様を記したものが各地に残されており、とりわけ、11月の“もと始め”の季節ともなると、全国各地から醸造家の方々が陸続と参詣し、太々神楽をご奉納され、醸造安全の祈願をされていたことが、当社の日次記などに残されています。


以上のことから、この祭りの起源とは、個人や講、組合などから、酒業繁栄の願いを込めて奉納されていた“太々神楽”を、当社の故事や酒造りに縁の深い“11月の上の卯の日”に取り纏め、一段と盛大に“祭典”を執行し、松尾大神の御神慮を慰め奉り、より一層尊い御力を戴きたい、としたことに他ならないと思われます。






酒造りの神として知られる松尾大社。


本殿裏手の「亀井の水」を酒に加えると酒が腐らないとの言い伝えから、醸造関係者の厚い信仰を集めています。


神事の後、茂山社中による狂言「福の神」が奉納されます。


神前には伏見の銘酒はじめ、全国各地から奉納された酒や醤油がズラリと並び、醸造の安全・商売繁盛が祈られます。










■場 所:松尾大社


■期 間:2022年11月10日


■時 間:11時~


■アクセス:市バス28「松尾大社前」または阪急「松尾大社」駅


■お問合せ:075-871-5016


■詳細ページ:http://www.matsunoo.or.jp/


※写真は全て過去のものです。


※主催者の都合により、予定・内容が変更される場合がありますので事前にご確認お願いいたします。



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