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京の一枚

京都 紅葉100シリーズ 清水寺 NO.22


金閣や銀閣、竜安寺の石庭などと並んで京都の顔とも言える“超”有名寺院です。



一般的な見どころガイドは別の機会に譲り、今回は西郷隆盛との意外な縁など、あまり知られていない清水寺を紹介します。




音羽の滝や地主神社、胎内巡り、子安塔など見どころの多いお寺ですが、特に本堂(国宝)の優雅な曲線を描く檜皮(ひわだ)葺きの屋根、地上約20mの高さにある清水の舞台の美しさは圧巻です。




紅葉だけでなく桜の名所としてもよく知られ、秋は錦に染まり、春は桜の雲に浮かびます。
 
清水寺の塔頭・成就院の歴代住職の中に月照・信海兄弟がいます。


2人は若いころの西郷隆盛と共に勤王の活動家でしたが、時は大老井伊直弼による大粛清の時代。



西郷と月照は追われ、行き詰まり、ついには入水自殺を図ります。


月照は入滅、西郷は奇跡的に蘇生するのですが、このとき月照に最後まで付き従った大槻重助、拷問に耐えて月照を守った近藤正慎という2人の従僕がいました。


西郷、月照、信海、従僕2名の碑が、今も北総門のそばに立っています。


そして大槻重助と、近藤正慎の遺族は、清水寺のはからいで境内に茶店を営業することを許され、それぞれ「忠僕茶屋」「舌切茶屋」として今も営業しています。




ちなみに「舌切茶屋」の名は、拷問を受けた近藤正慎が最後は舌を噛み切って自害したことから。


どちらの茶店も、現在4代目のご主人がその歴史を守っています。


 
紅葉の話




古語には「もみづ」という言葉がありました。これは木々が紅葉する様を表す動詞です。


漢字では「紅葉づ」や「黄葉づ」と書きます。


今風に言えば「モミる」でしょうか。


これが転じて、紅葉(黄葉)することや色づいた葉を指す「もみぢ」という名詞が生まれます。


それがいつしか、紅葉樹の代表選手イロハカエデの別称となり、今では小さな子どもの手を例えて「モミジ」。


本名とあだ名が入れ替わってしまった感がありますが、本来はイチョウもナナカマドもシラカバも、秋になって色づけば皆「モミジ」だったのです。



 
最後に観光情報です。




清水寺では、錦秋の境内がライトアップされる秋の夜間拝観も人気です。


併せて、月照が住職を務めていた成就院の庭も公開。


「月の庭」とも呼ばれる名庭ですので、紅葉散策の途次に立ち寄ってみてはいかがですか。




■アクセス


清水寺 →JR京都駅より市バス206系統「五条坂」下車徒歩15分




※写真は全て過去のものです。
























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