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Toshiが行く

日々の出来事や思いをそのままに

いとおしい

2023-11-27 20:35:03 | エッセイ

 

いとおしい。

 

朝の6時頃、電話が鳴った。病院からだった。車を走らせる。

看護師さんの腕の中に小さな、小さな女の子。

僕の腕にそっと渡された。

初めての孫。こわごわ、わくわく。何だか妙な感覚。

腕にきゅっと力を入れた。

側にいる、その子はもう26歳。

アメリカの大学に留学・卒業し、東京にある会社に入社した。

すごい頑張りようでパソコンを開き、

「私、こんな仕事をしているのよ」と話して聞かせる。

僕の世界を超越し、よく理解できぬまま「頑張りなさい」と返す。

あんな小さな、小さな子が、こんなに大きく成長し、

やがて手の届かないところへ行ってしまうのだろう。

 

いとおしい。

      

 

背中のギターが体をすっぽり隠している。

この子が「僕、ギターやりたい」と言ったのは小学5年生の時だった。

それから高校を卒業するまでミュージック・スクールに通った。

煽られるように僕も同じスクールで歌を習い始めた。

そして、孫との共演が2度実現した。

斉藤和義の「やさしくなりたい」とビートルズの「Something」、

忘れられるはずもない。

だが、高校3年生の時同級生とバンドを組み、

文化祭で青春を思い切り発散させたのを最後にギターはやめてしまった。

大学生になるとギターに代わって、ひどく興味を示したのがファッションだ。

何せ,184㌢の長身。うん、なかなかに格好良い。

モデルまがいの見栄えだ。

ギターをやめたのは残念だが、これも彼なりの生き方。

来春には大学院を終え社会人となる。

あんな小さな、小さな子が、こんなに大きく成長し、

やがて手の届かないところへ行ってしまうのだろう。

 

いとおしい。

 

来年4月には大学4年生になる。早いものだ

小学校の校門の前で真新しいランドセルを背に

記念写真を撮ったのは、ついこの間のように思える。

背丈も僕を追い越した。

がんを克服した母が産んでくれた、大事な、大事な一人娘。

そして、この娘が大きくなっていくにつれ、

母娘はまるで友人みたいになっていった。

旅行に行くのもいつも2人一緒だし、娘が高校生になると

母が子に従うようにさえなった。

また、母娘とも「嵐」の大ファン。コンサートにも一緒に行くほどだ。

そんな娘が大学生に。嬉しさ半分、寂しさ半分……。

じぃじ、ばぁばも同じ気持ち。

 

僕の3人の孫たち。

あんな小さな、小さな子たちが、こんなに大きく成長し、

やがて手の届かないところへ行ってしまうのだろうね。