イギリスの田舎とB&Bめぐり

留学中の娘を訪ねた45日間のイギリス旅行記。月1間隔でUPしていく予定なので、ゆっくり・じっくり読み進めてください。

20  バース 1    6月27日(火)

2012-10-20 17:53:28 | イギリス旅行記


 1時間半ほどで快適な鉄道の旅は終わった。バース駅からタクシーで「ハリントンズ・ホテル」(Harington)へ。
  そのホテルは「クイーンストリート」という、石畳の細い路地が行き交い、古い建物が並ぶ美観地区にあった。周辺は関係車以外は乗り入れ禁止(タクシーは可)なので、中心に位置しているのにその一角は比較的静かであった。
ホテルの入り口は、看板が無ければ見逃してしまいそうな目立たないたたずまいだったが、中へ入ると、客室はゆったりして居心地がよさそうだ。私とミチはツイン(3F)、ノブさんはもう一階上のシングル部屋に旅装を解き、すぐ街へ飛びだした。
先ず向かったのはローマ(占領)時代から続く大浴場の一角にあるレストラン「パンプルーム」。そこでランチとデザートで空腹を満たし、国教会(Bath Abby)前の広場でベンチに座り、しばしバロック様式の教会や行き交う観光客を眺めていた。



そして楽しいぶらぶら歩き。バースは18世紀に王侯貴族や裕福な市民によって栄えた保養地なので、その頃に建設された瀟洒な建物がそのまま残っている。多くが白い石造りで街全体が輝くような明るさに満ちている。それらの建物は博物館に、またホテルにそして多くはショップになっていて、観光客を楽しませてくれている。白い壁面を飾るハンギングフラワーも抜群のセンスの良さだ。



店々は折しもサマーセールの真っ最中。紅白の「セール」と書いた貼り紙がウィンドウにべたべた貼ってあり、ほとんど店内が見えない。美観を無視するほどたくましい商魂である。それに誘われ、人はよく入っていて、私達もその一員に。自分の物を買うよりも、お土産選びに忙しい。子供や孫が大勢いるノブさんは大変なことに・・・
この季節の午後5時といえば、昼間と同じくらい明るい。なのにショップは律儀に閉店してしまう。そこで一度荷物を置きにホテルに戻り、再び外出した。
川沿いのバス停に、街を一巡りしてくれるオープントップ(屋根の上に座席が付いている)バスが5台ほど客待ちしていた。どれも大型で、客が一人も乗っていないのに少し不安を覚え、乗ろうかどうしようかと決めかねていたら、一人の運転手が「自分のバスは日本語の案内付きだよ」と誘ってきたので、それに決めた。乗客は私たちの他に男性が一人だけだった。街の中心には入れないので周囲を巡り、名所や名建築の前でしばらくストップしてくれる。その際、座席に付いているイヤホーンをはめ、ダイヤルを「日本語」に合わせると解説が聴ける仕組みだ。ところが、聞こえてくるのは英語解説のみ。しかも音声が悪くてさっぱり聞き取れない。“ひょっとしてかつがれたかな”と嫌な気がしたが、すぐに美しい眺めに気をとられた。バスの通り道は緑したたる樹木と咲き乱れる花々で溢れていた。そのうえさらに、道路沿いの家々の垣根の内側(道を歩いていても見ることの出来ない)、その彩りも上品なイングリッシュガーデンを、高いところから覗き見することができ、気持のいい夕風に吹かれながら、うっとりと時間が過ぎていった。
バスを降り、この時間になるとハンギングフラワーがいっそう映える街を歩く。



枝を広げた一本のスズカケ(sycamore)の大樹を見つけた。その大きさに驚き、しばらく見上げていたが、枝先が触れそうな所に丁度パブあり、樹が良く見える窓際に席を占めた。客は私達だけ。バーカウンターの中にハンサムな青年が立ってるのに気が付いた私達は“一緒に写真撮りたいね~”と機会を狙っていたが、実現させる前に彼は奥に引っ込んでしまった。
パブを出てホテルに戻る道すがら、もし声をかけていたら、一緒にカメラに収まってくれただろうか、それとも断られただろうか等と、未練がましく詮索する私達だった。。


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