イギリスの田舎とB&Bめぐり

留学中の娘を訪ねた45日間のイギリス旅行記。月1間隔でUPしていく予定なので、ゆっくり・じっくり読み進めてください。

1. ロンドン Part 2

2007-06-09 12:55:53 | イギリス旅行記
LONDON パート2: ロンドン3日目 27(土)

 3日目、ワクワク気分で土曜日の朝を迎えた。
 ポートベロー(Portobello)に骨董市が立つ日だ!
ホテルから近い筈なのだが、道を尋ねながら30分もかかって到着した。路を挟んで両側に常設店舗、真ん中に屋台が並び延々と続いている。「これを全部見るのは大変なことだぞ…」と思いながら、とりあえず手近な店から覗いていった。早い時点でヴィクトリア時代のブローチ(£8)とスプーン(£10を£8に値引き成功!)を買ったが(写真左)、まだ旅はこれからなので自制して、あとは見て回るだけに止めた。続々と詰め掛ける人々の流れに逆らってホテルに戻りチェックアウトを済ませ、迎えに来たミチと共に再び彼女のフラットへ行った。

 その夜はミチのルームメイトが一晩部屋を空けて下さり、私が泊めてもらえる手筈になっていた。
 フラットでは大変な重労働が待っていた。昨日、作ったダンボール小包の発送だ。四個のうち、先ず一番重いのを二人で抱え、50メートルほど離れた郵便局まで運んだ。それからは私が荷物番をし、ミチが残りの三個をナント一人で(!)運び終えた。
 そのあと一息つく間もなく買物にスーパー「テスコ」へ。その日の夕食は私達がごちそうすると部屋の貸主さんに約束してしまっていたので、どんなに疲れていてもやり遂げねばならない。風が強く、おまけに雨が降ったり止んだりの天候(さすがロンドン!)に、買物だけですっかり気が滅入ってしまった。
 寒さに震えながらフラットへ戻ると、貸主のアレックスとベルナーダが帰宅していて初対面の挨拶を交わした。が、私の疲労は極限に達していてベッドに直行。数時間熟睡していた間にミチが独りで夕食を作ってくれていて、心底有難く思った。
 メニューは「親子どんぶり&澄まし汁」と、いたってシンプルだが、彼らは初めての和食を気に入ってくれてホッとした(写真右上)。ちょっとコワモテだけど、話してみると率直で気持ちの良い人達…お互いに自国の事を紹介しあって(彼らはセルビアとクロアチア出身)興味深い時間を過ごすことができた。
 
 ロンドンの三日間はかなりハードであった。私は単なる肉体的疲労であったが、ミチの方は精神面も加わっていたようだ。
 一年以上外国で暮らしたミチには、一定の距離を置いた対人関係がいつの間にか(或いは意識的に)身についていた。そこへ母親が現れ、突然遠慮の無い親子関係に引き戻されたのだ。戸惑いが生じて当然だろう。
 あともう一つ。私の出現は、まだまだイギリス生活に未練のあったミチにとって、帰国日が近付いている現実を突きつけられた思いがしたのであろう。今だから解かる彼女の複雑な心理状態を、その時は理解できなかった私は、たまに娘から飛んでくる冷たい言葉に戸惑いを覚えたものである。
-と、言えば奇麗事すぎてしまう。言われたら言い返さずには居れない私のたち(性質)から、噛み合わない口論になってしまった時も度々あった。
 しかし、これも最初だけのこと。旅が進むにつれて、自然と従来の母と娘に戻っていくことができたのだった。
    
★写真右下はケンジントン公園