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思いつくままに

自分が観た映画や、読んだ本の感想をちょこちょこ残していきます。

【BOOK】ダイスをころがせ!(上・下)

2006-06-24 02:29:45 | BOOK
■著者:真保裕一

■発行:新潮社

■価格:620円(税込・上巻)、580円(税込・下巻)

■感想など

選挙の話ということで、なにやらドロドロした話になるのかと思いきや、
財力も後ろ盾もない主人公たちが、正々堂々と自分たちの手作りの選挙を
戦っていくという話で、上下巻という量も気にならず、サクサク読めました。

特に面白かったのは、選挙を戦っていく上で、選挙とはどのくらいお金がかかる
のかをみんなに知ってもらうために、選挙にかかった費用の一切をバランスシート
という形で後悔していく、というものです。
小説ではきちんとしたバランスシートが出てきたわけではないのですが、選挙を
戦っていくために必要な費用がかなり細かいところまで描かれていました。
秘書の給料に始まり、街中に張り出すポスターの値段や、ビラの値段、事務所を
借りるための費用やその光熱費、ネットで情報配信するためのプロバイダ料や
選挙カーのレンタル代など、ほんとに多岐にわたってました。
(読み終わると共に、書かれていたはずの金額は大体忘れてしまいましたが...)

この本を読んで、今の選挙の仕組みは、政党、および政党に属している候補に
対して非常に有利で、無所属の候補にはいろいろと不利な条件になっている
ということを知ってショックでした。
資金的に厳しい無所属の人こそサポートすべきなのに、既存の政党に属している
人に有利になっている現在の仕組み。ちょっとあきれました。

ダイスをころがせ!〈上〉

新潮社

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ダイスをころがせ!〈下〉

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コメント (2)
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【BOOK】ダ・ヴィンチ・コード(文庫版 上中下)

2006-05-10 01:44:57 | BOOK
■著者:ダン・ブラウン(越前敏弥 訳)

■発行:角川文庫

■価格:各552円(税別)

■感想など:

映画化されることを知って、見る前に読んでみようと思い、買ってみました。
できれば、映画の公開よりもある程度前に読み終わっておきたかったのですが、なんとか
映画の公開までに間に合ったという感じです。

ルーブル美術館のジャック・ソニエール館長の死から最後のロスリン協会に
至るまで、キリスト教や、レオナルド・ダ・ヴィンチに関する様々なうんちくが語られていました。
シオン修道会やマグダラのマリアの話などは、読んでいて「へぇ~」となってしまいました。

でも、もともとその辺に関する知識も興味もそれほどあるわけではないので、これでもかと
いうぐらいのうんちくには、ちょっとおなかいっぱい気味でした...。

暗号の解読は面白そうだったのですが、最初のアナグラムの解読に挑戦しようと
思ったきり、まだやってません。

ストーリーは、ティービングの屋敷に逃げ込むまではワクワクしながら読んでたけど、
そこからラストの少し前まではちょっと気が抜けてしまいました。話が長かったからかな。
そう言えば、読む前は数日~数週間くらいの期間の話かと思っていたんですが、
最後の部分を除くと、たった1日の間の出来事だったんですね。
1日分の内容をよく文庫3冊分もの量にまとめたもんだ。

ロスリン協会で明らかになったソフィーの家族にまつわる秘密は
予想外の結果にちょっと感動しました。

これだけいろいろなうんちくが語られていると、映画を観る前に小説を
読んでおいてよかったかも。

でも、小説読んでから映画を観てよかったというためしがないんだよな...。


ダ・ヴィンチ・コード(上)

角川書店

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【BOOK】盗作(上・下)

2006-03-29 02:45:33 | BOOK
■著者:飯田譲治 梓河人

■発行:講談社

■価格:上・下 各1,260円(税込)

■感想など

越ヶ谷彩子は「平凡」という言葉がピッタリくるような女子高生。耳が不自由な弟カヅキと
「民宿花月」を経営する両親とともに、平穏な生活を送っていた。
ところが、ある日の夜、彼女は夢の中でこの世のものとも思えないようなすばらしい絵に出会う。
そして、目が覚めた後、まるで取り付かれたかのように夢で見た絵をキャンバスに描き上げる。

その絵を見た人々は、美術の才能のあるなしに関わらず皆一様に感動し、その絵を、作者を賛美する。
その後、美術教師の紹介で有名な画家の賞に応募し、見事新人賞を受賞するとになったのだが、
授賞式の直前、彼女の絵と全く同じ絵が別の人間によって既に作成されていたことが判明する。


初めは、本のタイトルと表紙の絵に惹かれたのですが、作者の名前を見て、二人が「アナザヘブン」の
作者だということを思い出し、さらに興味が湧いてきました。

僕が今までに呼んだことのないタイプの小説でしたが、すごく面白かったです。
ネタバレになってしまうのですが、上記の絵が盗作扱いされてから数年後、今度は彼女は
また夢の中で今度は非常に美しい歌と出会い、その歌は世界的にヒットするのですが、
これもまたオーストラリアの方で同じ曲が既に存在することが判明し、彼女は
またしても盗作者扱いされてしまいます。

このあたりから、「次はどうなるんだろう?」「彼女が出会った絵や曲は」どこからきてるんだろう?」
というのが非常に気になり、終盤までかなりドキドキワクワクしながら楽しめました。

ミステリー小説に飽きてしまった人、一度読んでみてはいかがでしょう?

盗作(上)

講談社

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盗作(下)

講談社

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【BOOK】レンタル・チルドレン

2006-03-05 13:35:30 | BOOK
■著者:山田悠介

■発行:幻冬社

■価格:1,100+税

■感想など

息子を病気で亡くした夫婦が、子供をレンタルする会社から、なくなった息子に
そっくりな子供をレンタルし、1,000万円という高額を支払って「購入」する
のですが、しばらくして子供の体に異常が表れ始めます。
その変貌ぶりに恐れ、父親が子供を捨ててしまいます。
また、同じように子供を購入した他の家族でも、子供が突然死んでしまうといった
不可解な事態が起きており、この父親はレンタルの会社に不信感を抱きます。
そして、子供の人身売買の実態が次第に明らかになって行くという話しです。

以前読んだ、同じ著者の「スイッチを押すとき」という本に比べると、
今回はまあまあよかったかなという印象です。
ただ、「ホラー」という割には、ほとんど怖くなかったです...。

子供をレンタルしに行った際に、息子とそっくりな子供がいた、という展開は
なんとなく読めてしまったのですが、その子がクローンだったという結末は
読めなかったです。途中の子供の体に異変がおきたあたりから、この子供たちは
普通の子供たちではないというのは想像がついたのですが。

後、話の最後の研究者の「本当に信じてんのかな、クローンの話なんて」という
セリフの意味がよくわかりませんでしが。実は、クローンじゃなかったという
ことなんでしょうか。となると、どうやって子供を作っていたんだろうという
疑問が残ってしまいます。

ひょっとして、それが狙い?
だとすると、今度は真相がわからず、思いっきり消化不良です...。

レンタル・チルドレン

幻冬舎

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【BOOK】黒笑小説

2006-02-26 12:49:34 | BOOK
■著者:東野圭吾

■発行:集英社

■価格:1,600円+税

■感想など
最近、直木賞を取った東野圭吾が、以前書いた短編小説集です。
読もうと思っていて忘れていたところ、最近東野圭吾の過去の作品が
本屋に沢山並ぶようになり、久しぶりにこの本の存在を思い出しました。
直木賞の威力はすごいですね。

でも、ただの短編小説ではありません。
本の帯にはこう書かれています。
「俗物作家東野がヤケクソで描く文壇事情など13の黒い笑い」
その帯の通り、ブラックな笑いが随所に散りばめられていて、読んでいて
思わず「ニヤッ」としちゃうような話でした。

個人的に印象に残ったのは、以下の3話です。
・みえすぎ
 →普通の人が見えないような小さい粒子までもがはっきりと
  見えてしまう男の話。
・シンデレラ白夜行
 →白夜行の話はよく覚えていないのですが、シンデレラと白夜行の
  話を掛け合わせたような話。
・選考会
 →初めて灸英社の新人賞の選考会に選ばれ、勇んで会場に向かう
  とある作家。しかし、本当の選考会とは...。

たまにはこういう小説を読むのも楽しいです。
短編だから1話あたりの量もそれほど多くないし、何より肩の
力を抜いて気楽に読める感じがいいです。
こういう一面も見せられると、ますます彼のファンになってしまいます。

黒笑小説

集英社

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【BOOK】99%の誘拐

2006-02-06 23:52:10 | BOOK
■著者
岡嶋二人

■発行
講談社

■価格
695円+税

■感想など
昭和43年、5歳の生駒慎吾は誘拐事件の人質となった。
彼は父親が用意した身代金によって無事親の元に帰ることができたが、
その12年後、この事件の隠された真相を知る。
そして、その犯人に復讐すべく、コンピュータを利用したこれまでに前例の
ない完全犯罪という形で自分も誘拐事件を起こす、という話。

この作者のペンネーム、ちょっと変わってるなと思っていたら、ほんとに
二人の人が書いていたんですね。全く知りませんでした。

もともとこの本が最初に刊行されたのは、1988年とかなり古いため、
時代設定や内容などに時代を感じましたが、そこで犯行に使われている
テクニックは非常に高度なもので、しかも自分は人質には全く会うことなく
人質を誘い出して監禁し、また完璧なアリバイを残しながらも犯行を
遂行するという信じられないようなことをやってのけます。

この前、同じ誘拐もので「誘拐の果実」という本を読んだのですが、完全犯罪
という観点からでは、こちらの方が上なんだろうな、という気がします。
もっとも、それなりのシチュエーションがあってこそ、ということはありますけど。

99%の誘拐

講談社

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【BOOK】誘拐の果実(上下)

2006-01-23 01:30:50 | BOOK
■著者
真保裕一

■発行
集英社

■価格
648円+税(各巻毎)

■あらすじ・紹介
都内にある宝寿会総合病院の副院長である辻倉良彰の娘、辻倉恵美が何者かに
誘拐された。誘拐犯が要求してきたのは、身代金ではなく、病院に入院する
永渕孝治という男を殺せというもの。この男は、株譲渡事件の重要参考人と
目されている人物で、同時にこの宝寿会総合病院のスポンサーでもあった。
辻倉や彼の義父で病院の院長である辻倉政国らは家族の命と医者としての信念の
狭間に揺れながらも人質を助けるべく、必死に作戦を考える。
そして、その作戦が実行された数時間後、新たな事件が発生する...。

■感想(ネタバレありです!
僕は、真保裕一氏の書く小説を読むときはいつも大体時間がかかって
いるのですが、この小説は珍しくどんどん読み進んでいってしまい、長い
割には一気に読みきってしまったような気がします。

17歳の女子高生と19歳の大学生の誘拐が立て続けに起こるのですが、
両方の誘拐の手口がまた非常に巧妙に仕組まれています。
女子高生、恵美の誘拐では犯人は永渕の命を要求するのですが、
身代金ではなく他人の命なので、お金の受取で失敗するという誘拐にとって
一番のリスクがありません。もう、なんかこれだけでも相当レベル高いです。

さらに驚いたのは、大学生の工藤巧の誘拐。
こちらは身代金が要求されるのですが、要求したのは現金ではなく
現金相当の株券。これなら、実際の現金よりもかさばらずに済むため、
逃亡も簡単です。しかも、株券で受け渡すことにより、受け渡しの
現場に本人ではなく第三者が行くことも可能という方法があるという
のには、驚きました。これなんかも、完全犯罪ができちゃうかも、なんて
思わず考えてしまいました。

そして、この後2つの誘拐に共通することが見つかり、当然その関係が捜査の
対象となるのですが、それがわかりそうでわからないところもまた、ページを
めくる手に拍車がかかった理由です。

最後に、犯人とその動機の真相が明らかになるのですが、今まで読んできて
ものすごい期待を感じていたせいか、ちょっと肩透かしをくらった感じ
でしたが、全体を通して非常に面白かったです。

誘拐の果実 (上)

集英社

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誘拐の果実 (下)

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【BOOK】代行返上

2005-12-29 10:11:11 | BOOK
■著者
幸田真音

■発行
小学館

■価格
730円(税込)

■あらすじ・紹介
時は2003年、まさに代行返上が一種のブームとなった年。
さまざまな立場の人たちの視点からみた代行返上にまつわる出来事を
ストーリー仕立てで綴ることで、年金関連業務に携わる人たちが感じた
代行返上の手続きの大変さや、社会保険庁の管理のずさんさなどが浮き彫りに
なっていきます。また、同時に代行返上の仕組みや、厚生年金、厚生年金基金との
関係についても読み手が理解しやすいようにストーリーに織り込まれています。

さらには、代行返上を利用して大きな利益をつかもうとする
ヘッジ・ファンドの登場によって小説としての面白さも備えています。

■感想
幸田さんの小説はほんとにためになります。
代行返上なんて、言葉くらいは聞いたことがあるけど、何なのかさっぱり
しらなかったですが、この本を読んで、それがどんなもので、何にどう
影響するのかが、多少なりとも理解することができました。

自分から文献のようなものを読んだりしないので、なかなかそういう
知識はつきにくいですが、この本のように小説仕立てにしてもらえると
割とすんなり頭に入っていくので、小説を楽しむと同時に知識も得られて
勉強になります。

ふと思い立って、自分の以前勤めていた会社の給与明細を見てみたのですが、
やはり厚生年金基金が給与からちゃーんと引かれていました。
あの会社も、基金を作って運用してたんだ...。

代行返上〔文庫版〕

小学館

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【BOOK】発火点

2005-12-12 01:03:32 | BOOK
■著者:真保 裕一
■発行:講談社
■価格:819円+税

■あらすじ
主人公の杉本敦也は、12歳の夏に父親を殺された。
殺したのは父親の幼なじみで、その歳の夏休みに
敦也の家で一緒に暮らしていた沼田だった。
それ以来、敦也は同級生や知人が自分に対してよせる同情や好奇の
まなざしを嫌い、世間に対して怒りをぶつけながら生きてきた。
9年後、彼は家を出てバイトをしながら一人暮らしの生活を続けていたが、
バイト先での山辺靖代との出会いや、沼田の仮出所を敦也に教えた
記者の武藤との出会いによって、彼の中で何かが変わり始めた...。

■感想
以前、この作者の別の作品の「繋がれた明日」という本を読んだときにも
思ったのですが、人の生死に関わる心に深い傷を負った人の心理描写が
すごくうまいですね。
今回の主人公の思考や行動を読者という立場から見ていると、頭では
自分が悪いとわかっているのに、相手に対して怒りをぶつけてしまったり、
今はこうすべき、と理解しているのについ逆の行動をとってしまうような場面では、
非常にもどかしさや苛立ちを感じながらも、リアリティがあって、その展開に
すごく納得してしまいました。

物語の後半では、一転して敦也は昔の事件と向き合い、自分が今まで知らなかった
事件の真相を明らかにしていくのですが、この部分がよかったです。
今まで無理やり意識の外へ追いやろうとしていた過去ときちんと向き合って行く
中で、敦也が少しずつ失われた時間を取り戻し、少しずつ大人になっていく
様子がよく出ていたと思います。
事件の真相も意外でしたが、個人的にはそこまでのプロセスの方が面白かったです。

発火点

講談社

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【BOOK】TOKYO WAR MOBILE POLICE PATLABOR

2005-11-20 10:19:44 | BOOK
著者:押井 守
発行:エンターブレイン
価格:1700円 + 税

この本は、映画「機動警察パトレイバー2 the Movie 」の原作となる
小説を加筆修正したものです。
アニメやコミックで登場していたキャラクター達も当然登場するのですが、
今回のメインは後藤隊長です。

あらすじ:
ある晴れた日の夕方、横浜ベイブリッジが爆破された。
たまたまベイブリッジ付近を撮影していたビデオより戦闘機の影がみつかり、
自衛隊の関与が推測されたが、自衛隊はこれを完全に否定。
後藤はこの事件に興味を持ち、その真相を知るべく松井刑事に内々に調査を依頼する。
そんな折、後藤の下に自衛隊の諜報関連の部署に所属する荒川という男が現れる...。

感想:
実は、この本を読む以前に映画(アニメ)の方はDVDで既に見てしまっていたので
内容はほとんど知っていたのですが、映画では登場していなかった場面や、
見ていただけでは分からない各キャラクターの心の動きなどが描かれていて良かったです。

警察内部の対立(キャリアvsノンキャリアとか、警視庁vs警察庁)というのは、
他の小説や映画などで割りと見かける気がするのですが、自衛隊対警視庁
という構図は、結構珍しいのかなと思います。
でも、ほんとにそういう事態になったら、なんだか怖そうですね。

一点気になったのは、やたら難しい熟語が多かったことです。
手元に本がないので例を挙げることができないのですが、今まで聞いたことも
ないような熟語が結構たくさん出てました。
できれば、簡単な熟語でもうちょっと分かりやすく書いて欲しかったです。

TOKYO WAR MOBILE POLICE PATLABOR

エンターブレイン

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【BOOK】生協の白石さん

2005-11-03 23:17:00 | BOOK
著者:白石昌則 東京農工大学の学生のみなさん
発行:講談社
価格:952円 + 税

とある日、会社の人から「生協の白石さんって知ってますか?」という
質問を受けた。生協?白石さん?なんのことだろうと思い、聞いてみると、
ネットで話題になっている人だとのこと。

どのように話題になっているのか、調べてみたところ実在する方で、
東京農工大学の生協で働いている方ということでした。
で、この人の何が話題になっているかというと、彼が生協での業務の
一環として行っている「ひとことカード」への学生からの要望、質問への
回答が非常にユニークだということなんです。

本来、この「ひとことカード」では生協の店舗や取り扱い品などに関する
要望・意見などを書いてBOXに投函するらしいのですが、時にはそれとは
まったく関係のないことが書かれていることがあるそうなのです
でも、白石さんはそれに対してもきちんと受け止め、かつ非常に誠実に、
それでいてユニークなコメントを返してくれています。

その、楽しいコメントをまとめて書籍化したのがこの本ということです。
面白そうなので、発売日に早速買ってみました。

白石さん、すごいです。
一見「なんだこれ?」と思ってしまうようなひとことカードに対しても、
非常に誠実に、それでいて思わず笑ってしまうようなコメントを返しています。
すごく、粋なセンスの持ち主だと思いました。

自分が気に入ったコメントなどを挙げてみたいのですが、せっかくなので
気になった方は是非買って読んでみてください。
僕も、白石さんのように気の利いたコメントができるようになりたいです。

生協の白石さん

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【BOOK】生きることも死ぬこともイヤな人のための本

2005-11-03 20:17:50 | BOOK
著者:中島義道
発行:日本経済新聞社
価格:1400円 + 税

最初に断っておくと、僕は生きることは別にイヤではありません。

この本は、以下のような章立てで、4人の男女の話を聞くという形で展開して
いきます。

1 生きていたくない
2 世間に従いたくない
3 働きたくない
4 ひとから評価されたい
5 ひとから愛されたい
6 死にたくない

そもそも、この本を読もうと思ったきっかけは、こういう本を読むことで
いわゆる「ニート」と呼ばれる人たちの考えていることが少しはわかるのかな
という思いつきでした。
自分の周りの人間に、ニートの条件にあう人がいるので、ちょっと
気になってたんです。

正直な感想としては、「なんでこんな本買っちゃったんだろう」という後悔が強いです。
こういう内容の本というのは、なじめる人となじめない人がはっきり分かれる
んだと思いますが、自分は明らかに後者だということがよくわかりました。
なじめる人には面白いのかも知れません。
読んだ内容は2日くらいできれいさっぱり忘れてしまいそうです。

唯一よかったのは、最後の章にあった「時間」というものの概念とか、
「未来」に関する記述の部分でした。
そこも、本や章のタイトルや内容から考えると横道にそれた内容ですけど。

生きることも死ぬこともイヤな人のための本

日本経済新聞社

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【BOOK】ヒトラーの防具(上・下)

2005-11-03 20:00:03 | BOOK
著者:帚木蓬生
発行:新潮社
価格:743円 + 税

この本は、以前

ヒトラー 最後の12日間

という映画のブログを観た際に、コメントを下さった人が薦めてくれた本です。

あらすじ:
ベルリンの壁崩壊後のドイツにて、ヒトラーに贈呈された剣道の防具一式が
見つかった。この防具を送ったのは香田光彦という青年だった。

ここから時代は1938年にさかのぼる。
彼は武官補佐官としてベルリンに駐在することになった。彼はそこで
ドイツ、そして戦争の実態を目の当たりにし、彼の考え方や運命までもが
大きく変わっていくことになった。

感想:
読み始めたのはかなり前なのですが、思っていたよりボリュームがあり、
読み終えるのにかなり時間がかかってしまいました。
ヒトラーの防具の存在そのものは事実ということを知り、驚きました。

戦争にまつわる小説は今までにもあまり読んだことはなく、しかも舞台が
ドイツというものは初めてだったと思います。
この本を読んでみて、自分は戦争に関して、日本がどのような目に遭ったか
位は多少理解していましたが、よその国(ドイツ)の事情については全く何も
知らなかったことが改めてわかりました。
また、ドイツにいる日本人から見た日本というのはすごく興味深かったです。

ナチスドイツのユダヤ人に対する迫害の描写については、いまさらながら
ひどく憤りを覚えます。
小説中にナチスドイツは本当のドイツではないというような記述があったかと
思いますが、多分その通りなんだろうなと思います。

ヒトラーの死に関してはいろいろな説があるようですが、この本でもまた
別の結末が描かれています。
個人的にはこの部分の展開はすごく印象に残っています。

上下巻とも文庫で500ページを超えるという分量ですが、歴史に興味のある人は
是非一読してみてはいかがでしょうか。


ヒトラーの防具〈上〉

新潮社

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ヒトラーの防具〈下〉

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【BOOK】livedoor?何だ?この会社

2005-10-07 01:20:20 | BOOK
何を思ったか、こんな本を買ってみた。

最近、経済誌やお茶の間を賑わしていたこの会社、実際には
どんなことやってる会社なんだろうっていう疑問に答えてくれる本らしい
ということで、好奇心をくすぐられて買って読んでみた。

読んでみたけど、どんな分野で活躍していて、具体的にどんな事業を
営んでいるかということについては、それほど触れられていない、という
印象だった。社長を含めた取締役に対するインタビューのようなものや、
ライブドアでの仕事振りや人事、経理などの内輪的な話なんかも結構あった。

印象に残ったのは以下の3点
1.利益に対する貪欲な追求
2.徹底的なコストカット
3.スピード優先主義

1.や2.は見方を変えれば「がめつい」「けち」という表現にもなりえなくは
ないと思うけど、ライブドアという会社で働く人全員に「利益を出す」、
「無駄なコストを省く」という意識を植え付ける、という意味では十分に
成果がでてるんじゃないだろうか。

3.は自分も共感できる。ただ、本文中に100%のものを時間をかけて作るよりも、
75%のものをとにかく早く出すようにする、というような記述があったが、
これは自分たちがサービスを提供する側だから言えることだなと感じた。

自分もSEをやっているが、顧客から仕事を請け負って製品を作るような仕事の
場合、そうはいかない。やはり、契約期間内で限界まで品質を高めて顧客に
提供する必要があるし、中途半端な出来で提供して致命的な障害などを続けて
出してしまえば、もう仕事を振ってくれなくなる、なんてこともある。

そういえば、本のなかでは取締役や事業部長クラスの人間のインタビューは
何人もあったが、自分としてはそういう人たちの下で実際に働くSEや
プログラマなどの声というものを聞いてみたかった。
話としてはおもしろいんだけど、もうちょっと自分と目線の近い人の話が
読めれば、もっとこの会社に興味を持ったかも知れない。

livedoor?何だ?この会社

ライブドアパブリッシング

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【BOOK】容疑者Xの献身

2005-09-25 15:55:32 | BOOK
著者:東野圭吾
発行:文藝春秋
価格:1600円+税

新作が出ているのを見つけて、思わずその場で買ってしまいました。

感想:
物理学者の湯川と刑事の草薙のコンビが出てくる小説はこれまでにも
何冊か出ているんだけど、読み進めてしばらくするまで、そのシリーズだと
いうことに全く気づかなかった。だからどうということはないんだけど...。

本の帯には純愛という単語があったので、ミステリーよりも恋愛小説っぽいの
かと思っていたけど、中身はミステリーものだった。
しかし、そのトリックは全く予想できないもので、こんなやりかたが考え
られるのかと驚かされました。

そのトリックは、人間の心理をたくみについたもので、そのトリックにかかると
一見全てがつじつまのあうように見えてしまう。
さらにすごいのは、自分自身に対する心理的な要素さえも組み込み、完全犯罪と
してしまっているところがすごいと感じた。

しかし、好きな人のためにここまでのことができる人が実際にいるだろうか。
ある意味、この石神のような純粋さがなければ無理だと思う。
でも、人って年を重ねるにつれて、純粋さをなくしていくものだよな...。

容疑者Xの献身

文藝春秋

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