C/Gの7月号を読んでいるとVWゴルフⅠのデザインについて触れていました。ジウジアーロとデ・シルバの対話と児玉さんの解説で、それはそれで良くまとまっていたと思います。C/GはVWについては好意的な書き方をしますので、そうだろーなと感じました。只、一つ不満だったのは、1974年にゴルフが登場した時のデザインがジウジアーロのオリジナルかということです。プロポーション、車体そのものは、そのままですが、オリジナルは角形ヘッドランプだという話を読んだことがあります。それを、最後になってVWのデザインが丸型ヘッドランプに変更したということです。最終デザインの時、ジウジアーロの手を離れて、VWデザイン部門単独で行われたのか、ジウジアーロも噛んでいたのかは分かりません。言えることは、これだけのことで随分印象が違うなということです。その頃のヨーロピアンハッチバックは大抵角形ヘッドランプを使ってました。米車が角形ヘッドランプを認可される直前でしたので、これだけでヨーロッパ車のアイデンティティーを主張できたとも言えます。しかし、ゴルフとしての独自性を主張できたかというと少し弱い。丸形ヘッドランプだけで随分印象が違う。もしも、これがVWデザイン部門の実績であればもっと公表しても良いのではと思います。
オリジナルデザイン
1974年発表時
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以前「ホンの一ひねりのデザインで」というテーマで書いたことと並べてみたくなりました。
このゴルフⅠの例は、その中でも最高傑作では。
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今までに一味違う味付けのデザインで運命(?)が変わった車を並べて楽しんでみましょう。
初代ワゴンR
左上の非対称な位置に空けられた小さなラジエーターグリル。これが何故か捨て難く、人を引き付けました。当時「何とも妙味」と評した専門誌もありました。これが無ければ、ステップバンのコピーと言われかねなかったのでは?ベストセラーになったかどうか。この車の外形デザインは、一人のデザイナーがやったそうです。それ位ニッチ狙いだったのですね。
2代目以降のモデルチェンジでは、担当デザイナーは、意地でも非対称グリルを採用しません。後追いしたくない気持ちは、良く分かります。
初代FFファミリア
マツダを破滅から救った救世主。ゴルフ、カローラに匹敵する生産量のワールドカーとなった。メーカー自身、何故ここまで売れたのか分からないと云った程。そこで気になるのが、ヘッドランプの1角のみの面取り。これだけで、他との差異が明確に印象付けられた。2代目以降は、角が丸められオペルともエスコートともゴルフとも云えるスタイルになった。それにつれて販売量も低下していった。
初代FIATパンダ
1980年代の2CVを目指して造られた、ジウジアーロの傑作。1プレスで打ち抜いた非対称グリルが何とも引き付ける。私自身は、車室を一回り広くした方が良かったと思いました。つまり、2CVと同程度のボデーサイズですね。その方が、ワールドカーとして今でも生き残ったと思います。イタリア国内では、126の後継の意味合いからもこの大きさが良かったのでしょうが。
シトロエンC6
Pinin FarinaのBMC1800の基本形を踏襲したファストバック。の筈なのに、リアコンビネーションランプの微妙な形状でノッチを付けてしまった。これだけでFarina styleを抜け出してしまった。CXでいやな思いをしたのかな。
初代ステップバン・ピックアップ
車自体が、シボレーステップバンのミニチュア。事務所デスク式のダッシュを採用したいばっかりにセンターメーターを採用?グッドデザインであり、楽しい玩具でもあります。
ミニのセンターメーター
こちらの方がオリジナル。こちらは、ダッシュ全体をシェルフにしてしまった。隣にものが転がらない様にメーターが仕切りにもなる。ミニはバンが一番バランス良いと思います。
テントウ虫のアイメイク
「出目金」こそオリジナルと主張する人も多いでしょう。しかし、このヘッドランプのリファインは、かなりの成功例では。後年の「アイシャドウ」は、私はやり過ぎだと思います。
過去の記事-----------> ココ
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初代FFファミリアとゴルフⅠのヘッドランプ。ほんのちょっとしたことがアイデンティティーになる。
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