常念岳 2013年2月9日~10日 参加者:S原、nami、I原
晴れていると職場の食堂から真っ白な常念が見え、以前から気になっていましたが、厳冬期にもかかわらず、天候・雪の状態に恵まれて一泊山行で頂上まで行くことができました。
[9日] 晴れ 茅野6時-温泉施設先ゲート7時半-大平原10時半-1500m12時-2150m15時半
温泉施設先のゲート前には数台の駐車スペースがあり、既に2台停まっていたが登山者かどうか不明。ここからトレースはしっかりついているものの、長い雪の林道歩きが始まる。途中、サルの群れが多く目についた。
〈林道を行く〉
〈大平原から1500mへの登り〉
結局大平原まで3時間かかり、ここからワカンをつけ、車道が折り返す所から(ピンクテープのあるところ)東南尾根に取付く。ここは日当たりが良く地面が見えている部分もある藪こぎで、結構急な斜面。途中で先行パーティ二人を追い越し、この後、終日自分達でトレースを付けることに。
登り切った1500m付近は明るいカラマツ・ダケカンバの林で、雪が締まっていてほとんどもぐらず助かる。ここまで工事か何かの調査か?ピンクテープが異常なほど多数つけられていた。
しばらく緩い尾根を行くと傾斜がきつくなり、暗い針葉樹林帯に入る。しまった雪の上に湿雪が乗っており、本格的なラッセルとなり、その後ひたすら三人でラッセルを続ける。
〈樹林帯のラッセル〉
2000m付近で傾斜が緩み、再び明るい尾根を進み、その後本日最後の登りをクリヤすると三俣からの夏道に合流、栂の大木の森の中の小広いスペースに設営。風も無く快適なテントサイトだった。
[10日] 曇り~上部は風雪 BC5:50-前常念8時-常念岳9時-BC11時~12時-大平原14時-ゲート16時-茅野18時半
暗いうちにヘッドランプを付けて出発、樹林帯上部で夜明け。I原が今日も元気にラッセルの先頭を行く。焼岳に続くラッセル山行ですっかりワカンラッセルにも慣れ、頼もしいかぎり。
〈森林限界付近〉
〈背後から日が昇る〉
森林限界の上でワカンをデポしてアイゼンに履き替え雪壁・岩稜を登る。ここから先は時々雪面の踏み抜きはあるものの風当たりが強くアイゼンがよく効く雪稜登りになる。
〈前常念の雪壁〉
〈主稜線までもう少し〉
前常念付近から風雪模様となり、気温も下がってくる。眼鏡が曇るので目出帽から出していた顔面が痛く、オーバー手を付けていても指先が痛い。幸い視界は数百m程度あり、尾根を外す心配は無く、また尾根上に雪庇も出ていなかった。道標のある主稜線に達し、上高地側の夏道を拾いながら頂上へ。お日様が見え隠れし、隣の横通岳もうっすら望めたが、穂高方面は真っ白で視界無し。
〈常念岳にて〉
〈ガスの切れ間から横通岳方面〉
寒いので早々に往路を下山、前常念辺りで後続パーティとすれ違う。三人とも雪面の踏み抜きに悩まされつつ、それでもやはり下りは早い。幕営地に戻りテントを撤収してさっさと下山。昨日ラッセルで苦労した往路を半分以下の時間で下り、林道に達した。
ここから後、単調な林道歩きにヘロヘロになってようやくゲート着、ゲート近くの温泉に入って汗を流した・・が、連休とあって混雑、あまりゆっくりもできなかったのが残念だった。
***
前週の焼岳・今回の常念とも、厳冬期にしては雪は春山を思わせる状態だった。天気図を見ると早い周期で低気圧・高気圧が入れ替わり通り、気温も上下が激しい状況。今回も新雪ラッセルが無く短時間で登ることができたが、天気と雪の状態読みをしっかりし、安全登山に心掛けたい。
でも改めて写真みると悪くない雪稜歩きだったなと思います。
手足の指がしもやけになってて、寒かったんだなと
後で実感です。
でもやっぱり雪山は楽しい。