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ちょっとしたメモです。

交代の妙が運んできた勝ち点3

2007年09月16日 | 試合
2006Jリーグディビジョン1 第23節 サンフレッチェ広島戦

日時:2006年9月16日 19:04キックオフ 場所:埼玉スタジアム2002


天候:曇り 気温:21℃ 観衆:人


審判:穴沢 努 副審:武田 進 金田 大吉 第4の審判:佐藤 秀明


浦和レッズ Team サンフレッチェ広島


2 Score 1

3-5-2 Formation 3-5-2

スターティングメンバー

GK (1)山岸 範宏 (1)下田 崇 GK

DF (20)堀之内 聖 (8)森崎 和幸 DF

DF (4)田中 マルクス闘莉王 (14)戸田 和幸 DF

DF (2)坪井 慶介 (4)ダバツ DF

MF (14)平川 忠亮 (5)駒野 友一 MF

MF (7)酒井 友之 (23)青山 敏弘 MF

MF (17)長谷部 誠 (17)服部 公太 MF

MF (8)三都主 アレサンドロ (27)柏木 陽介 MF

MF (18)小野 伸二 (7)森崎 浩司 MF

FW (9)永井 雄一郎 (10)ウェズレイ FW

FW (11)田中 達也 (11)佐藤 寿人 FW


サブメンバー

GK (23)都築 龍太 (21)木寺 浩一 GK

DF (19)内舘 秀樹 (19)盛田 剛平 DF

MF (16)相馬 崇人 (15)中里 宏司 MF

MF (6)山田 暢久 (16)李 漢宰 MF

MF (10)ポンテ (25)高柳 一誠 MF

FW (12)黒部 光昭 (9)上野 優作 MF

FW (30)岡野 雅行 (24)前田 俊介 FW


≪得点≫
浦和:35分/闘莉王、86分/山田
広島:39分/ウェズレイ

≪交代≫
浦和:*45分/田中→ポンテ、65分/小野→山田、78分/永井→黒部
広島:77分/柏木→李、88分/ダバツ→前田
    *45分はハーフタイムでの交代

≪警告≫
浦和:44分/長谷部
広島:16分/戸田、57分/ダバツ、77分/森崎

至上命題“勝ち点3”

リーグ戦もおよそ3分の1を消化し、これから、ラストスパートに向けて勢いをつける大事な時期に入る。上位と離されず、かつ下からの突き上げを退け突き進まなくてはいけない。今日は、デーゲームですでにガンバ大阪が勝利を収めている。『負けられない』。選手達にとって、キックオフ前から非常にプレッシャーのかかる一戦となった。3ゲームぶりのホームに迎えるのは、前半戦で大勝しているサンフレッチェ広島。シーズン途中に監督が交代し、不振にあえいだ序盤に取り込まれたJ2降格圏を脱出し、さらに上位を目指そうと意気込んでいる。失うものはない広島と、ノドから手が出るほどに勝ち点3が欲しいレッズ。





精神的に不利な後者は、攻撃の先陣を切るワシントンが離脱し、中盤の要である鈴木啓太もチームを離れた。代表選手を多数抱えるクラブにとって、解消することのできない悩みだが、そこは選手層の厚さがカバー。先発した永井雄一郎と酒井友之の出来に注目が集まった。



焦れる展開も、ゴールへの執念で決着

開始直後、広島のキックオフボールを奪い去ると、レッズが怒とうの波状攻撃を仕掛ける。1分に達也のスルーパスから永井、3分に永井・小野・達也のコンビネーションから平川、5分に達也のクロスボールから小野が絶好機を迎えるが、どれもGKの好セーブに阻まれモノにできず。逆に広島は、レッズの攻撃が途切れたところを狙い、佐藤寿人とウェズレイの快足2トップを走らせるカウンターで応戦してきた。序盤は、広島に何度かシュートシーンを作られたが、陣形をコンパクトに整え、決定的なチャンスは作らせなかった。中盤に差し掛かると、お互い両サイドを活用して攻撃に変化をつけはじめる。特に、レッズはサイドを大きく使ったワイドな展開で、広島守備陣を左右に翻弄。最終的には中央からのシュートが多かったが、相手の注意を達也や永井から上手く逸らせた。





30分を過ぎ、どちらに先制点が転がり込んでもおかしくない状態が続くと、“我慢していた男”がいよいよ動き出した。35分、それまで守備に専念していた闘莉王が、左サイドのスペースに攻めあがる。小野からパスを受けると、中央に切れ込みながら豪快なミドルシュート。カーブのかかったボールが、広島GK下田の懸命に伸ばした手の上を抜け、右サイドネットを揺らし、レッズが待望の先制点をあげた。これで勢いに乗った、と思うのが早かった。直後の39分、ウェズレイにセットプレーから同点ゴールを叩き込まれる。ショートコーナーから放たれたシュートは、ゴールのニアに飛び込み、意表を突かれた格好となった山岸の懸命のパンチングも届かなかった。「皆で声を掛け合っているところでやられてしまった」(闘莉王)というように、全員の意識がショートコーナーで待つウェズレイから外れてしまっていた。





後半に入ると、広島の素早いパス回しに翻弄され、レッズの組織が崩れ始める。状況を理解して、人数をかけて守備に入ったレッズは、攻撃への切り換えが遅く、ロングパスや中盤でのパス回しを繰り返す展開が続いた。そんなチームを救ったのは、前半から縦横無尽にピッチを駆け回り、高い位置からプレスを掛け続けた酒井友之だった。間延びしつつあった陣形のど真ん中に立ち、後方と前線の繋ぎ役に奔走した。





後半も中盤に入り、運動量の落ちた小野を山田に代えると、徐々に流れがレッズに戻ってくる。62分には、三都主のフリーキックに、ゴール前に飛び込んだ闘莉王が頭で合わせるが、下田のファインセーブでゴールならず。互いに一歩も譲らない膠着した試合は、終了5分前に再び動きだした。86分、三都主が、左サイドからゴール前を横切るグランダーのクロスを供給。捕球に出たキーパーが触れず、ファーサイドに流れたボールを山田がつめてレッズが貴重な追加点を奪った。マークを引き付け三都主へボールをつないだ長谷部の献身的なプレーもさることながら、キャプテン山田が諦めずに長い距離を走り切ったことも含め、勝ち点3への執着を捨てなかった選手達の精神面での頑張りが引き寄せた勝利だった。



選手層の厚さを示した ~ブッフバルト監督~

今日の試合前の状況は、この前と同じで、ガンバ大阪が先に試合をして勝っていて、追いかけながら、必ず勝たなくてはいけない状態にあった。そういう形で、選手達も自覚して試合に入ってくれて、最初の5分間ほどで5回ほど、決定的なチャンスを作ることが出来た。立ち上がりであれだけのチャンスを作れていたのだから、1回は決めないといけない。最初の30~35分までは、考えた通りのサッカーができた。足りないのは得点だけだった。そこは、闘莉王の素晴らしい得点で先制することができた。ただ、その後の前半が終わるまでの10分間、監督としては気に入らないことばかりが目立った。審判の判定に文句をつけて、自分たちから集中力を切らして、せっかく入った1点を追いつかれて無駄にしてしまった。





あれは、本当に無駄だったと思うしかない。後半に入って、もっともっとプレスを高くしていこう、と選手を送り出したが、広島の方がいい流れになっていた。ウチの選手は前半飛ばしすぎて、疲れていたというところだろう。その隙間を狙われてしまったのと、もう1つ。前半よりもコンパクトさが欠けてしまった。そこを広島が突いてきて、守備の対応が遅れてしまった。時間が経ってきて、新たな選手を入れることで、その選手交代直後からウチが盛り返していった。試合終了前にアレックスから山田につながって勝ち越すことができた。アレックスの上手いプレーがあって、山田が良く詰めてくれた。山田は、入った直後から良いパスをつないでいたし、得点の前には素晴らしいシュートも打って積極性を出してくれた。彼の持っている力をしっかりと示してくれたと思う。

-田中達也を交代させた意図は?
特にケガをしていたというわけではない。ただ、あれだけの大怪我から長期間離脱して戻ってきて、試合もつまっていたので、その疲れが残っていたと思う。本来ならば、もっと得点チャンスを作れる選手だが、今日はそれができていなかった。やはり疲れが残っていたのだと思う。次の試合まで1週間あるし、それまでには体調も戻るだろう。






-山田の投入の狙いは?そして、長谷部の役割は?
山田はいいつなぎをしてボールを簡単に取られないようにしてくれた。キープしてシュートまで持っていけるような形も作ってくれた。最初は2トップにしていたのだが、1トップに山田とポンテの2シャドーにして、彼らには自由に動き回ってもらって、空いたスペースがあれば、そこを誰かが上手く使うという形を考えていた。そのスペースを長谷部が上手く感じてくれて、攻めあがって来た。彼は、前節から徐々に彼本来のプレーを取り戻しつつある。特に、1対1で仕掛けて攻め上がってくることで、数的優位を作れるようになった。



広島戦を振り返る ~戦評&選手コメント~

HERE WE GO!!

オーロラ・ビジョンに映った山田の顔には笑顔はなかった。
「あと1点取ってやる」そんな気持ちが伝わった。後半41分。長谷部が倒れながら出したパスにアレックスが拾い、ドリブル。そして低いクロスを放った。ボールはGK下田の手を通りぬけた。その向こうに山田がいた。これを落ち着いて押し込んだ。「夢中で走った。アレを良いボールを出してくれたし、信じていた。結果を出したかった」
ヒーローインタビューを受ける山田は声を弾ませた。ベテランとは思えないほど、何とも初々しいコメント。ゴールへの貪欲さが伺えた。
今までスタメンを張っていた山田が8月12日・FC東京戦以来、スタメンを外れている。このことはチーム内の競争の厳しさを物語ると共に「調子の悪い選手は絶対に使わない」そんな監督の強烈なメッセージだった。





「ヤマさん、じきに慣れますよ」。
山田はチームメイトからこう言われたそうだ。これはベンチに座る事、出場機会を与えられない事でのネガティブな「慣れ」ではない。控えなら、控えなりの戦い方、アピールの仕方があると言う事だ。
つまり、試合中、いつでも起用されてもいいようにコンディション作りや試合の流れを読む作業、途中出場での試合の入り方といった準備についてである。スタメンを張り続けた山田にとっては不慣れな作業だったに違いない。しかし、見事に期待に応え、結果を残した。
「ベンチスタートの苛立ち。試合に出ても結果を出せず自分を不甲斐なく思った。今日のゴールで少しは気が楽になった」とひと安心の山田。そして「ヤマが信じて走ってくれてよかった」と笑顔のアレックス。2人信頼の関係がもたらした待ちに待っていた決勝ゴール。
「ALE YAMADA LALALA…~山田 暢久 HERE WE GO!!」
試合後、久しぶりに響いた山田コール。サポーターもキャプテンのゴールを待っていた。



選手コメント

≪山田暢久≫
試合前、ガンバととにかく離されないように勝つしかないと思っていた。あの状況だったので交代したら、「何とかしてやろう」と思った。とにかくアレを信じて走って、ゴールできてよかった。ベンチスタートの苛立ち。試合に出ても結果を出せず自分を不甲斐なく思った。今日のゴールで少しは気が楽になった。

≪山岸範宏≫
ウェズレイのキープ力を生かした攻撃。みんなウェズレイを信じて飛び込んできた。もっと警戒できたはず。結果を出せたことが最低限の収穫だった。次の清水戦で修正したい。失点についてはクロス、シュート、どちらの場合も予測をしていたが、自分の準備不足。悔しい。





≪闘莉王≫
辛い、厳しい試合になると思っていた。久々のゴールだった。GKがニア(近め)にいたので、ファー(遠め)に入ったら、思ったよりキレイに入った。自分がサイドに流れたのは伸二が真ん中で起点を作ってくれたおかげ。監督からはチャンスの時は前に出るように言われている。自由にやらせてもらっているので監督には感謝している。相手の2トップは強烈なので、ゴールに近づけないようにした。

≪酒井友之≫
前半立ち上がりは、相手にほとんどチャンスを作らせなかった。ウェズレイは裏に抜けるなど良い動きができないと、中盤へ下がって自分でリズムを作っていくタイプ。最初に相手にチャンスを作らせずに(攻撃の要となる)ウェズレイを下げさせたのは良かったと思う。ただ、カウンターの時に、キープがうまいウェズレイにキープさせてしまったのと、バランスが悪くなり、人数的に不利になってしまったので、そこはしっかりとバランスをとってやらないといけないなと思う。中盤の自分のプレースタイルとして、激しく中盤からプレッシャーにいくというのがあるから、そこはしっかりとプレッシャーをかけて何回かボールを取れたので、それは良かった。





≪長谷部誠≫
今日は勝てて良かった。ゲーム自体、最初の方は、点は入らなかったけれど良かったと思う。その後、しっかりと点を取ることができたが、集中力を欠いてしまい、1点奪われてしまった。そういうところが問題だ。途中から押し込まれてしまったのは、リスクをおって闘莉王も友ちゃん(酒井友之)もあがったところ、そのスペースをつかれて危ない場面を迎えてしまったのが原因。自分がもう少しうまく下がれていれば。あとは相手のオフェンシブの2人が結構ワイドにポジションをとってきた。友ちゃんと2人でマークについてしまうと真ん中にスペースができてしまうので、どちらかがマークについて、どちらかが余ろう、という細かな修正をした。次も絶対に勝ち点3をとる。





≪アレックス≫
前半、良い感じで始まったので1点取れてまずは良かったが、すぐに取られてしまってからが良くない。後半、内容的にはあまり良くなかったけど、勝ち点3が取れてよかった。(ゴールシーンは)誰かが入ってくれると思い、クロスを入れた。この時、ヤマともうひとりいた。ヤマが信じて走ってくれてよかった。絶対に上位とは離されたくなかったので、勝ち点3にこだわっていた。本当に皆、頑張ってくれた。

≪ポンテ≫
相手のパスがよくつながり、苦しい試合となったが、こういう試合で勝つことが大事。結果は2対1だが、大量得点でも勝ち点3は同じ。本当に勝ててよかった。体力的にまだまだ。3ヶ月、出ていなかったので試合をしながら、少しずつコンディションを上げたい。





≪小野伸二≫
前半、良い形で試合に入れた。ヒラ(平川忠亮)に出したボールなど、大きなチャンスがあった。そこで決められなかったのが、前・後半に響いてしまった。前半はその中でも闘莉王の素晴らしいゴールで先制できたが、やっぱり1対0で終わらないとね。後半、1トップにしてからは相手にボールをうまく回されてしまった。また、全体的に下がってしまった。次もホーム。僕らにとって1戦1戦、全てが負けられない試合だ。次も勝ち点3をとる。

≪永井雄一郎≫
前半は連動して良い形で攻めることができたと思うが、途中で1トップになってからは難しくなってしまった。もともと自分自身、1トップでやるタイプではないが、その中でも個々の距離を縮めたりなど、工夫はしたのだが……。とにかく今日は勝てて良かった。





≪田中達也≫
チャンスはあったが、いい形でもらえなかった。交代は悔しい。永井さんとの連携はうまくいったが、中盤の連携はうまくいかなかった。ゴールを狙おうと前にいたが、ボールがもらえなかった。ヤマさんが決めてくれて、皆ホッとしている。セットプレーで失点しないように話していただけに失点は悔しい。次に修正したい。体調は良かったがうまくゲームに入れなかった。次に切り替えたい。





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