あしたば通信 4月号より
知られざる微生物の世界
NHKスペシャル 「超・進化論」22年1月8日放送
「すべては微生物からはじまった」より
前回の通信では「植物の世界」をご紹介しました。NHKスペシャル「超・進化論」から今回は「微生物の世界」をご紹介いたします。最先端科学で読み解く”微生物の世界”、目に見えないほどに小さな存在の微生物は、どうやらスーパー生物のようですよ!!あらゆる生き物の進化のカギを握るかもしれない微生物たちのスーパーパワー!!その驚きの世界とは!?
★微生物が人類を救う!?
最新の研究では、微生物のスーパーパワーを、がんの治療に役立てることが考えられています。「クロストリジウム」という微生物をがんの治療に使えば、クロストリジウムが放出する酵素が、がん細胞を破壊してくれる、ということが分かってきました。がんを根治する微生物の候補は数種類あり、安全性の検証が進められています。
★微生物は意思を持っている!?
なんと微生物は生き物の脳に入り込み、操って自分の味方にしてしまうというのです。その微生物は「トキソプラズマ」。ネズミの脳に入り込み、大胆な、慎重さに欠ける行動をさせることにより、ネコにネズミを食べられやすくしているのです。なぜならトキソプラズマはネコ科の動物の体内でしか子孫を残せないから。同様に、人間に感染しても胎児以外には問題ないと言われてきたものが、実は人間も行動が大胆になってしまうのではないか、と研究者は考えています。
★微生物が地球環境を支えてきた!?
地球全体で、微生物が担う光合成の割合はおよそ50%。陸の植物全体に匹敵する貢献をしてくれています。その他にも、地球の生態系に欠かせない、酵素・二酸化炭素・窒素の多くは微生物がコントロールしていたことも分かってきました。
目に見えない小さな微生物が集まれば大きなパワーとなり、人間・地球全体を支えているのです。この地球のかくれた主役は微生物かもしれません。