連載シナリオ『黒電話』
3 正樹の家(車庫)
正樹、50ccバイク(パッソル?)
に跨るポケットからウォークマン
※(カセット式)を取り出し、
巻付けあるイヤホンコードを外し、
イヤホンを耳に着け、
ウォークマンのスイッチを入れる。
♪『カリフォルニアシャワー』渡辺貞夫
正樹、曲に合わせて首を振る。
暫く音楽に浸る感じ。
4 同・正樹の家(黒電話)
♪黒電話鳴る。
和代「はーい」
和代、駆けて来て受話器を取る。
和代「もしもし、山本です」
好子の声「こんにちは、橋本です」
和代「あ!好子ちゃん、チョット待ってね」
和代、慌てて玄関に行きドアを開ける。
× × ×
同・車庫
正樹、バイクのスロットルを回し
エンジンを吹かす。
和代「正樹!」
正樹、バイクを走らせる
※(正樹はヘルメットを着けていない)
和代「正樹!・・・」
和代、ドアを開け外に出る。
正樹、気付かず走り去る。
和代「もう・・・・」
× × ×
同・電話前
和代「ごめん好子ちゃん、正樹
出掛けちゃった、大声で呼んだけど、
気付かず行っちゃったわ、帰ってきたら、
電話するように伝えるから・・・
はい、それじゃ」
和代、受話器を置く、
正一(21)、『ミニ六法』を読みながら、
和代の横を通る、
和代、正一を見ながら
和代「貴方も、勉強ばかりしてないで、
カノジョの一人でもつくったら」
正一、気に留めず階段を上る。
和代「中学の時は正樹よりモテたのに、
男子校に行かせたのがマズかった
かしら?」