箱船運転士アギロが留守の間、箱船の管理を任されているミミたち。
「確か動力は星のオーラだったな」
不思議そうな顔で機関部を調べているイザヤール。
「そー!ミミたちがいつもクエストやってくれてるおかげで、動力ぜっこーちょーヨ!」
星のオーラか、懐かしい言葉だな、とイザヤールは呟く。今はもう見ることは叶わない、人間たちの感謝の証。
そんな彼の気持ちを察したのか、ミミはそっとイザヤールに寄り添う。じっと見上げる憂いを含んだ紫の瞳に、大丈夫だ、と微笑む。
そんなしんみり雰囲気を吹き飛ばすように、サンディが言った。
「あー!アタシ、ネイルの予約入ってたんだったー!後頼むわネ!」
彼女が行ってしまうと、箱船の中は急に静かになった。二人きりという状況は多々あるのに、サンディが気を使っていなくなったのがわかるだけに、かえってぎこちない空気が流れた。
長い沈黙の後、イザヤールが口を開いた。
「ミミ」
名前を呼ばれ、彼女はイザヤールを切ない瞳で見上げる。
「イザヤール様・・・」
すると、ここで突然、二両目との連結部分の扉が、がらりと開いた。
「よお、今帰ったぜ!お疲れさん!」
お約束の最悪タイミングで、アギロが帰ってきた!
「あ・・・アギロさん、おかえりなさい。・・・もっとゆっくりしてきてよかったのに」
ミミのセリフの後半、ものすごく本音である。
「テンチョー!ナニイイ感じのトコジャマしてんのヨ!」
「ていうか、サンディ居たの?!」
「あはは、ゴメン、ミミ。どーしても気になっちゃってさー」
ドタバタな光景炸裂。しかし、イザヤールは楽しそうに笑い出した。
「んもう、みんなして・・・」
ミミは少し頬を膨らませたが、やがて彼女も、苦笑からだんだん楽しげな笑い声に変わった。
もうこの場所が、二人にとって、辛い思い出より楽しい思い出が増してきている。そのことが嬉しい。
テンチョーお土産はー、ンなモンねえよ、というサンディとアギロの会話に笑いさざめきながら、すっかり憂いの消えた瞳で、ミミとイザヤールはお互いを見つめていた。〈了〉
「確か動力は星のオーラだったな」
不思議そうな顔で機関部を調べているイザヤール。
「そー!ミミたちがいつもクエストやってくれてるおかげで、動力ぜっこーちょーヨ!」
星のオーラか、懐かしい言葉だな、とイザヤールは呟く。今はもう見ることは叶わない、人間たちの感謝の証。
そんな彼の気持ちを察したのか、ミミはそっとイザヤールに寄り添う。じっと見上げる憂いを含んだ紫の瞳に、大丈夫だ、と微笑む。
そんなしんみり雰囲気を吹き飛ばすように、サンディが言った。
「あー!アタシ、ネイルの予約入ってたんだったー!後頼むわネ!」
彼女が行ってしまうと、箱船の中は急に静かになった。二人きりという状況は多々あるのに、サンディが気を使っていなくなったのがわかるだけに、かえってぎこちない空気が流れた。
長い沈黙の後、イザヤールが口を開いた。
「ミミ」
名前を呼ばれ、彼女はイザヤールを切ない瞳で見上げる。
「イザヤール様・・・」
すると、ここで突然、二両目との連結部分の扉が、がらりと開いた。
「よお、今帰ったぜ!お疲れさん!」
お約束の最悪タイミングで、アギロが帰ってきた!
「あ・・・アギロさん、おかえりなさい。・・・もっとゆっくりしてきてよかったのに」
ミミのセリフの後半、ものすごく本音である。
「テンチョー!ナニイイ感じのトコジャマしてんのヨ!」
「ていうか、サンディ居たの?!」
「あはは、ゴメン、ミミ。どーしても気になっちゃってさー」
ドタバタな光景炸裂。しかし、イザヤールは楽しそうに笑い出した。
「んもう、みんなして・・・」
ミミは少し頬を膨らませたが、やがて彼女も、苦笑からだんだん楽しげな笑い声に変わった。
もうこの場所が、二人にとって、辛い思い出より楽しい思い出が増してきている。そのことが嬉しい。
テンチョーお土産はー、ンなモンねえよ、というサンディとアギロの会話に笑いさざめきながら、すっかり憂いの消えた瞳で、ミミとイザヤールはお互いを見つめていた。〈了〉
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます