週刊ねこまみれ

ねこにまみれて暮らしたい。ねこ漬けの日々、日々、日々… 現在休止中です。

3年目に思い出すこと

2007-08-22 | うりとくり



8月22日。
あの日は日曜日でした。
3年前のあの日、わたしはうりとさよならをしました。

3年経ってふとよみがえったのが
うりと出会った頃のことそして別れて6日後のこと。


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うりは私が5年生の時に裏の空き地に突然現れた。
この辺では見かけないキジトラの白いソックスはいた大きな猫。
出会ったばかりなのにいきなり私に甘えてきた猫。

それから毎日早起きした。
裏の空き地に向かって声をかけるとうりは必ず現れるようになった。
学校へ行く時間ぎりぎりまで縁側でうりを膝に乗っけてうれしかったのを覚えている。


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17年経った。
うりが寝たきりになってから私は、夜はうりのいる居間のソファで寝た。
おしっこをするときだけ寝たまま足を歩くように動かす。
本当はおしっこシートじゃなくて猫砂でしたかったのに、もう歩けない。

エアコンはきいていたけどうりのカラダは暑く感じた。
時々、手足を持って寝返りをうたせてあげる。
うりはずっと目を開いたまま。
もう何も見えていないかな?でも瞳は海のように深くて澄んでいる。

その日は日曜日。
夕方、うりの息が荒くなった。
私はうりの胸に耳をつけて心臓の音を聞いていた。
ドクドクドクドク。ちゃんと動いている。
「がんばれ、うり。」
うりはがんばっていた。
息が苦しそう。
「うり、がんばったよ。もう大丈夫。」と心の中で言ったと思う。
私の耳はまだうりの胸の音を聞いていて
私は生まれて初めて心臓が止まる音を聞いた。

出掛けていた母が帰ってきて、
オムライスを作ってくれた。
私はお腹いっぱいになるまで食べた。
なぜかその時は涙が出なかった。


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寝たきりになってから、うりは瞬きもせずにじっと同じところを見つめていた。
わたしはうりの顔を何度も覗き込んでいた。
うりの瞳はいつも変わらず海のように深くて澄んでいる。

うりが6日前に逝った。
私はうりがずっと見ていた景色を見た。
同じように床に寝そべって、真っ暗な部屋で。

涙が溢れて溢れて溢れて止まらなかった。
うりはしあわせだったかな。
わたしは、ずっとしあわせだった。




時間は止まらない。
私は今はもう悲しくはない。
悲しい気持ちは消えていき、愛する気持ちは変わらない。
これからも年に一度のこの日には、うりとの小さな出来事を思い出し
ぽつりぽつりと語ることができれば、いいな。








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