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世界の三大宗教について

2023-08-10 14:35:17 | 話の種

「世界の三大宗教について」

なぜここで宗教を取り上げたかと言うと、歴史上、世界での戦争や紛争には宗教問題が関係していることが多く、現在でもイスラム教がらみの紛争などが続いており、それにしては当方宗教について知らないことが多過ぎるので、ここで一度宗教について整理してみようと思った次第。


■[世界の三大宗教]:

キリスト教(約24億人)、イスラム教(約17億人)、仏教(約5億人)

*これにヒンドゥー教(約10億人)、ユダヤ教を加えて世界の五大宗教という。
*ヒンドゥー教の方が仏教より人数は多いが、仏教の方が広まっている国が多いので、世界の三大宗教というと仏教が入る。

■[キリスト教やイスラム教と仏教との違い]:

キリスト教やイスラム教はどちらも同じ神様を信じている。
神は英語ではゴッド、ヘブライ語ではヤハウェ、アラビア語ではアッラーで、呼び方は違っていても意味は同じ。つまり、この世界を作った唯一絶対の神を信じているという点ではキリスト教もイスラム教も同じで、どちらも同じ神様を信じているということ。
そして、同じ神様を信じていてもキリスト教(1世紀)やイスラム教(7世紀)より昔からあるのがユダヤ教(紀元前13世紀)。

一方、仏教はインドのガウタマ・シッダールタによって開かれた宗教(紀元前6世紀)。
ブッダ(仏陀)は「悟りを開いた人」という意味の称号で(名前ではなく一般名詞)、ガウタマ・シッダールタが悟りを開いた後にこのように呼ばれるようになったもの。
(悟りを開いた人は他にもいるだろう、つまりブッダと呼ばれる人は何人もいるに違いないということで、ガウタマ・シッダールタはあくまでその一人と理解されている。
しかし、ガウタマ・シッダールタはブッダであり、シャカ族の出身だったので、後世の人は
ガウタマ・シッダールタのことを釈迦(お釈迦様)と呼ぶようになったもの。)
従って、仏教では一神教(キリスト教やイスラム教)のように、この世界を作った唯一絶対の神様がいるという考え方はせず、この世界を作ったのは誰かと言うことについては一切触れていない。仏教で拝むのは神様ではなく仏様(仏陀)ということになる。

*ちなみに仏教で悟りを開くとは、輪廻転生の輪の外に出ること。(心理に目覚めてこの世の苦しみを完全になくした者になること。)
*輪廻転生とは死んだら魂が生まれ変わるという考えで、私たちは今、人間道で生きているが、良い行いをしていたら、死んだ後、再び人間道或いは天道に生まれ変わり、悪い行いをしていたら地獄道に生まれ変わる。これを永遠に繰り返すという考え。このグルグルまわる輪の外に出ることを解脱という。(そうすれば、この世で苦しむこともなくなり、苦しみから逃れられるということになる。)解脱して二度と生まれ変わらない存在、これが仏教でいう仏様である。)

*キリスト教やイスラム教は一神教だが仏教は多神教でもなく、無神論的な要素を持っている。

■[イエス・キリスト(キリスト教)とムハンマド(イスラム教)]:

キリスト教ではイエス・キリストは「神の子」「救世主」とされているのに対して、ムハンマドはアッラー(神)からの最後の「預言者」とされている(つまり人間)。従ってキリスト教ではイエス・キリストは信仰の対象として拝むことはあっても、イスラム教ではムハンマドを拝むことはない。しかしムハンマドはイスラム教徒にとっては絶大な尊敬と敬愛の対象であり、彼の生涯と教えはイスラム教の倫理と行動の基盤となっている。

*ちなみにイエス・キリストのイエスが名前で、キリストは救世主という意味。(つまり救世主のイエス様ということ)
*イエス・キリストは紀元前4年頃に生まれ、十字架にかけられて亡くなった後、3日目に復活してあちこちで説教をして、それから天に昇って行ったとされている。

〇イエスとムハンマドの生誕地及び活動拠点

イエス(イエス・キリスト):
生誕地:ベツレヘム(イスラエルとパレスチナの国境に位置)とされている。
活動拠点:主に主にパレスチナ地域。

ムハンマド(預言者ムハンマド):
生誕地:サウジアラビアのメッカとされている。
(メッカはイスラム教の最も重要な聖地であり、毎年イスラム教徒の多くがハッジ(巡礼)を行っている場所。)
活動拠点:メッカを拠点にイスラム教の教えを広め、その後メディナ(サウジアラビア)に移り、初期のイスラム教国家を築いた。

■[聖書について]:

[旧約聖書]:
ユダヤ教の聖書で、ユダヤ教では「タナハ」と呼ばれており、モーゼを含む様々な著者による複数の本が集められたもの。

[新約聖書]:
キリスト教の聖書で、イエスとその弟子たちによる言葉や教え、イエスの生涯などが記されており、様々な福音書などが含まれている。
イエスの死後、キリスト教の考え方をまとめ、広めたのはパウロ(キリスト教の普及に最も力を尽くした伝道者)の力が大きかったと言われている。

[コーラン]:
預言者ムハンマドが7世紀初頭に啓示を受けたとされるアッラー(神)の言葉を記したもの。
イスラム教に於いては、神様がまず「聖書(旧約聖書)」を与えたのに人々がちっとも守らないので「新約聖書」を与えたが、それでも守らないので最後に「コーラン」を与えたということになっており、イスラム教徒はこの「コーラン」が一番大事だと考えている。

■[聖地について]:

「聖地」とは宗教の信仰者にとっての特別な場所であり、宗教的な行事や儀式、巡礼などが行われたりする場所のこと。
これらの場所は、その宗教の創始者や重要な人物の生誕地、教えを伝えた場所、奇跡が起こったとされる場所などが該当する。
従って、各宗教ともそれぞれ聖地があり、また聖地は一つとは限らない。

エルサレムはキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の三つの聖地が同居する都市だが、それぞれの宗教にとって異なる位置づけと意味を持っている。

[キリスト教]:
キリスト教にとって、エルサレムはイエス・キリストの生涯において最も重要な場所のひとつ。エルサレムは、キリスト教の信仰においてイエスの死と復活が起こった場所とされている。特に「聖墳墓教会」は、キリスト教徒にとって最も神聖な場所の一つであり、イエスの受難、死、埋葬、そして復活を記念している。

[イスラム教]:
イスラム教にとってエルサレムは、アッラー(神)にとって三番目に聖なる場所とされている。コーランによると、預言者ムハンマドの夜の旅の出発地で、その時にエルサレムの岩(アル・サッカ)に立ち寄ったとされている。そのため、エルサレムのアル・アクサ・モスクやドーム・オブ・ザ・ロックはイスラム教徒にとって重要な聖所となっている。

[ユダヤ教]:
ユダヤ教にとってエルサレムは非常に重要な場所であり、聖書によれば、ユダヤ教の信仰において、エルサレムはアブラハムによる犠牲の供物(イサクの犠牲)やダビデ王の都としての意味がある。また、ユダヤ教の聖所として、かつてエルサレムの寺院が建てられた場所も重要視されている。

*これらの宗教におけるエルサレムの聖地としての位置づけと意味により、エルサレムは複雑で多様な宗教的な要素を持ち、宗教間の関係と政治的な緊張が絡み合う場所となっている。

[仏教]:
仏教徒にとって最高の聖地とされるのはインドのブッダガヤにあるマハーボーディ寺院。
ガウタマ・シッダールタは、後にこのお寺が建てられることになったこの場所にあった菩提樹の木の下で瞑想している時に悟りを開いたとされている。
マハーボーディ寺院は紀元前3世紀頃に作られたと言われ、その後何度も修復を重ねる中で建てられたのが現在ある高さ53メートルの塔。このお寺の中でも一番の聖地と言われているのが菩提樹の木。(ボーディ(菩提)と言うのは悟りという意味がある。)

日本での仏教の聖地で有名なのは和歌山県にある高野山。(高野山という山はなく、八つの山に囲まれた場所がそう呼ばれている。)ここは816年に弘法大師空海が修行のために開いた場所で、真言宗の総本山金剛峯寺がある。)

■[カトリックとプロテスタント]:

[カトリック]:
神父(信者達を導く立場の人)が、神様と人間達の間にいる。
教会施設は豪華で、ステンドグラスやイエスの像、イエスの母であるマリア像などもある。
神父間で位階と呼ばれる階級制度がある。(位階は責任の度合いとか役割の大きさで違ってくる。どちらが上とか下とかはないが、責任の度合いにより大司教、司教、司祭、助祭というようにあたかもピラミッドのように作られている。)

[プロテスタント]:
牧師(信者達を導く立場の人)が、人間界の中にいる。
プロテスタントが生まれたきっかけは、16世紀の宗教改革。
教会施設はシンプルで、装飾も簡素、十字架があるだけで、イエスの像やマリア像もないところが多く、ともかくお祈りをする場所があればよいという考え。
皆平等で牧師同士に階級はない。

■[シーア派とスンニ派]:

[シーア派]:
ムハンマドの従弟で娘婿だったアリーの血を引く者がイスラムの指導者になるべきとの考え。(信者の数は約15%)(イランが中心)

[スンニ派]:
ムハンマドの子孫でなくともよく、みんなで指導者を選んできた慣習を大切にしようとの考え。(信者の数は約85%)(サウジアラビアを中心にアラビア半島、アフリカなどに大きく広がっている。)

■[上座部仏教(小乗仏教)と大乗仏教]:

[上座部仏教]:
出家し厳しい修行を積んだ僧侶だけが救われるとの考え。
(タイ、ミャンマー、スリランカなど)

[大乗仏教]:
自分だけでなく、他人も救われるように導く努力をするとの考え。
(日本、中国、チベットなど)


(参考)
日本の「神道」はアニミズムになる。
アニミズムとは動物や自然、先祖などの霊を信じ祭ることで、自然界に満ちる霊、つまり目に見えぬ意識的存在を感じながら暮らす文化のこと。
アニマとはラテン語で「霊」「魂」のこと。

(参考)
以上の記述は下記をベースにまとめたもの。

・「知っているようで実は知らない世界の宗教」(池上彰 著、SB新書)
・ ChatGPT

 

 


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