秋深し

2019-11-14 08:11:59 | 一輪の花

秋深し隣は何をする人ぞ

言うまでもなく松尾芭蕉の俳句なのだが、人は病気で寝たきりになったりすると、妙に周りの状況に聞き耳をそば立てたリ仕がちなものである、こうゆう状況には、よく理解できるし普遍性が感じられる。だが、私は、世の中の体制に対しては興味があるが、周りの事にはほとんど興味が感じられないというタイプなので、松尾芭蕉という偉大な俳人と人となりのギャップが、この句には新鮮に感じられる。

秋深しといえば、もうすぐ冬だ、という事で今年は雪が降るのだろうか、来年は、景気はどうなるのだろう、はてまた世界の情勢はどうなるのか、などと考えたりする、つまり足元に対して関心を回避するという事で、この不安定な情勢をあるいは無感覚をよそっているのかもしれない。

逆を言えば、江戸時代というまれにみる庶民的文化が、松尾芭蕉という偉大な俳人を輩出したのだろうと思う。

閑かさや岩に染み入る蝉の声

田舎育ちの自分などは、この句を聞くなり遠く故郷を思えだしてしまうのだが、最近は住まいの近くでは、とんと蝉の声を聞いていない。最も補聴器なしで生活もままならない年寄りなのだが、自然環境の変化が影響しているのではないだろうか。

こうした自然環境が、やがて食料の問題に繋がっていることを考えると、我々はどこへ向かって突き進んでいるのだろうと、疑問を感じるべきなのだろう。さもないと、徒党を組んで海にむかつてしゃにむに突き進む羊の群れになってしまうのかもしれない。

 

 

 


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