吐月峰はここだ！

　『杉田十境眺望図』に描かれている吐月峯とはどこを指すのか？　『磯子の史話』には「富岡境の海に迫る断崖の崎山」と書かれている。『富岡抄誌』では、「杉田十境の一にして東漸寺の境の内外に在った風景であって、杉田と富岡の間にある崎山のこと」と紹介している。

　これだけではよく分からないので、埼玉大学の今昔マップで調べてみた。冒頭の図がそれである。左の地図は明治36年測図38年製版の「杉田」で、右側が国土地理院の現在のもの。

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　明治36年の地図で、杉田側から富岡方面に見える尖った岬が「吐月峰」に違いない。赤丸印で示した部分である。これに対応する現代の場所が、右側の地図にある赤紫の丸印部分だ。富岡総合公園添いの川に近い場所のようである。

　グーグルマップでそのあたりを検索したら、こんなのが出てきた。富岡総合公園内にある北台展望台だ。

　ということで、吐月峰というのは、現代でいえば北台展望台のことなのだろう。

　by うめちゃん