杉田劇場から

2005年2月5日にオープンした磯子区民文化センター杉田劇場のスタッフが綴るブログ。公演案内の他に美味しい情報も♪

旧杉田劇場で女剣戟の市川美代子一座

2023-01-11 | 旧杉田劇場

 昭和22年10月28日に出た杉田劇場の広告。市川美代子一座が登場するという。久々の女剣戟とあるので、前にも杉田劇場で公演していると思われるが、その時の案内は見当たらない。

 今回は10月28日から11月4日まで1週間の公演だ。演目は書かれていないが、こんなキャッチコピーが載っている。

 義理と人情に降らす剣の雨 恋慕しぐれ女やくざの剣、涙、笑の股旅道中記

 市川美代子がどんな役者だったのか、ネットで検索しても何もでてこない。唯一ヒットしたのが、昭和28年の映画「剣劇女優とストリッパー」に出演しているという情報。お万の乾分 お吟の役で出演していたそうだ。

 ところで、杉田劇場の広告の右側2個目には「湘南映画(劇場)」の広告が載っている。それによると、11月1日から3日まで市川門三郎一座が出演していたことが分かる。

 市川門三郎一座といえば昭和21年6月に杉田劇場に初登場してから頻繁に公演を行っていた劇団だ。とくに大高ヨシヲが事故死してからは連続で出演していた。その劇団が11月1日から3日まで湘南映画劇場に出演したあと、5日からは杉田劇場で興行を行ったことが分かる。

 冒頭に掲げた広告の下に、もう一つ「杉田劇場」の案内が出ていた。こちらには当日の演目が書かれている。

 ・現代劇「母の心」 一景

 ・新舞踊

 ・剣戟女弁天小僧 五場

 まず現代劇をやったあと踊りを披露し、そのあと剣戟を見せるという構成である。

 なぜ、杉田劇場が2つも広告を出していたのかと不思議に思ったが、よくよく見ると下段は各館の独自広告ではなく、どうも新聞社の映画・劇場案内だったと思われるのだ。同じ規格でいくつかの各館が横並びになっている。思うに、新聞社が選別して掲載したのではないだろうか。

←クリックして拡大できます

 拡大してご覧になっていただきたい。南区高根町にあった「オリエンタル劇場」では大高ヨシヲ亡きあとの暁第一劇団が出演していた。

 この暁第一劇団の「暁」がずっと気になっている。なんだろう、「暁」って。なんだか戦時中の「暁部隊」を思い出させるのだが、関係は……?

by うめちゃん


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2 コメント

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Unknown (井上学)
2023-01-16 09:33:57
暁第一劇団が座長の没後も活動していた事実には感動してしまいました。
昭和22年はまだまだ実演が元気ように感じられますね。
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暁第一劇団 (杉田劇場うめちゃん)
2023-01-16 13:23:35
to:井上学様
座長が亡くなってからも皆で継続していったようです。
大高の替わりは誰がやっていたんでしょうかね。
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