—7月20日 正当防衛—
昨日のあれは、正当防衛なんだ。そぅ。俺は悪くない。
突然金属バットを振り上げたあいつが悪いんだ。俺は悪くない。
金属バットを振り回しながら迫ってくるあいつに抵抗して、近くにあった懐中電灯を投げたら… 兎に角、俺は悪くない。
暗い路地。あれだ、よくテレビなんかで犯人が隠れるような場所。
実際にこんな所があるんだって作日始めて気が付いた。
鉄の外階段の下には異臭を放つゴミ箱。と瓶ビールのプラスチックケース。多分このケースにも名前があるんだろうけど、俺はそんなこと知らない。
何度も靴に踏まれたガムが黒くアスファルトにへばり付いている。
人通りの多いところに出られない。きっと今俺は警察に追われている。
いや、実際に追い掛けっこのようになってはいないけど、警察に見つかったら捕まる、きっと。
今は何時なのだろう。GPS機能とやらで場所が分かったら困るから、携帯も電源を切っている。
額から流れ落ちる汗を拭うために左手を挙げる。
あ、腕時計あるじゃん。
建物の窓から僅かに漏れる光を文字盤に当てた。7時23分。一昨日まで、俺はこの時間何をしていたのだろう。
仕事を終えて、電車にゆられ、家に向かっている途中だろうか。それとももう家についてシャワーでも浴びているかな。いや、居酒屋で楽しく飲んでいたのかも。
兎に角今は出来ないことばかり。
冬だったらフードをかぶって、マフラーで口元まで隠して街中を歩けたかもしれない。しかし今は夜でも汗がにじみ出してくる夏。顔を隠すのにはマスクぐらいか。そのマスクも持っていないし。
あぁ、でも冬だったら外は寒い。凍えて倒れるかもしれない。
そぅ考えると…。
どちらにせよ顔をさらさずに堂々と道を歩くのは難しい。
…。
いや、昼間の人が混み合った時間なら。きっと誰も自分には目を向けない。
夜の警察のパトロールに引っかかるより良いかもしれない。
明日の昼まで待つか。
腹に手を当てる。空腹というより、もぅ腹痛に近い。昨日の昼から食べ物を口にしていないのだから当然ではあるが。
…買いに行こう。
下手にコンビニよりも駅ビルや、スーパーの方が監視カメラが少ないのではないか。いや、今捕まらなければいいのだから…。
下手に怯えない方がよいだろう。
きっと指名手配犯として顔写真が載ったプリントが張り出されていることはない。
ならば警察に見つからなければ良いだけだ。
目立った服装ではない。誰の目にもとまらないように、目立たずに行動するのが、こんなにも緊張する物かと驚く。
普段通り…。自分に暗示を掛け、街灯のない暗い路地から俺は足を踏み出した。
季節が変わってしまいました。
これを書き始めたのは夏だったんだけど。
今はもう秋です。
正直、夏の暑さなんて、冬になったら薄れてきます。
ヤバイね、時代について行ってないね。
まぁ、試験中と言うことで最近恒例となった現実逃避により、書きかけだった仮タイトル「そっくり3人」の2節目を書き上げ…
でもこの人物としてはもっと書きたかったんだけれども、3人目に移ります。
もう。
お気づきでしょうか。
途中から書き方が変わっております。
最初、しっかりとした言葉遣いをしない書き方で書いていたのですが……
今書いたのはもろ硬派。
ではないけど、まぁ。
前半も少し言葉遣いを下にあわせて変えたら…
『あ、腕時計あるじゃん。』
がやけに目立った。
こりゃ失敗だ。
更新遅くなってスミマセン。
今も、季節が変わってしまっていても気にせずのんびりと更新をさせていただきたい←