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酒蔵探訪

酒蔵の背景、地域の特色や文化を感じると、日本のお酒はますます美味しく、楽しくなる。

司牡丹酒造

2011年02月14日 | 四国
高知県高岡郡佐川町。
全国的にも水質の良さで5本の指に入るという一級河川の仁淀川の支流である柳瀬川沿い。
その、四方を山々に囲まれた自然豊かな盆地にある人口14000人ほどの小さな町に、400年という長い歴史を持つ司牡丹の酒蔵があります。

かつては城下町として栄えた佐川町にある司牡丹酒造(竹村家)は、なんとあの幕末の志士で知られる坂本龍馬の本家とは、深~いつながりがあるのだそう。
坂本龍馬の本家は高知市内で幅広い商いを営む、いわゆる豪商だったのですが、『才谷屋』という屋号で酒造業も一時期やっていたようなのです。
その当時から、司牡丹の竹村家とは長い間公私ともに深い付き合いがある間柄になったということ。


この、佐川町には不動ガ岩屋洞窟遺跡というのがあって、多くの石器や土器が発見されていることから、約1万年も前から人が暮らしていたといわれています。
この地は、生命に必要な水と食料には遥か昔から恵まれていたということでしょうか?

そして「日本の植物学の父」といわれ、たくさんの植物の新種を発見し命名もした、近代植物分類学の権威、小さい頃教科書にも載っていた『牧野富太郎』を輩出した町でもあります。
小さな町ながら、歴史と文化の香りが今も強く残る町なのです。



高知県は南側に太平洋と北側は四国山脈に挟まれた平野部の少ない独特の細長い形をした県で、蔵のある佐川町は、太平洋側の隣町には、土佐市や須崎市があり漁業や農業が盛ん。
山側には清流仁淀川に育まれた、川の幸や山の幸にも恵まれて、四季折々の自然の恵みを存分に享受している地域。


まず、高知と言えば一本釣りで全国的にも知られている鰹でしょう。
鰹は1年に2度味覚を楽しめる海の幸です。

3月から6月くらいにかけて黒潮に乗って南の海から太平洋沿岸を北上する初ガツオ(上り鰹)。
香りがよく比較的あっさりした味わいで、日本の太平洋沿岸で広く取れますが、土佐造りともいわれ、鰹の皮を強火で炙ったものに、薬味をたっぷり乗せてポン酢醤油で食べる『鰹のたたき』が代表的ではないでしょうか?
それに、高知県で豊富にとれる柚子、ブシュカン、カボス、スダチ等の柑橘を搾ればまた最高に旨い。(生の柑橘を絞ったお酢はちり酢と言われていて、高知では一般的にこのちり酢を使います。)

そして、9月から11月にかけては今度は北から南下してくる戻りガツオの季節。
同じ鰹ですが、初ガツオとは違い、成長とともに美味しい餌をふんだんに食べて大きく育ち、身は脂が乗って濃厚な旨みがあります。
初ガツオより旨みが濃厚なのでポン酢の定番たたきもいいですが、魚の旨みをダイレクトに味わう、塩たたきが絶品。
今、地元高知でもこの塩たたきが大人気だそう。


鰹は他にも、鰹の塩辛『酒盗』や和風だしの代表ともいえる鰹節(特に良質な鰹節として土佐節は江戸時代から高い評価を得ています)などの加工品も数多くあります。



他にも近海で獲れる魚はその種類も多彩で、高知の代表的な郷土料理に、お刺身や練り物、焼き物、煮物やお寿司等を大皿に盛りこんだ、豪快な皿鉢料理(さわちりょうり)があるように、高知では魚は1年中欠かせない食材であり、最も身近な食材なのです。


又、近くの町では男性は一升、女性は五合の日本酒の早飲みを競う「大杯飲み干し大会」で有名などろめ祭りなどもあります。
このどろめとは、イワシ類の生の稚魚のことで、干しあげるとちりめんじゃこ(しらす干し)になります。
高知の海岸線では、真っ白なちりめんじゃこが天日干しされているのどかな風景に出合うことができます。

こんな所でも、高知では≪地魚と地酒≫は切っても切り離せない仲なのがよく分かります。


海の幸だけではなく川魚も又、良く食べられています。
唐揚げにして丸ごと食べる川海老は、ほんのり甘みがあり皮のパリパリとした食感が止まらなくなります。

独特の風味が食欲をそそる、天然鮎はやはり塩焼きがたまりません。
そして、鮎の塩辛『うるか』は収量も少なくあまり一般的ではないですが、熱狂的なファンは自家熟成させて楽しんでいるというような、幻の塩辛です。

これだけ酒の肴が揃ってしまえば、高知県人が酒豪と言われるのも仕方がないでしょう。
だって、肴が美味しすぎてお酒がどんどんすすんでしまうんですから…。



司牡丹は竹村社長を筆頭にとても前向きに、色んな事に挑戦している蔵元です。
お酒の銘柄も多数あるのでここでは、省かせていただきますのでどうぞ、司牡丹のホームページを一度ご覧になってみてください。

宇宙酒なるものや龍馬の伝言シリーズ、戦国バサララベルなど遊び心のあるものから、都心で人気を集めている、司牡丹の船中八策シリーズというような通好みの物までとてもバラエティーに富んでいる、楽しい蔵元です。


司牡丹ホームページ
http://www.tsukasabotan.co.jp/

岡田酒造

2008年12月25日 | 四国
丸亀市は香川県の中西部、瀬戸内海に面した場所に位置しています。

香川県は、1年の降水量も河川の流水量も少ない地域で県内の各地にはたくさんのため池が点在しているのですが、丸亀平野の北東部にある蔵の周辺にもやはり多くのため池が見られます。

市内を流れている香川県唯一の一級河川、土器川ですら水が枯れてしまうことがあるほど昔から水に悩まされてきた土地にあり、岡田酒造は昭和34年、業界の先駆けとなる地下70mの深さから汲み上げる地下水醸造に成功。
約100年にわたってこの地下水で美味しいお酒を醸し続けている酒蔵です。


そして、ため池同様この地域に多いのが、いわずと知れた名物の本場讃岐うどんのお店。
ちょっとしたブームもあり、全国的にもこの数年で人気急上昇しました。
その中でも、讃岐うどんの人気店は特に丸亀を含む中讃地域に多く集まっているのです。
なんと丸亀には60店を超えるうどん屋があり、さすが1日1食は必ずうどんを食べる?という香川らしく安くて、美味しくて、気軽に食べられるお店が立ち並ぶ街なのです。


また、この地域の郷土料理といえば、「どじょう汁」があります。
世の中が高度成長期に入る以前は香川県でも稲作が盛んに行われていたんです。
だからため池があり、小麦を使った讃岐うどんがあるわけですが…

田植えから稲刈りの時期、農業用水として主に使われていた無数のため池から水田にやってくるどじょうは、とうぜん讃岐ならではの食の素材となりました。
すくってきたどじょうと野菜とさぬきうどんを大鍋で煮て集落の寄り合いごとに、料理したものをみんなで食べ親睦を図っていました。
もちろんうどんは手打ち、お酒は国粋でしょう。
さらに、どじょうはビタミンAの含有量が多く、真夏の疲れを癒し、ハードな収穫作業にもってこいのスタミナ食にもなっていたようです。

決して環境に恵まれた土地ではないと思いますが、とてもたくましく豊かな暮らしを感じますね。
これが、文化というものですかね。



商品案内

讃岐路 吟醸酒
讃岐路 特別純米酒
讃岐路 本醸造無濾過原酒
国粋 生原酒げんなま
国粋 原酒にごり酒


ホームページ
http://ww82.tiki.ne.jp/~kokusui/index.html

高木酒造株式会社

2008年06月09日 | 四国
代表銘柄は「豊の梅」。
高知県香南市にある酒蔵です。

香南市赤岡町の「どろめ祭り」は、ご存知の方もいるかもしれません?
この写真は、「どろめ祭り」の大杯飲み干し大会の様子です。
この大杯飲み干し大会の大杯に注がれる酒が「楽鶯 豊の梅」だそうです。


高木酒造は香宗川流域にあり、土佐湾に面している港街でどろめ(イワシの稚魚)漁が盛んな町。


平成18年酒造年度から五代目社長の高木直之さんが四年連続金賞受賞の達成(金賞受賞7回)という名杜氏、土佐杜氏の有沢国一さんから伝授された技に磨きをかけ、酒造りに励んでいます。


高木酒造では世界初の「宇宙で育った酵母」で仕込んだお酒を土佐宇宙酒として製品化していますが、これは高知県酒造組合の事業として高知県産吟醸酵母と県産酒造好適米の種籾を乗せたロシアのロケットが無事に宇宙で約10日間過ごした後、地球に帰ってきた酵母を回収し実現した壮大な夢とロマンが託されたお酒です。

南国土佐のイメージそのものの豪快で陽気なチャレンジですね。


銘柄紹介

豊の梅 大吟醸しずく酒 「吟の夢」 大吟醸原酒  原料米 吟の夢
豊の梅 大吟醸しずく酒  大吟醸原酒  原料米 山田錦
豊の梅 土佐宇宙酒 純米大吟醸  宇宙酵母CEL-19/KA-1   原料米 吟の夢
豊の梅 土佐宇宙酒 純米吟醸  宇宙酵母CEL-11   原料米 吟の夢
豊の梅 大吟醸原酒 やいろ   原料米 山田錦
豊の梅 大吟醸原酒 鴬寿(おうじゅ)   原料米 山田錦
豊の梅 大吟醸   原料米 山田錦
豊の梅 吟醸酒  吟鴬(ぎんおう) 吟醸生酒   原料米 山田錦
豊の梅 純米吟醸 吟の夢仕込   原料米 吟の夢
豊の梅 純米吟醸   原料米 松山三井
豊の梅 純米生原酒 無ろ過生原酒   原料米 あけぼの
豊の梅 辛口純米酒   原料米 あけぼの
豊の梅 おり酒 普通酒濁り酒   原料米 風鳴子
豊の梅 楽鴬(らくおう)  普通酒上撰   原料米 コガネマサリ
土佐金蔵 純米吟醸酒   原料米 吟の夢
土佐金蔵 純米酒   原料米 あけぼの
空と海 特別純米酒   原料米 風鳴子
豊の梅 おかし!な濁り酒 うすにごり純米活性生酒   原料米 松山三井
やさしいゆず酒  リキュール   原材料 清酒、柑橘類、黒酵母βグルカン、
                     はちみつ、クエン酸、糖類


高木酒造株式会社
ホームページ  http://www.toyonoume.com/


その他地域情報のサイト

まんなかろ~ど高知