床屋さん

ここ数年利用している床屋は、いつも空いていて

利用する側から見れば、ほとんど待たずに散髪が

できてとてもありがたい。



反面マスターによれば土日も数人来ればいいほうで、

平日は閑古鳥が鳴いているらしく、とにかく経営が

苦しくて気の毒ではある。



お客が少ないとはいえ、決して腕が悪いわけでもなく、

結構フレンドリーなマスターだし、お店も大きな道路に

面しているからそれほど場所的に悪いという感じではない。



ただ近くにライバル店がいくつかあり、その他にも

１０００円カットの安いチェーン店が台頭してきたのが

原因とマスターは分析する。



で、集客数を増やすために何をやっているかというと

なけなしのお金をはたいて地道に近所にチラシを配って

いるだけという。


もちろん、あまり効果はないみたい。



ところが床屋さんの粋を越えた床屋さんがある。


よく行く大きなショッピングセンターの交差点を挟んだ

向かい側にあって、いつもその交差点で車で信号待ちを

すると目に入るお店。



一度も入った事はないのだが、店の外観はエスニックな

感じでいい雰囲気、店の前にはイーゼルの大きな黒板が

置いてある。



よく食べ物屋の前にあってメニューが書かれているアレ

の少し大きいもの。



黒板のある床屋さんも珍しいが、料金表かな～と思ったら

そうではなく書いてある内容が見るたびにいつも違う。



ここの床屋さんはいろいろとイベントをやっていて、その

告知や報告を書いているのだ。



お店の前で野菜を売っていたこともあるし、夏にはなんと

焼肉パーティーみたいなこともやっていた。


先日は、「歩こう大会」をやって30名も集まったと書かれ

ていた。



何もない時には「お客様の笑顔が元気の元です！」みたいな

ことが大きく書かれていたこともあった。



まあ、マスターがそういうことが好きな人なのだろうけど、

ちょっと今まで出会ったことのない床屋さんでびっくり。



目の前の大きなショッピングセンターの中にも安い床屋さん

があるけど、まったく引けをとらずに商売をしている感じ。



やはりどんな商売も枠にとらわれずにオリジナリティーを

出すことが必要なんだというこを教えてくれた気がする。