ベストモータリング 1月号

2005-12-05 | 
最近の欧州車には環境や省エネとは反対方向を向い

ている400馬力以上のハイパワーセダンがたくさん

存在する。


今回は欧州プレミアムセダンBMWの「M5」の特集。


5リットルV型10気筒エンジン、最高出力は507馬力、

最大トルクは53.0kgmをマークする。

車重1830kg、1290万円也。


ミッションは、新世代の「7速SMG Drivelogic」。

クラッチ・ペダルが無く、シフト操作時でもアクセル・

ペダルから足を放すことなく、センターコンソールの

シフト・レバー、ステアリング・ホィール上のパドル・

スイッチで変速操作ができる。

ハイテク満載のモンスタースポーツセダンである。



「M5」の性能比較対象車には「ベンツCLS55-AMG 」と

「ジャガーXJR」の2台が登場。


「CLS55-AMG」はスーパーチャージャー付きの

V型8気筒5.5Lエンジンで476ps、71.4kgmという強烈な

スペック。


Eクラスの基本メカニズムをベースに、スタイリッシュな

外観デザインをまとった4ドア車に仕上げたのがこのCLS。


ドアは4枚だが外観はクーペそのものでベンツらしからぬ

、居住性よりデザイン重視といった感じで見るほどに

美しいセダン。

ただ、1,940kgもある車重がネック。


「ジャガーXJR」は4.2リッターV8スーパーチャージャーで付き

406ps、56.4kg-m。

車重1760kgで3車中もっとも軽量ではある。




まずはゼロヨンテストから。

「M5」が一番かと予想したが、裏切られて「CLS55」の

ほうが少し速かった。


476ps、71.4kgmのスペックはダテでなく、横綱級の

ボディーをぐいぐい引っ張っていく。

オートマだというのに圧巻の12秒後半のタイムを

たたき出した。

正に直線番長だ。


「M5」は何度やっても13秒を切れず、ジャガーは

最下位。



続いてスラロームやブレーキングのテストだったが

この辺はやはりスポーツセダンの「M5」に軍配が

上がる。


ただ、この「M5」はエンジンやオートマにいくつかの

モード選択機能があって、ドライバーのドリキン(土屋圭一)

も慣れるまでよくわからないと言っていた。


しかしながら、「M5」に限らずトラクションコントロールなど

の各種電子デバイスが発達したおかげで500馬力なんて

いうパワー、しかもFRにもかかわらず、割と安全に引き

出せるような時代になってきたことに驚かされる。



当然、著しいタイヤ性能向上の影響も大きいが、

これらの電子デバイスが無かったら、こんなパワーを

もった車は本当に走る棺桶だっただろうw。




これらのテストのあとは恒例のサーキットバトル。

SUGOでポルシェ911、M3、ガヤルド、チューンドGTRを

相手に「M5」が闘う。

やはり本格スポーツのガヤルドやチューンドGTRのほうが

少し速いのだが、それでも最後までなかなかの

健闘をみせた。



まあ、これら最新の高級セダンはどれも1000万円を

優に超えてとても買うことはできないが、どの位の

ポテンシャルやコンセプトを持っているのかはある程度、

垣間見ることができた。




しかし、こういった利益率のいい金持ち相手の高級車

達を見ていると、もう値段をつり上げるのにパワーを

上げる事くらいしか残ってないのかなという印象を受ける。


エンジンやステアフィール、乗り心地や車の質感の追求は、

もうある程度限界に来ていて、しかも自動車の製造技術も

進歩しているから、良い物を安く作ることも今では可能である。


通常、公道で500馬力なんてパワーはほとんど

生かすことは出来ないし、また必要性もない。


それでも人間は速い物、強い物に憧れるという本能が

あるから、今までにない能力を持たせて他を圧倒する

異次元の加速を手に入れることができる、ということに

商品価値を見いだしたのだろう。
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