オプションマスター“ウィザード”への道

ウィザードとは…魔法のように儲ける一握りのトレーダーにのみ与えられる最強の称号

④インフレリスクについて

2006年07月20日 23時19分46秒 | すべてのトレーダーの方へ
次はインフレリスクについてです。インフレとは、貨幣の価値がどんどん下がっていくことです。インフレによって同じ100万円でも買える物がどんどん少なくなっていきます。言い換えれば物価が上昇するのです。

一般の方(特に投資などを行わず貯金をメインに行っている方)は貨幣の価値は変わらないと思っています。これは非常に危険な考え方です。明日の100万円の価値が今日の100万円の価値と同じとは限らないのです。ご年配の方はお分かりになると思いますが、子供の頃と比べると電車代や漫画代、雑誌や食品などほとんどすべての物の値段が上がっています。タンス預金や銀行預金は安全だと思っている方はもう一度考えてみてください。たとえ1億円タンス預金や銀行預金があったとしても、定年を迎えて老後を楽しもうと思った時に米5kg10万円になっているかもしれないのです。物価が10倍になるということは資金が10分の1になるのと同義です。

正確にはこれだけではありません。所得税は現在累進課税ですが、この税率はインフレ率が加味されていません。つまり、事実上税率が上がるのです。

分かりにくいと思うので例を挙げます。もし年収が500万円だとすると、家族構成にもよりますが所得税(地方税含む)は10%か20%でしょう。ここでインフレにより物価が10倍になったとします。年収は5000万円になりますが、決して裕福にはなっていません(物価も10倍だからです)。所得税はよほど扶養家族が多くない限り50%かかります。500万円の場合は手元に400万円~450万円残りますが、5000万円の場合は手元に2500万円(インフレを加味すると実質250万円)しか残りません。生活は苦しくなるのです。

インフレが10倍というのは大げさだと考えておられる方が多いと思いますが、僕はこの程度のインフレが起こる確率はそんなに低くないと思っています。なぜなら、インフレは国の借金をチャラにする最も手っ取り早い方法だからです。また、上記の例から考えると国の税収も実質的に増え、国の立場で考えると一石二鳥です。さすがにいきなりはないでしょうが、数十年のスパンで徐々に進行し気がつけば10倍………ということは十分ありえます。

国の借金問題について全く知らない方はおられないと思います。僕の目から見て、この国の借金の仕方はどう考えてもまっとうに返すつもりのある借り方ではありません。借金を帳消しにする方法は色々考えられますが、インフレも少なからず利用してくることは間違いないでしょう。

では、このインフレリスクに備える方法について述べます。

インフレリスクに備える方法

①銀行預金、タンス預金は最小限に抑える

まずはこれです。日常の資金繰りのためにある程度は必要ですが、無駄に資金を銀行で寝かせておくのは(大抵の人は安全だと考えているのかも知れませんが)、危険な行動です。

②日本国債を買わない

最近金利が僅かながら上昇し、国債の利回りが上がった感はありますが、それでも国債の長期ホールドは絶対にお勧めできません。ハイリスク・ローリターンの典型例だと思います。国債はむしろ売りポジションを持つべきでしょう。ただし、かなりの資金量が必要です。

③FXを使い、外貨に投資する

これが一番手軽でそれなりの効果もあります。特にお勧めなのが、金利の高いオージー(豪ドル)やキウイ(NZドル)、基軸通貨の米ドル、次いでシェアの高いユーロ、ディフェンシブな通貨であるスイスフランなどです。ただし、これも一種のリスクマネーであり、価格変動リスクがあります限度をわきまえないレバレッジなどはかけてはいけないのは言うまでもありません。貯金の延長で考えるなら高くても2倍まででしょう。

④株式、不動産、金などに投資する

これは③よりはハードルが高いです。まぁ、このブログをご覧の皆さんは株式は身近なものだと思いますが、不動産と金はかなり未知の領域だと思います。また、株式も日本の株式だけでなく、米国株や中国株のように国際的に分散することがお勧めです。

ちなみに僕は、全資金の30%~40%を中国株と米国株で持っています。インフレリスクに備えながらキャピタルゲインも狙っています。これらは長期投資のスタンスです。ちなみに、これら全ての資金の平均投資利回りは今年に入っての半年で概ね20%弱といった感じですね。



最新の画像もっと見る