トミー・マリッチ(TSGホッフェンハイム)の記事が今朝の読売新聞に出ていました。
「泥臭い日本見たい」クロアチアの「サムライ」エール
日本代表が18日に対戦する強豪・クロアチアは、1998年のフランス大会で惜敗した因縁のチームだ。
元クロアチア代表で、今年1月までJ1・浦和レッズに所属していたトミスラフ・マリッチさん(33)は今回、決戦の模様をテレビ観戦する。浦和時代、チームへの高い忠誠心から「サムライ」と親しまれた男は、「ニッポン、ガンバッテ」と日本語でエールを送った。
ドイツには、旧ユーゴスラビアの内戦から逃れてきたクロアチア移民が多い。マリッチさんも、移民2世として、ドイツ南部の街・ハイルブロンで生まれた。
しかし、祖国を愛する気持ちを忘れたことはなかった。「ドイツ代表という選択肢もあったが、クロアチア人である以上、祖国のユニホームを着て戦うことを夢見てきた」
祖国では無名の存在のため、「人一倍努力しなければならなかった」。祖国代表として9試合に出場。今回、日本にとって要注意とみられるエースストライカー、プルショ選手とフォワードでコンビを組んだこともある。
「代表の一員として国歌を聞いた時は涙が出そうになった」と、感慨深げだ。
8年前は1対0でクロアチアが勝利したが、日本代表の印象は、「速さとテクニックがある手ごわいチーム」。三都主アレサンドロ選手、坪井慶介選手は、浦和時代のチームメートだ。
ただ、日本代表に物足りなさを感じているのも事実だ。「攻撃性や泥臭さが足りない。仲のいい友達のような感覚で、戦闘集団としての厳しさが薄いのかも知れない」と苦言を呈する。
マリッチさんは現在、生まれ故郷近くの都市を拠点とするドイツ国内リーグ3部のチームでプレーする。18日の試合はクロアチアにとっても重要な一戦だ。
「私はクロアチア人だから祖国を応援するのは当たり前。でも、大好きな日本のサポーターでもあるよ」。マリッチさんは両チームの健闘を願っている。(ニュルンベルクで、十郎浩史)