![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/ab/064d209aa98da00883f358c2e6c3e525.jpg?1643446107)
列車に遅れないよう早めに到着した三次駅は、朝霧に包まれていた。
通勤ラッシュに備えた長編成の広島行きが、大音量のエンジン音と大量の排気ガスを残して、先に出発。
残るは、備後落合行きのディーゼルカーがポツンと1両だけ。
車内は、私の他 学生2〜3人が静かに本を読んだりウトウトしている。
「このまま出発するの?」
少々不安になったが、発車時刻ギリギリにやっと通学生が集まりだし、結局サラッと満員の状態で三次駅を発車した
1両のディーゼルカーは、霧の中を東に進んで行く。
JR福塩線との分岐駅、「塩町」でさらに乗車。
一部徐行区間も挟みながら、中国山地の少ない平坦地を縫うように走って来たディーゼルカーが
「備後庄原」に到着すると、乗っていたほとんどの通学生が下車。
一部残っていた学生も「備後西城」で下車すると、車内は私を含め3人だけになった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/4e/4310142cb6e31ccc8f56b780fa0c5e7a.jpg?1643449970)
三次駅を6:55に発車した列車は、8:16「備後落合」に到着。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/84/57a0568bf3a94074de285529fc341122.jpg?1643450287)
駅の周辺は、本当に何もない。
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少し歩くと食堂があるらしいが、営業しているか電話で確認してくれとのこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/17/82499b44cc79ef2a19f6cff5d94d0eb4.jpg?1643450489)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/72/b8d20a3ab7df04125d7c21b889237db0.jpg?1643450490)
さっきの列車の運転士さんが
「木次線が来るまで止まってるから、中で休憩してください」
と、残り二人のご婦人方に声をかけたらしく、私に
「こっちで休憩して下さいって」と
わざわざ声をかけに来てくれたので、私も車内に戻る。
お二人は、三次から木次まで小旅行に行かれるとのこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/c9/258f3e4ad16d0ce211e9e4cac78a5bc4.jpg?1643450920)
そろそろ木次線の列車が来る頃なので、一足早く列車を下り、朽ちた転車台を見ながら
列車の到着を待っていると、鳥のさえずりに混じって遠くからエンジンの音が聞こえてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/8b/ddbfd7670498c258bf607f40ee792961.jpg?1643451190)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/59/9754df626a546905d8d1def6298d79cc.jpg?1643451190)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/b6/4edccb0d386cff9527e41a14de624a45.jpg?1643451190)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/97/ad1449406906121b62218c0a93b53bf8.jpg?1643451190)
木次線のオリジナルカラーを期待していたが、やって来たのは広島色のキハ120。
乗り換える客もないまま、絶妙の接続で
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/c4/4531b5cb473d68c7ad941eabb1986bbd.jpg?1643451388)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/97/80448876db681bfd5fbbeae7647d004a.jpg?1643451388)
三次行きのキハ120が折り返し、発車して行くと
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/ec/a63eb4d29fcccb5e265d2b1018c00e8d.jpg?1643451474)
今度は木次線のキハ120が、山間のだだっ広いジャンクションに、ポツンと1両。
かつては蒸気機関車を運行する重要拠点として、約200名の国鉄マンがここで働いていたらしいが(ウィキペディア調べ)
今や、それが信じられないほどの寂れよう。
それでもまだ1日数本、列車が来るだけマシ。
鉄道もろとも消滅してしまっても、おかしくないのが今の厳しい情勢だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/4e/3ded3376cdee626f51059026ebb0e35f.jpg?1643453327)
9:20 木次行きが備後落合駅を発車。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/1c/d9f994071718c8b1e452cf09654e6f2f.jpg?1643453470)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/77/3058fa1570315204d144326428a86d9c.jpg?1643453470)
中国山地を超え、かつては陰陽連絡急行「ちどり」も走った鉄路をしばらく行くと
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/9d/32f648c0d1992e2162789987e2ef1a73.jpg?1643453690)
いよいよ「出雲坂根」のスイッチバック区間に入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/57/4f0dc72b6e5fe2c29e58feaeb93dedad.jpg?1643453778)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/0b/25494da3906101a866c3a3c3140eecac.jpg?1643453778)
さらに奥へと続く引き上げ線が、かつての栄華を物語る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/66/314de9086d4668bb4dcfc2640cd80473.jpg?1643453895)
運転士が後ろに行き、列車は逆走を開始。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/22/184262f39fc72c5b49fed7de4769b69e.jpg?1643453971)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/54/27d1421851cb5906914e9e8a1248c277.jpg?1643453973)
出雲坂根駅に到着した。
ここから再び向きを変え、木次方面に出発。
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10:39 「亀嵩」到着。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/d2/81768a8a7840e7c1c264a8d73b1e5f1e.jpg?1643454282)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/c1/626c54f462c6bb719106a4e8a8055364.jpg?1643454282)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/34/cc8d1929d142ed6cbfcf2f4c7428452c.jpg?1643454282)
JR木次線の亀嵩駅と言えば、有名なのが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/de/d60f3d37b68cb2c8c0aae819e9b87edf.jpg?1643454365)
「出雲そば」の店があることと、松本清張原作の映画「砂の器」のロケ地となったこと。
文学・芸術より、まずは「食い気」を満たす。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/a7/5274b05cbbb75d533216badb55520a42.jpg?1643454729)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/62/179b046657870597dbf8c53ca61091b2.jpg?1643454728)
私の中で蕎麦屋と言えば「はっぴ白衣」に「丸帽」のイメージだが、私に気づいて中から出てきた主人は
カッターシャツにスラックス、まるで床屋のマスターのような感じ。
「検温と手の消毒、県の指導で何かあった時の連絡先を書いてください」
とのことで、指示通りにして店内へ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/e7/a96af2d627f59df5816a326de8757f6c.jpg?1643454729)
名物の達磨ストーブに
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/5b/4e16d7d37344ba5c32885564944667e7.jpg?1643454728)
有名人の色紙。「砂の器」で亀嵩の駐在警官役をしていた緒形拳の色紙もある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/33/fb31ca299332c0eeea6a5a6a8f3f18c7.jpg?1643455817)
温かい蕎麦も食べたかったが、ここはやはり名物の「割子そば」を注文。
私は蕎麦通ではないが、「喉ごしが良い」と言う表現が、まさにピッタリくる感じ。
今まで私が食べた中では、間違いなく上位にくる蕎麦と思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/8b/a1e31252b1c9889cd8747ee9a8d08401.jpg?1643456553)
温かい蕎麦湯が、味が濃くてまた腹にじんわりとしみる。
ゆっくり蕎麦湯を味わっていると、店の女将さんが
「おろち号が来ますので、ホームへ営業に出ます」
「しまった❗️」
まもなくやって来る「奥出雲おろち号」を亀嵩駅で撮るつもりだったのに、駅に下りたとたん蕎麦しか頭になくて、
すっかり忘れていた。
慌てて外に出ようとして
「お客さーん、お勘定」
危うく食い逃げ、無銭飲食するところだった・・・
旅の恥はかき捨て・・・で済んで良かった。
出雲そば 扇屋
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/8f/f2a4146dafed158b3ca04e7ac65decc2.jpg?1643457189)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/0d/b6549c0f1bcbd695df21df94a66acaf7.jpg?1643457189)
本当は、これに乗りたかったのだが、指定席が取れなかった。
いろいろ後で調べだが、もともと座席数が少ないので、この指定券を買うのは至難の業らしい。
加えて車両の老朽化も著しく、引退が確実視されているので、もはやプラチナだろう。
「砂の器」の事は、次の記事で
(アップの順番が前後してます。ご了承ください)
つづく