ひな人形

女の子は床の間飾られたひな人形を見ていた
ケースに入った人形が三つ並んでいた
あまりにも綺麗な人形を近くで見たくって
近づこうとした

その時　女の子の祖母が言った
「触ったら駄目！それは全部お姉ちゃんの物
お前の人形は一つもない」
女の子は出した手を引っ込め
部屋を出て行った

三月三日　女の子の姉は綺麗な着物に身を包んでいた
それを女の子は恨めしそうに見ているだけだった
女の子の母はこの子にも着物を着せてやりたいと言っていた
だが祖母は「この子に着せる着物は無い」と

女の子は大人になり　幼い日のひな祭りの写真を見ていた
そこに写っているのは　ふくよかな顔で綺麗な着物着た
少女の姉の姿と
痩せて今にも折れそうな身体に着古した服を着た自分の姿たっだ



‥…━━━━━☆‥…━━━━━☆


久しぶりの更新です
サボってましたｗ

ひな祭りの思いではないですｗ