宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))は6日、金星を回る軌道への投入に失敗し現在は太陽を周回している探査機「あかつき」について、「12月7日に金星への軌道投入に再挑戦する」と発表した。
くしくも前回の2010年に失敗した日と同じで、記者会見した計画責任者の中村正人JAXA教授は「軌道投入は必ずできる。冷静に、粛々と責任を果たしたい」と話した。
あかつきは10年12月7日、金星の軌道に入ろうとしたが、主エンジンが故障して金星を通過してしまい、太陽を周回しながら再び金星に近づくタイミングを探っていた。「再挑戦が5年前と同じ日付なのは全くの偶然」という。
計画によると、故障した主エンジンは使わず、姿勢を制御する4個の小型エンジンを使って減速する。軌道に入ると、3か月かけて観測機器などをチェックし、16年4月頃から2年間、観測に臨む。
金星は地球とほぼ同じ大きさだが、秒速約100メートルの暴風が吹き荒れるなど過酷な環境。あかつきは金星を5台のカメラで観測し、こうした気候が生まれた謎を解き明かすことを期待されている。
あかつきは、太陽を回っている間に高熱にさらされているが、中村教授らは探査機の損耗を防ぐため、観測機器類が正常に動くかどうかの確認を控えているという。今月と8月、また太陽に接近する予定で、中村教授は「再びチャンスが与えられた。必ず成功させたい」と話した。
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