袴田元被告らと死刑制度を討論・・・中京

　１９６６年に静岡県で発生した「袴田事件」を題材に、死刑制度について考えるシンポジウムが７日、中京区の京都商工会議所で開かれた。同事件で死刑が確定後、昨年３月の再審開始決定に伴い釈放された袴田巌元被告（７８）と姉の秀子さん（８２）、同事件弁護団の戸舘圭之弁護士（第二東京弁護士会）が意見を交わした＝写真＝。

　　京都弁護士会が主催。秀子さんは死刑判決の確定後、袴田元被告の様子が変わり、面会も拒むようになった経緯を振り返り、「死刑制度はない方がいい」と訴えた。戸舘弁護士は「刑事裁判には誤りがあり得る。常に救済の道が開かれるべきだ」と述べた。

　　袴田元被告はシンポに先立ち、金閣寺観光を楽しんだといい、秀子さんは「釈放がなければ考えられなかったこと」と喜んでいた。