スポイチ編集長日誌

最近はGTAオンラインの攻略ばっかりです。
日付そのままで修正・追記したりします。

所長の闘いは終わったが、戦争は終わっていない

2013年07月10日 | 社会
原発を安定化するという戦争は。

福島第1原発:吉田元所長が死去 事故時に現場対応

福島第一原発事故を「あの程度の」被害で抑えた要因の一つには吉田所長の存在があったと言ってよいと思う。彼の3.11以前の振る舞いは別としても。
軍事組織でも公務員でもない彼らは、あの時、すべてを放り出して逃げ出してもおかしくはなかった。だが彼らは踏みとどまった。そして今もそこで戦っている人達が居る。

ミッドウェー海戦の顛末を読むたびに、南雲が生き延びたのに、なぜ山口多聞が死なねばならなかったのか、という想いがよぎる。また同じことになった。さすがに、どうせなら早々に病院に逃げた社長と会長が代わりに…とまでは思わないが。

いずれにせよ、「原発事故時の初動対応の指揮」という、世界的にも稀な経験、いや「戦訓」といってもいいだろう。その戦いを経験した人物の口から証言が行なわれる機会は永久に喪われてしまった。これは、むしろ今後も原発を維持していきたいと願う側にとっての大きな損失だろう。「次」の原発にも必ず吉田昌郎に匹敵する人物が所長としてそこに存在しているとは限らないのだから。

亡くなった人は戻らない。それでも「独占告白」などと称して、文藝春秋あたりに予断に基づいた安易なカバーストーリーを流布されるよりはいくらかましだったのだと考えるより仕方ないのかもしれない。



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