私は時々、『midi』というものを作成します。
辞書によると『midi』とは『Musical Instrument Digital Interface』の略で、電子楽器をコンピュータで制御するためのインターフェースとあります。簡単に言うと、パソコンで楽譜を作ってパソコンやキーボードなどからその音を鳴らすということです。
『midi』を作るには専用のソフトを使うのですが、私が使用しているのはプロ用の高価なものではなく、家庭用の簡易なものです。
なので、使い方はとても簡単。このように、パソコン画面にある5線紙に音符を置いて行けばよいのですから、音感や演奏の技術は必要ありません。各楽器の調子や音色を間違いなく設定しておけば、画面上の再生ボタンを押すだけできちんと演奏してくれます。
簡易版ですから、ドラムロールや、グリッサンドなどの特別な奏法には対応できませんが曲のイメージをつかむには充分です。マーチングの部室に埋もれていた『昔購入して演奏しないまま保管されている楽譜』も『midi』に起こせば、楽譜が読めない保護者さんでも鮮明に曲の全体像が分かりますから選曲に便利です。
今年度発掘された5曲の楽譜も『midi』起こしをして、結局5曲ともすぐに演奏する予定はありませんが、楽譜とともに『midi』再生を録音したテープやMDを保管しておけば、いつでも誰でも選曲できます。
『midi』を起こして生まれる副産物に、楽譜と演奏時間があります。元々楽譜を見ながら入力するのですが、輸入楽譜の中には音符が1拍長かったり短かったりの間違いや、手書きのため見づらいものなどがあります。『midi』を起こせば自然に楽譜を清書することになりますから、これを印刷すれば美しい楽譜が出来ます。ついでに、正しいテンポで演奏したときの演奏時間も分かるので、大会など時間制限のある場合には便利です。
保護者さんの中には私のことを『楽譜を読むのが得意な人だ』と感心していた方がいらっしゃるかもしれません。もしかしたらそれは、『midi』起こしで予習済みだからかもしれませんよ