たとえば模型道楽

1/48 SBC2-4 ヘルダイバー

レベル プロモデラーのヘルダイバー。ご幼少の頃モノグラムの48を作った記憶が有る。確か、翼畳めたり、爆弾落ちたり、当時流行りの可動モデルだったと思う。随分長い間モノグラムしか無かった48ヘルダイバー、これが出た時は感激したのだが、同じような人が沢山いたらしく手に入らなかった。その後ハセガワが箱替えで出してくれて、やっと手元に。来たは良いが、風防がヌルヌルモールドと言うか溶けたようになっていて、これは駄目だと、蓋を閉めて仕舞ってしまっていたキットだ。

成型不良の風防付けといてプロモデラーなんて気取るんじゃないよとため息を付きながら再開してはみたが、本当に私のような素人には難儀なキット。難儀なキットの上、ハセ版なので組説が、ケチり過ぎ、イラスト判り難い、翻訳ぼろくて良く判らない、で結構苦労させられた。(本家プロモデラーシリーズの組説は写真が有ったりして良く書けている。)

まず、風防。枠のモールドが溶けているような状態で裾の方は成型不良。絞る技と気力は無いので、気を付けて削りなんとか形にした。プラが回っていなかった裾の部分は丁度フレームだったのでパテで修正。キットの窓枠モールドは正確では無かったようで、もしかすると修正しようとしたが失敗して、こんな不良品のような部品になったのかもしれない。枠のマスキングは、市販のマスキングも使い、資料を見ながらこつこつと。オデコの三角窓だけでも助かった。尚、内側に防弾ガラスを追加した。

次がパイロットキャノピー。分厚いモールドかつ背が高いので開けても閉めても段が付きすぎ。で、閉める事にしたのだが当然随分背が高いので、裾を1mm切ってつじつまを合わせた。高さを詰めたので下側、ハカマ部分の寸法が狭くなったが、もともとその上のガラスが縦に長過ぎるのでマスキングで寸法を調整し、ハカマの幅を3mmにして、まー良いか。透明部品は鬼門で一番後ろの天窓は幅が全く足りない。半分に切り、1mm角帽の窓枠を挟んでやった。モールドが消えていたので、丁度良かった。

その次が、銃座。気持ちは判るが凝った造りのせいか接着面は少ないし位置も決めにくい。どうも一体にしてしまうと組み込めないように見えたので前半分をとりあえず固定。PE部品が有る故、分解し易い後ろ半分を恐る恐る、珍しく慎重に、組み込んだ。くたびれたぞ。

そのまた次が、足回り。オレオリンクとドラグブレースが一体、かつ設着面が大変少ない上、位置が決めにくい。くねくねと曲がっていて弱そうな主脚の取り付け基部が頼りない。どうしてくれようかと思案したが良い考えも浮かばず、地道に0.4mm金属線でブレース・脚柱間をピン補強、脚柱根元にも植えて、翼側の取り付け部はプラ板で裏打ちしてピンの受けを足した。更にジェリー瞬間などで補強して組み立て。少しは安心できそうだ。当然、カバーも難物でどうやって付けるんだようと呟きたくなる。上の方は翼に、なんとか、接着できるが下のはカバーとホイールアクスルの間にピンを立て位置決め兼補強とした。「プロモデラー」、難儀なキットだぞ。

爆弾槽扉は閉めたが、ここも手間がかかった。寸法が合ってないし支えも無いのでプラ棒などで柱を立てて、しっかり収めた。

PE製フラップ・ダイブブレーキはプロモデラー風。どうなる事やらと組みこんだが、適度の厚みのせいか扱い易かった。切り出す時に変形させないのが肝。ナイフなら硬い台の上で切り出すと良い。隅の方にゴム系設着剤を少しずつ付けて止めたがどうしても後端が浮くので瞬間で恐る恐る固定。こんなことをしていたら、プライマーが弱いのか、洗いが足りなかったのか、角が剥げて往生したが、悩まず、タッチアップ。

ピトー管は細くて、粗忽な私はあっという間に折りそうだったので真鍮線に換えた。

尚、アキュレイトのヘルダイバーも基本これの箱替えなのでアベンジャーの出来を期待しない方が良い。

今時、48ヘルダイバーのデカールなんぞ売っていないので素直にキット付属のマーキング。デカールはカルト製なので色等問題無し、のはずだったが、胴体の国籍マークが大きめに感じたので35インチに換えた。尚、ランドルフ搭載機なのだが、塗装説明に右エルロン白塗りの指定が無い。尾翼のストライプも貼る自信が出なかったのでデカールをテンプレートにして塗装した。

そうそう、ランドルフの15番は「4E]、レーダー運用能力を持っている機体なのだ。せっかくパイロンだけは入っていたのでスぺホのファイアフライに入っていたレーダーポッドを流用し、付けてやった。尚、レーダーはミッションにより適宜載せられるそうだ。

嫌いではないが、なんとも落ち着かない姿の飛行機だ。胴体が短く、主翼と尾翼が一見近すぎる。史実にも縦安定が足りず苦労したとの記録がある。やっぱりな。

脇のフィギュアーはタミヤのセットから。棚に上げていたのをこれを機会に作ってやった。大変良く出来ている。

コメント一覧

辻堂ジップ
@drmurai4633jp さん、有難うございます。ドM仕様、「ド」までは行かないと思いますが、そんなもんでしょう。繰り言になりますが、なんとか形になってほっとしています。出来の悪い子ほど可愛いのであります。
72のキットは、見かけなくなりましたが、アカデミーも出していましたね。どちらかと言うと博士のお好みの範疇、機会が有れば一機いかがですか。
drmurai4633jp
辻堂ジップ殿、完成おめでとうございます㊗️
ヨンパチのヘルダイバー、レベル製とはなかなかの、ドM仕様ですな〜(^^;;;
この辺りのキットをサクッと仕上げられる辻堂ジップ殿の技量及び懐の深さにいつも感銘を受けておりますです!
モチベーション上がりますよーー
ヘルダイバーはこの不格好さがなんとも言えないアメリカらしさを醸し出していますねー。ナナニイは最近サイバーホビーより出ていますので食指が動きますです‥
辻堂ジップ
クラキンさん、おはようございます。
有難うございます。これを名キットに数えるのはいささか抵抗は有りますが、模型運の無いヘルダイバー、今でもこれしか無いのすね。
次から次に「!!」が出てきて、作らされてる感を感じてしまうタミヤキットでは味わえない醍醐味ではありましたが、満腹を超えてゲップ状態です。
もし、お作りになる機会が有れば、私のドタバタが少しでもお役に立てればと思っています。
クラキン
完成おめでとうございます。
往年の名キットを見事にものにされましたね。
色々ご苦労されたと思いますが、ドッシリとした素晴らしい作品に仕上がっています。
フィギュアの出来も良いです。
私も一度は作ってみたい機種ですが、当分は無理そうです。
辻堂ジップ
おはようございます、hajimeさん。有難うございます。ヘルダイバー、一見良いキっトなのでグダグダの風防さえ何とかすればと、取りかかったのですが、始めて見ると、あれ、これ、有りまして、恨み節をつらつらと書いてしまいました。虚仮の一念で何とか完成できてほっとしてます。
アキュレイトのアベンジャーは銃座が面倒ですが良いキットですよ。ご心配無きよう。
hajime
完成おめでとうございます。
記事を読んでいて、これは相当難物なキットなんだなと思いました。それがそんな風に思えない完成写真で辻堂ジップ様のテクに感動いたしました。米軍海軍機の塗装とマーキングは個人的にすごく洒落ていると思います。ここのところ目の保養が出来てすごく嬉しいです。
ところで自分の在庫にイタレリ1/48のアベンジャーがあるのですが、多分元はアキュレイトではないかと思うのです。こいつは難物キットの類なんでしょうか。唐突で短絡的な聴き方ですいません。
辻堂ジップ
黒猫2号さん、有難うございます。そうなんですよ、ヘルダイバー、写真写りは良いのですが立体にするとなんともブサカワなスタイル、なんであんなに苦労して作ったのかと我ながら苦笑しています。三つ子の魂が成せる技なのでしょう。クワバラ、クワバラ。
プロモデラーはアメリカレベルのシリーズです。他にもマニアックな機体を出していましたが、概ね、大変作り難いが細部まで再現しようとしていて出来ると悪くないという評判です。世紀に変わり目辺りはこんな、作れるもんなら作って見ろ的模型が多く有ったと思います。タミヤ以外は今でもそうか。もっとも、それに乗っかったのが私のようなモデラーだったはずで、自業自得ではあります
黒猫2号
こんにちは、辻堂ジップ様。
完成おめでとうございます(^^)。

お世辞にもスタイルが良いとは言えないヘルダイバーが、凄くカッコいい姿で再現されていると思います。
これはなかなかの難物でしたね、しかし大変ご苦労された部分は言われなければ分かりません
それほど完壁に処理できているのではないでしょうか、流石です。
プロモデラーと言うのは何処の国のメーカーでしょうか、(勘違い)自信満々の表れなのか
それとも、プロ級の腕でないと完成できないという意味なのか?(笑)。
ハセガワの組説、図は小さくてとても分かりずらいです
昔のものならいざ知らず、デカール替えの再販でも一緒なので困りますね。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「U.S.NAVY/MARINES」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事