最近、食への関心が芽生えたことに気づいた。
以前までとんと関心がなかったのだが、ラーメン好きの友人とラーメン行脚をするうちに味の良し悪しや違いについてわかるようになったのがきっかけである。あそこの醤油は油で誤魔化しているなぁ、魚の出汁を取りすぎて悪い部分まで煮出してしまっている、とかいった具合である。まぁ、改めて考えてみると私は食にはうるさい方だった。母の作る料理に少しでも違いがあると報告していた。お茶の味が濃ければ今日は少し長く沸かしたのかと訊き、煮物の味が濃くなれば今日は醤油を入れすぎだねと言って煙たがられた。今となっては少し申し訳なかったなぁと思い数度にいっぺんだけ報告するようにしている。
そういう風に、昔から食への感度だけは敏感だった私は今、友人のおかげでその素晴らしさに気づき、美味い店を探すようになっている。食べられれば何でもいい!量こそ正義だ!というのは22歳まで。23歳からは味や店の雰囲気などトータルに食を楽しもうじゃないか。まず手始めにフランス料理でも食べようか。あれこそトータルで楽しむということを理解するのに打ってつけのジャンルである。知り合いの商社のおじいさんも言っていたし。そのためにも街に出て自分の足でしっかりリサーチしないと。画面に噛り付いても食べられるのは情報だけだから。