池田 悟≪作曲家≫のArabesque

・・・深くしなやかに・・・(音源リンクしてます)

写経の心境

2005-11-04 | パソコン・Finale

Finale による右手のピアノ曲「Planetarium」の浄書も残り僅か。今では深夜ならグラス片手にやってます。
最後の難関は、1つの和音が2つの五線に枝分かれし、それぞれをタイとスラーでつなぐ、というもの。「Finale User's Bible」(音楽之友社)を10/31、入手。助かった。
(↓片手で7つの音を弾く和音が書かれてるねえ…)

ピアノ曲の譜面の製作は、(原則)たった2段の五線に、ある時はオーケストラ並みの情報量を盛り込むので、音符があっちに枝分かれ、こっちに枝分かれし、極めて複雑、精緻な作業となる。
オーケストラの譜面をFinaleで作ったことはまだ無いから断言はできないけれど、オケはたくさん音符を書かなきゃならないにせよ、1本の五線に1パートしかないのだから、五線1段を仕上げるのはピアノ曲よりずっと楽だろうね。やっているうちに、作曲者自身にしかできない判断もあり、「これは他人には任せられないな」と思うこともありました。

一応本日すべての音符の打ち込みが終わる予定ですが、
1) ペダル記号を入れる(自動演奏に細かく反映させるのは断念)。
2) 拍子記号と全休符を消す。
3) 「警告の臨時記号」を入れるようにしたら不要な物まで一切合切付いてしまい、うるさいので、それらを一つ一つプチプチと消す。
4) その結果わずかに広くなった小節の中に、より見やすいように音符を配置し直す(200%に拡大して)。
5) 「記譜の説明」を打ち込む…これは楽譜の断片と、その演奏法の説明(英語)による1ページ。
6) 表紙を作る。スペインから要請されている文言を貼り付けて。
7) 全部出来上がったら、プリントして最終チェック。
※スペインからメール、ページ数は4の倍数で:multiple of 4 (8, 12, 16...) との事。

作業は、まるで写経でした。実際その最中、過去の自分の色んな(恥ずかしい)姿が頭に浮かび、「おおつきせんせ~い」とか、「お母さん!」とかつぶやいてました。
今日出せば金曜、出せなかったら月曜になってしまうので今日中に出そうと思い、修正作業が終わり、プレイバックを聴き終わるや否やプリントし、目で見、そしてペダルは実際に弾いて確認し、更に直し、CD-Rにコピーし、5時までに郵便局に出しに行く。お昼抜き。修羅場に近かったです。でもこんなのは慣れてます。むしろ「国際的に仕事してるなあ」という充足感、それとも懺悔の後のすがすがしさ?ああ、早く次の作曲がしたい!大編成の曲を書きたい!
…最近、髪の毛が落ちてるとスラーに見えるんです。異常でしょうか。
(写真:十数年前、校歌に伴奏を付けたお礼に頂いた、エジプト旅行のお土産のパピルス…現代におけるCD-R は、昔々のパピルスか?)



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