ショパンの「即興曲第3番 Ges dur」「夜想曲 Op.27-1 cis moll」の2曲を暗譜した。
指の喜び、耳の喜び、心の喜び…感情が花吹雪のように浮遊する「即興曲第3番」。
バッハにも匹敵する選り抜きの書法、そこがシューマンとの違い。
ゆったり流れる中間部は、ちょっとした刺激で結晶化し主部に転がり込む脆さを孕む。
「夜想曲 Op.27-1 cis moll」。冒頭、仄かに射す一条の光。このE-Eis-Fisの半音階は後半の力強いDes durへのアウフタクトEs-E-Fとなる。Des durの部分は凱歌と言うには簡素。頂点に達するや、むき出しの荒々しい単旋律で幻のように崩壊し冒頭に帰す。この単旋律は冒頭の仄かな線と対照的ながら同じもの。この曲想の転換法はリスト「森のざわめき」の原型と見られる。
曲尾は息を呑む美しさ。浄化の鐘か。ドビュッシーのようなこの美しさを表現できるピアニストは世界に何人いるだろう?
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