こじらせ女子ですが、何か?

心臓外科医との婚約を解消して以後、恋愛に臆病になっていた理穂。そんな彼女の前に今度は耳鼻科医の先生が現れて!?

モザイク・ラセン。-【1】-

2021年10月06日 | 日記

 

 さて、今回の萩尾望都作品は『モザイク・ラセン』です♪

 

 何故、『モザイク・ラセン』だったかというと――割と近くにある本屋さんのほうに行く機会があって、まあデパート内にある本屋さんですから、置いてある本にも限りがある……というか、そんな感じの狭いスペースの本屋さんなわけです

 

 なので、「どーせ萩尾先生の本はなかんべ☆」そう思い、順に棚のほうをチェックしていったところ――ちょっと一瞬ケンシローになりそうになりました(笑)。「アータタタ、アータタ、あったあっ!!」というわけです。

 

 もちろん、全巻揃ってるとかそういうことではなかったんですけど……それでも十数冊はあったでしょうか。んで、すでにその半分くらいは持ってる気がしましたが、「♪ど・れ・に・し・よ・う・か・な~」と、すでにルンルン気分

 

 で、前から読みたいと思ってた『感謝知らずの男』と、『モザイク・ラセン』の2冊をお持ち帰りしてきました(※万引きではない)。『モザイク・ラセン』は別のにしようか迷ったのですが、本のほうを持って見たところ――帯のところに、<和田慎二【解説】>みたいにあったので、それでまあ、この本は即買いすることになったのでした♪

 

 ええと、肝心の内容のほうですが、でも実は表題作の『モザイク・ラセン』については、そんなに書くことないかな、なんて(^^;)

 

 もちろん面白かったのです。ただ、今まで萩尾先生が描いてきた漫画の設定などが色々使われて(SF)ファンタジー風にまとめられている……といった、そんな印象と言いますか。このことについても、それが悪いということはまったくなく、「この程度でいいなら、楽々描けてしまえてよ。おほほのほ♪」といった、萩尾先生の漫画家としての胆力を感じさせる作品といった、そんな印象だったかもしれません。

 

『モザイク・ラセン』の他に収録されている作品が、『一度きりの大泉の話』にも掲載されている『ハワードさんの新聞広告』、他のもう一編が『きみは美しい瞳』でした

 

 それで、ですね……『きみは美しい瞳』については、竹宮先生とのことに関連して、また自分的に妄想(笑)がありますので、次回にまわそうかなと思ったり。なので、今回のタイトル『モザイク・ラセン』なんですけど、解説を書いておられる和田慎二先生の文章に関連して、何か書いてみたいと思いましたm(_ _)m

 

 まあ、肝心の本編である『モザイク・ラセン』については「面白い♪」と思ったにも関わらず、「特に書くことないかな……」というのが微妙なのですが(汗)、わたしの場合、「面白い!」と思ったとしても、細かく感想書きたい場合とそれほどでもない作品とがあるっていうことなんですよね(^^;)

 

 それはさておき、和田慎二先生の解説!!

 

 和田慎二先生……と聞いて、「知らないわけねえやろがいっ!」という方と、もしかしたら「誰だっけな?」となる方といらっしゃるかもしれません。和田慎二先生は『スケバン刑事』、『ピグマリオ』、『超少女明日香』シリーズなどで知られる、とても有名な漫画家さんです

 

 いえ、わたし竹宮先生の漫画を読んでいて――「このあたりはなんとなくだけど、竹宮先生の作品から和田先生も影響を受けてるっぽい☆」みたいに感じたことが、読みながら何度かありまして……絵的にというか、作風的にもセン(線)がちょっと似てるようにも思ったりするんですよね(^^;)

 

 もちろん、基本的に「それがどーした☆」という話ではあります。また、和田先生は初期の頃からその漫画家生活においてずっと……線が乱れるとか、絵のカンジが大きく変わるとか、徐々に変わっていって、最後のほうの絵はあんまり好きじゃなかった――ということがまったくなく、絵や作風としてはずっと安定してる漫画家さんでなかったかと個人的には思います

 

 それで、『一度きりの大泉の話』の中にも、ほんの一行だけですけど、和田慎二先生のお名前が登場する箇所があるんですよね

 

 

 >>また、この頃、美内すずえ先生、和田慎二先生などとも知り合っていました。

 

(『一度きりの大泉の話』萩尾望都先生著/河出書房新社より)

 

 

 それで、『モザイク・ラセン』のほうにも、和田先生の次のような文章があります

 

 

 >>「SF色が濃い――」とか「童話なのだろう――」とかあまりにもあやふやな解説をしてしまうのは、萩尾氏本人とは何度もお会いしてるし、この「わけのわからん人間(ひと)」に向かって断定してしまうと、「フフッ」とか鼻先で笑われて私が頭をかかえて落ち込んでいく姿が見えるからだ。

 

 

 なんとなく、ここ読んだだけでも和田先生と萩尾先生の関係性が窺える感じがしますよね(笑)。では、さらに続き。。。

 

 

 >>萩尾望都という人は、いわゆる〃少女マンガの黄金期〃と呼ばれる変革の時代の導火線であり、火をつけた張本人であり、爆発までやってのけた作家である。名作、傑作は枚挙にいとまもなく、天才・鬼才の名を欲しいままにした作家であるが、ありがたいことに新人の時には――ただの新人だった。ま、その頃から「わけのわからん人間(ひと)」ではあったんだけど。

 

 あの時代、新人マンガ家は何でも描かされた。

 

【中略】

 

 新人時代の彼女は多彩なジャンルを楽しんで描いている。――ああこの人は娯楽性(エンターテインメント)を目指している人だ……私も、(自分の表現性に合う合わないは別にして)そっち方向を目指していたからだ。だが機会があり、直接会って話をしたあとから私はこの先輩の「わけのわからん人間性」にひきずりまわされる。

 

 会話をする。会話の流れの中で意表をつかれるようなツッコミをされる。本人に意表をつく気はない。純粋に好奇心と疑問であるらしい。短い会話内でユラユラとゆれるスタンス。それも各スタンスに土台がしっかりとあるらしい。ひきずりまわされるはずだ。

 

 

 でも、なんとなーくわかるような気はしますよね(^^;)『10月の少女たち』で解説を書いておられる吾妻ひでお先生も、>>「萩尾さんの妄想癖は有名ですが、TVに出てる時やトークショーでも油断してると遠い世界へ行っちゃってますからね」と書いておられるのですが……わたし、100分de名著の萩尾先生の回を見た時も――「あれ?萩尾先生、カメラまわってるのに精神がちょっとどっかへ行っておられるやうな……」と感じたことがあった気がします。

 

 

 >>SFというジャンルも彼女の確固としたスタンスの一角であった。『あそび玉』、『11人いる!』を発表した時でも私にとっては「SFも描ける萩尾望都」であった。私は彼女のコメディ……中でも作品中にときおり出て来る音楽……軽いシャンソンだったり、ハリウッドナンバーだったりする……テンポのいいシーンが好きだった。だから1976年『この娘うります!』が終わって『スター・レッド』が始まった時には〃まずい……〃と思った。冒頭、主人公が酒場にはいってきた表情を見た時である。作者のスタンスが作者の意志によって一つの方向に定まった瞬間を見たような気がしたのである。

 

 

 実は自分的に……竹宮先生の作品を読んでいて、「このあたり、和田先生も影響受けてるんじゃないかなあ」と感じたことがあったように――『スター・レッド』を読んだ時も、あの出だしのセイのスケバン感(?)が、なんとなく『スケバン刑事』の麻宮サキを思わせるところがあって、自分的にちょっとびっくりしたのですよww

 

 それで、サキってヴィジュアル的にはちょっと『アンドロメダ・ストーリーズ』のイルに似てたりもして……自分としては「なるほどなあ♪」みたいに思って、感慨深いものがあったというか。

 

 ええとですね、べつにパクリ☆とかなんとか、そんな話ではまったくないのです。大体のところ、同時代の漫画家さん同士というのは色々な形で影響を受けあってるものだと思うので――それで何か問題が生じるとか、ギクシャクするレベルのものではまったくないと思うというか(^^;)

 

 なんにしても、『モザイク・ラセン』は本編が面白いのはさることながら、自分的にはこの和田慎二先生の解説というのは、すごーくすごーく興味深かったです♪いえ、わたし和田先生の『スケバン刑事』にはすごく影響受けてまして……続き書いてないのですが、『愛している。』という話に出てくるレディ・オーシャンっていう人物のモデルは、実は海槌麗巳です(だからレディ・オーシャンなのです・笑)。

 

 では、次回は『きみは美しい瞳』に関連した、わたし個人の妄想ということで(^^;)

 

 それではまた~!!

 

 

P.S.ここ書いてから、和田慎二先生の『スケバン刑事』の連載時期を調べてみたのですが……『スター・レッド』も『アンドロメダ・ストーリーズ』もどちらも、連載時期が『スケバン刑事』のあととわかりました一応、和田慎二先生の名誉のために訂正しておきたいと思いますm(_ _)m

 

 

 

 

 


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