真珠娘が空から降ってくる
甘酸い香りを運ぶ風そよそよと
ほつれ毛の玉の簪斜めに揺れている
燕の様に 光の容に踊っている
春高楼の花の宴 人々は月に向かって鐘を打ち
音盤を鳴らしている
かぐわしく胡蝶蘭は咲き もくせいは夜露を木下陰にそそぐよ
唐くれないの竪琴は 雲をふるわせむせび泣く
きみとふたりで夢を視よう
スカートを君脱ぎたまえ
帯をほどいて言っておくれ
ああ雲ってああ雲って こんなに重たかったの
そして目が覚めるころ 朝の陽ざしは点々と散り乱れ
薄絹のカーテンを照らす
眩しさにきみは貌を背け 珠をころがすような声で
僕に告げる
見たのね ぜんぶ見てしまったのね
わたしを・・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます