ひきこもり

人間は強くない

感情があって

はかなくてかよわいものだ

でも弱点を武器にすれば生きてゆける

 

 

僕は高校をやめた

高校の体制が気に入らなかった

教師も下品で

生徒たちは輪をかけて下劣だと感じた

僕は人の目が気になり

対人恐怖症になり

一年で高校をやめた

僕は家の部屋にひきこもり

PC8801FHで母親に月一で買ってきてもらう

ゲームを遊ぶかファミコンで遊んでいた

夜更かしするようになり夜中のTVでやる

成人映画をみることがたびたびあった

ラジオではオールナイトニッポンの二部を聴き

終ればドリフ大爆笑のカセットテープをかけていた

朝になればKBS京都でやっていた

手塚治虫のミクロイドエースのアニメをみてから

寝た

僕は中卒で社会では就職先なんかろくになくて

将来はまっくらだとおもっていて

でも自分ではなにも出来なくて

外は人の目があって嫌だし

 

でもある時ひらめいた

やり直せばいいんだ

僕はもう一度高校に入ることにした

また受験勉強をたくさんした

高校のパンフには卒業生たちの就職先も学校が斡旋してくれる

そうだ資格も簿記やワープロが取れる

僕はこの高校に入ることにした

 

そして僕は合格し入学した

もう高校を中退することは嫌だ

あんなひきこもりのミジメで辛い思いしたくないし

二度も中退するなんて最低だ

だから意地でも卒業するつもりで通学していた

周りの生徒たちは次々と辞めていった

結局卒業できたのは僕を入れて半分ぐらいだった

 

大学にもいけたがもう仕事に就いていたのでやめた

 

僕はひきこもりだったからわかる

引きこもりがとてもつらいのが

でも家族に守ってもらうのが悪いとはいわない

でも自分で考え自分で歩くことをしなければ

いけない人生何度でもやり直せるなら

すこしでも前にすすめるなら

失敗しても当たり前ですすんでみたら

僕はそう思って前にすすんだよ

其れからいろんな経験をして

車やバイクに乗れるようになったり

恋愛をして家族を持ったりした

 

死ぬのはいつでもできるけど

それでは自分が寂しすぎるとおもう

いろんなひきこもりの人がいるらしい

僕はりっぱな誇れる男じゃない

女々しくて易しいのが取り柄だけの男だ

頭も悪くてどんくさい

でもここまで生き残ってこれた

こんな僕でもできるのだから

皆出来るはずだとおもう