才本はちびで痩せてて
とても目つきが悪い
毎日クラスの隅に追いやられ
男の不良にも女の不良にも苛められていた
クラスメートは自分が標的になるのがイヤで
彼女がやられるのを無視していた
彼女には放浪癖があってたまに行方不明になった
琵琶湖で発見されたこともあった
いまの生活から抜け出したいけど抜け出せない
そんな気持ちが彼女を突き動かしたのかもしれない
彼女は家庭の事情で施設で生活している子供たちの一人だった
不良達はこぞって施設の学生を苛めていた
彼女は水泳部と美術部をかけもちで入っていて
僕らも水泳部だったがまったく話さなかった
彼女の笑顔も見たことがない
美術部は彼女ひとりだけの様だった
彼女は施設の先輩の女子が卒業すると
水泳部をやめた
その後彼女は絵の才能が認められ
難関の公立美術高校へ進学が決定する
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