心は秘密

仏心に住して菩薩のように語るブログ

「悟りの杖」への質問に答える(3)

2020-05-30 12:23:13 | 日記
拙著「悟りの杖」を読んだ近在の知人からの、幾つかの質問に答えた経験に因み、このテーマで記事を書いています。それ故、この記事に関する質問などを頂けると、今後の参考にもなりますので、有り難く思います。


今回は「悟りの杖」を読んだ方から、「まったく歯が立たない」という批判を頂いた件について、少しばかり述べてみたいと思います。


先ずこの書が目指した内容について語りますと、「解脱の実践技を易しく説く」ということにありました。したがって「まったく歯が立たない」と評されれば、心も痛みますが、それはその方の理解力の問題ではなく、単に仏教経典の類いに接した経験が殆ど無かったから、ということでしょう。誰だって始めて目にする仏教用語を、辞書も引かずに妥当な意味で読み取ることは難しいからです。


しかもこの書は、「悟りを得る実践技を易しく説く」ものであって、「仏語の意味を説いて知識を与える」という一般的な学術書には属しないので、そういう書物だと思って読むなら、まったく当て外れになって、「えっ? この書、いったい何を学べるの?」ということにも成りかねないからです。


そこで、この書が「悟りを得る実践技を易しく説く」ために用いた仏語とは、どういうものかということを、簡単にお伝えしましょう。


この書で説く「悟り」は「解脱」に特化されています。解脱こそ悟りの要であり、解脱が無ければ悟りも無に等しいようなものだからです。


解脱は普通「心解脱」と「慧解脱」に分けて説かれています。この書で説くのは「心解脱」です。慧解脱よりも先に体得すべきものだと考えるからであり、解脱後に「よしっ! 解脱したぞ! これで煩悩の繋縛を解き放って無畏自在に成ったのだ! 常楽我浄に達したのだ!」という強い達成感が得られるのも、この解脱法であり、慧解脱の前に習得すべき解脱法だと考えるからです。


勿論「心解脱」を成就すれば、解脱身が見えるようになるので、少し瞑想のコツを覚えれば、程なく「慧解脱」も身に付けることができます。そうすれば真言密教で説く金剛界解脱輪をも成就して、最高の悟りに生きることも夢ではないのです。


という次第で、「悟りを得て仏に成りたい」という読者諸氏の夢を叶えられるような仏教書の作成を夢見つつ、拙著「悟りの杖」は執筆されたのです。



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