ナイロビの涼しい緑潤う地平線

ナイロビでの日常生活をご紹介します。貧困や野生動物や飢餓や恐ろしい病気・・・ばかりがアフリカではありません。

便利な木の枝

2006年11月21日 | ケニア
アフリカの学校で良く見る風景の一つ。働き者の子供達が、始業前や放課後に教室や校庭を掃除しています。箒代わりに使われるのが、葉っぱのついた木の枝。初めて見ると何だかユーモラスな光景に感じましたが、合理的な生活の知恵ですね。

ケニアの道路をドライブしていて、道の真ん中に葉っぱのついた木の枝が並んでいたら、その前方には何かしらあるので要注意。スピードを緩めて運転しましょう。大抵、事故車両だったり、故障車両が立ち止まっていて、警察や救援の車両が来るのを待っています。

もちろん、ケニアにも赤い三角形の反射板が売っていて、法律はすべての車が反射板を搭載しているよう求めているらしいのですが、事実上、”木の枝”が十分に”注意喚起装置”としての役目を果たしていますから、実際には反射板を積んでいる車は少なかったようです・・・ということを、つい最近、確認するに至りました。

先週、ケニア政府が突然発表したことには、この月曜日(20日)以降、交通警察が通行車両を検査際に反射板の所持を確認し、搭載していない場合は”裁判所にて罰金が課せられる”のだとか。このニュース、あまり話題にならなくて、日本人の多く(私も含め)は金曜日の夜以降に流れた電子メール情報で初めて知った次第。

大慌てで自家用車の反射板を確認したドライバー多数、お店を訪ね歩くも売り切れ続出、値段も高騰、そういう話はもうちょっと早めに発表して欲しいもの。でないと、準備できません。

車両の安全対策を強化するために、バスに速度制限装置を導入したり、シートベルト装着を義務づけたりすること自体、否定しません。が、大して意味も効果もない”お触れ”を唐突に流し、販売業者や警察に連なる政治家が思い付いた”小遣い稼ぎ”なのさという印象を国民に持たせるのは如何なものか。

表向きの法律と、事実上の慣習に大きな隔たりがあるのに、施政者の気分次第でそのダブルスタンダードを自由自在に行ったり来たり。その度にお金がゴロッと流れて、誰かの懐に一部転がり込む仕組み。そういう国の在り方は、そこに住んでいる国民にも信頼されないし、海外からの投資意欲も殺いでしまう。大局的には”損”だと思うのですがね。