何だかホッコリ

少し前の話なのですが…

ぴのこが買い物に向かう途中
横を1台の自転車が追い越して行きました。

っと、その瞬間
自転車後部座席に取り付けられた籠から
マフラーが落ちたのです

咄嗟にマフラーを拾って

『すいません！！マフラー落ちましたよぉ～！！』

っと、声を掛けたのですが聞こえなかったようで
そのまま走って行ってしまいました…

が、少し先の信号で止まったのが見えたので
マフラーを持って全力でその自転車に向かって走り出しました

しかし、如何せん足の遅いぴのこ…。

あぁ～、もう信号が変わってしまうぅ～

っと、諦めかけた時
背後から

『持って行きましょか！？』

っと、自転車に跨った一人の青年が声を掛けてくれました。
どうやら一部始終を後方から見ていたようです。
迷うことなく

『すいません！お願いします！！』

っとマフラーを青年に託しました。
青年は一気にスピードを上げ
信号が変わる直前にマフラーを持ち主の方に手渡してくれました

その青年は持ち主の方に事情を話してくれたようで
持ち主の方がこちらに向かって深々と頭を下げて下さいました。

青年はそれを見届けると何事もなかったように
そのまま自転車で走り去っていきました。

『ありがとう』

と、お礼の一言も言っていなかった事に気づいた時には
青年の姿は見えなくなっていました…

心優しき清々しい青年へ。
　　　あの時は、本当にありがとう
　　　息が切れ 頭がまわらず
　　　お礼も言えずごめんなさい
　　　あなたの優しさにその日1日
　　　ずっと暖かい気持ちで過ごせました。