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Sliding Cafeマスターのブログ

太管テナーバス

何年楽器をやっていても相変わらず楽器選びは難しく悩みのひとつであります。中にはこれと決めた楽器1本を何十年も使い続ける方もおられるようで、そのような演奏家の方は本当に尊敬いたします。まさに ’職人の道具’ って感じで、周りの意見に左右されないそのブレの無さ、しっかりと自分の信念を貫き通されている何かを感じさせられます。いぶし銀のごとく何十年も使い古された楽器からは、その見た目からも刻まれた歴史を感じられます。

僕もそういう楽器の使い方にとても憧れるのですが、どうも生来の新しもの好きのようでして、周りの知人、友人もあきれるほど楽器、マウスピースは頻繁に変えます。まぁ、良く言えば探究心旺盛、向上心旺盛、決して現状に満足しない、といったところでしょうか。悪く言えば・・・(ん~~っと、ご想像にお任せします!)。

それでも最近は、先日の投稿のように細管テナーとバスはヤマハに落ち着いておりまして、おそらく当分はこの2本を使い続けるのではないかと思われます。が、太管テナーバスに関してはなかなか楽器が定まらず、一度迷ったら最後、もうとことん迷い出しまして、ここ数年はずっと混迷状態が続いておりました。今まで試した楽器もバック、キューンル&ホイヤー、ヤマハ、コーン、コルトワ、シャイアーズ、ゲッツェン、喜望峰etc、、、。もういろいろ試し過ぎてようわからんわッ!

・・・と、そんな混迷状態を経験してわかった事、

「楽器は何を使っても同じである」・・・コレ極論ね。

作りそのものに問題があるような楽器は別として、構造、機能的に問題なくきちんと調整された楽器ならば、どんな楽器を使っても大差は無いという事です。どんなに楽器を変えても結局は演奏する本人の音しかしないのです。演奏している本人は楽器を変えるともの凄く音色が変わったように感じるものですが、他人が聴くとほとんど変化を感じないみたい。やはり音色そのものは本来自分自身が持っているものであって、楽器が変わったからといって、そう劇的に変わるものではない。仮に楽器を変えて音色が変わったと感じたとしても、それは新しい楽器に変えた事で演奏者自身の感覚がリフレッシュされるためで、2~3ヶ月も使っていれば自然と演奏者自身の持つ音色が出てくるはずです。

ならば、そんなに楽器を変える必要など無いじゃないか、という話になる訳ですが、楽器の違いによる音色変化はそれほど無いにしても、吹いている本人に返ってくる響き、抵抗感、音量感、操作性等は楽器によってかなり差があります。つまりいかに自分自身が心地よく吹ける楽器であるかが一番重要となってきますね。吹いている本人がストレス無く気持ちよく吹ける楽器であれば、出て来る音色も一番良いのではないかというところなんですが、そういう判断基準で楽器を選ぼうとした場合、なかなか自分の好みに合致した1本が見つけにくいのは確か。結果、長い長い楽器探しの旅に出る事になる訳ですなぁ。

そんなこんなで、長い間混迷状態が続いていた太管テナーバス楽器探しの旅、ようやく一区切りつけそうそうな気配。この半年間、シャイアーズ、喜望峰Finale、ヤマハYSL-882Oの3本でずっと試行錯誤を繰り返していたのですが、細管テナーとバスがヤマハで落ち着いた事もあり、太管テナーバスもヤマハをメインに使う事にしました。ヤマハ同士なので、吹奏感、抵抗感も近く持ち替え時の違和感も最小限に押さえる事ができます。同じメーカーで統一という意味ではシャイアーズも細管、太管、バスと揃えているのですが、自分的にはこのヤマハセットの方が断然コントロールしやすく、持ち替えも楽です。


ヤマハYSL-882Oのかなり出っ張ったオープンラップ。この出っ張り、正直とっても邪魔で見た目的にも少し格好悪いんですがF管の音抜けは抜群なので、まぁ良しとしましょう。

これで、細管、太管、バスとヤマハで統一された訳ですが、この3本、ヤマハというくくり以外にもあるひとつの共通点が・・・。YSL-697Z(細管)、YSL-882O(太管)、YBL-622(バス)はいずれも米国開発モデル。つまり米国トロンボーン奏者が開発に携わった楽器。日本国内開発モデルを否定するつもりはないんですが、明らかに米国開発モデルは響きが違いますね。

ヤマハは日本の楽器メーカーなので、当然国内での人気、評価、普及率も非常に高いメーカーですが、同時に批判、酷評されてしまうメーカーでもありますね。ヤマハは個性が無いとか、音が薄っぺらいとか、所詮中高生向けの楽器だよ等々、いろいろな所で耳にします。僕個人的な見解としては、そういう意見も当たらずとも遠からず的な製品も今まであったようにも思いますが、最近のヤマハの海外開発モデルに関しては非常に優れた製品が多いように思います。

まぁ、とりあえず今はヤマハで統一しておりますが、これがバックでとても気に入った楽器が見つかればバックで統一するかもしれませんし、他メーカーでも同じ。歳とともに音楽の指向性、演奏スタイルも変化していくので、今後もいろいろと使用楽器は変わるかもしれません。

結局のところ、やっぱり楽器探しの旅は終わらんのだな。

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コメント一覧

マスター
マウスピース
山田さん

コメントありがとうございます。
マウスピースはSTORK CUSTOM NY 6-1/2 ALです。882Oとの相性はなかなか良いですよ。
山田
写真のマウスピースは何ですか?
樋口
882GO
本当はVバルブを試奏しに行ったのですが
?という感じでした(^^ゞ
そしてその当時新発売だった882GOを吹いてみたのですが、輝かしいけど決してケバくない心地よい響きに私も感激してしまいました。

しかしマスターさんの書かれている通り結局は自分の音に戻って行き、3年経った今ではあの輝きもくすんで来ているんですよね。でもこの記事であの頃を思い出しました。がんばろう
あの輝きをもう一度!
マスター
882O
樋口さん

882GOをお使いですか。882Oは本当に心地よい響きで良いですよね。僕は銀座の山野楽器で試奏した瞬間に「これは凄い!」と感激しました。882Oは今までのヤマハトロンボーンの中で一番の完成度なのではないかと思います。
樋口
おお!
おお!それは私の愛器ですね!(私はGOですが)
うれしいなぁ

私は東京出張の合間に寄ったヤマハ銀座店で試奏して一発で気に入りその場で衝動買いしてしまいました(^^ゞ
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