音に芯があり、太く艶やかで響きのある美しい音を出すためには絶対に唇を閉じ過ぎてはいけません。上唇と下唇との間隔は程よく空けて空気(息)の通り道をしっかり確保するべきです。上歯と下歯の間隔を広げるようにすれば自然と唇も開きます。唇を程よく開いた状態では、マウスピースを使わない唇だけのバズィングではまず唇が振動することはなく、ただ空気(息)が素通りするだけですが、マウスピース(楽器に装着した状態)が唇に触れる、つまりマウスピースのリム内に唇が入る(唇が遮断される)ことによって唇は自然に振動をはじめます。唇だけのバズィングでは、「唇を振動させよう」という意識を持たなければ唇は振動してくれませんが、唇にマウスピースのリムが触れている状態ならば、特に意識しなくてもある意味「自然現象」として唇は必ず振動し始めます。唇の間を空気(息)が通過すれば「自然現象」として唇が振動し始める訳ですから、そこに「唇を振動させよう」
という意識を働かせる必要は全くありません。無理に唇を振動させようとすればするほど余計な力が唇に入ることになり、汚い不快な音色になってしまいます。
「自然現象」として唇は振動する訳ですから、あとは程よく開いた上唇と下唇の間をしっかりと安定した一定の量、スピードの息を通過させることに意識を集中させること、つまり息を楽器の中に送り込むことに集中するべきです。
金管楽器は「吹奏楽器」であって、決して「唇奏楽器」ではありません。
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