〜1973年(11才)4月のできごと〜
水が張られた田植えまでの田んぼは
子供たちの恰好の遊び場でした
ある日私は田んぼに落ちました
ズブズブと脚が沈んでいきます
周りで遊んでいる友だちや知らない子たちが
ゲラゲラ笑っています
最初は私も笑っていましたが途中から焦り始めました
ズブズブが終わらないのです
とうとう股まで沈んだ時、焦りは恐怖に変わりました
(底なし沼………!)
私は半べそをかき始めました
するとそこでズブズブが終わり、私は助かったのでした
ジェレミー・ブレッド主演の名作「シャーロックホームズの冒険」
シリーズに「バスカヴィル家の犬」というのがあります
逃げる犯人が最期、底なし沼に沈んでいくシーンを見るたびに
私は「あの時」を思い出すのです
sinkingがひざを越えたくらいから、パニックでした。
それでもみんなが笑って見ていたことが強く印象に残っています。
世の中で起きているひどい事件や事故の目撃者たち全員が全員、心配しているとは限らない。途中までfictionみたいに見ていたりする。それこそがrealityなのかもしれません。