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むらくも

四国の山歩き

飯野山(香川県・讃岐富士)

2009-07-12 | その他<香川の山>

 飯野山<421.9m>
 (いいのやま)
 
  登山口  香川県丸亀市「丸亀野外活動センター」  駐車スペースおおよそ30台   トイレ有 







標高は低いが端正な山容をしていて、古来中讃地域の人たちから親しまれている。見る位置によっては富士山のような形でもあり、そのために讃岐富士という名でも呼ばれている。近年にはNHKの中高年登山で有名な岩崎元郎さんによって新日本100名山に選ばれており、全国からの登山愛好家によって、ますます人気が出ている。

しかし、この山の本当の魅力はなんといっても山頂近くにある「おじょも伝説」と今でも雨降りの後にたまに転がっている小さな水晶だろう。子供の頃に遠足で登っては水晶を探したり、おじょも伝説に夢をかき立てられつつも、土器川が巨人のションベンの跡やと、ウソコケーと生意気に棒を振り回していたという、子供の夢の山なのだ。

飯野山の由来は山頂の北側が微妙に斜めに欠けているその姿にあるといわれている。白米は楕円形をしていない。先っちょの一部が欠けている。その形によく似ているからだという説がある。ご飯のお米から名づけられた山なのだ。子供の頃からイイノヤマという呼び名で親しまれている。最近では瀬戸大橋をよく利用するため、本州から帰ってくるたびに、一番に目に飛び込んでくるのは飯野山だ。その都度「あ~あ、四国へ帰ってきたわい」というほっとした気持ちが起きる。


梅雨もいよいよ終盤に入っている。雷に始まって雷に終わるというが、この2~3日よく雷がなっているので、そろそろ明けそうだ。昨日までの天気予報では今日は雨模様でどこにも行けないと思ってたし、映画でも見てうどんでも食べて、傘差して飯野山を歩く計画だった。映画はもちろん「劔岳」(点の記)。本は昔に読んだことがあるので大筋は分かっているが、やはり映像は観てみたい。計画通りに先ず飯野山に出かけることにした。山を降りて映画鑑賞だ。









野外活動センター下にある駐車場はすでに車で一杯にしている。なんとか割り込むことが出来た。準備をといっても今日はGパンにナップザックにお茶だけだ。靴もウォーキングシューズで十分。活動センターへ歩く。





センターでは管理人さんが見えていた。今日は早朝の6時に60人の登山者が登っていったとのこと。時計を見ると10時を回っている。もう降りてきて山頂にはいないだろう。それにしてもこの時刻で一体何人がこの山に登って降りているんだろうか。すさまじい人気だ。トイレを借り、風鈴の涼やかな音を耳にしながら登っていく。





ヘクソカズラの花が咲いている。管理人さんが教えてくれたネジバナもわずかに三輪だけだったが咲いていて、花茎にバッタがへばりついていた。





石段を昇りながら枝に括り付けられた一つ一つの風鈴をそれぞれに異なる音を聞き分けながら、一枚一枚丁寧に写真に撮っていく。古い石の階段を登ったところが信貴山讃岐別院本殿跡地だ。ベンチがあって瀬戸大橋と聖通寺山が見える。





遊歩道の道縁には今年も元気にたくさんのタカトウダイが花を咲かせている。





西又分岐に着いた。ここにもベンチがあって一人の男性が降りてきたのだろう、座って一休みしておられた。直登コースへと進む。昨日の天気予報は外れた。晴れて太陽が照りつけている。暑い。ニイニイゼミがやかましく鳴いている。





ピーッとするどい鳴き声、猛禽類の鳥の声だ。この時期にミサゴやチョウゲンボウなどはいない。多分、トンビの子供だろう。1時間かけてゆっくり登ったにもかかわらず、遊歩道に合流する頃には汗が体中に噴いている。一登りで山頂にある薬師堂の裏に出た。





先ずはおじょも桜に挨拶し、薬師堂と大黒天様にお参りをする。





傍らには新日本百名山の記念碑。桜の木陰のベンチには登山姿のご夫婦が休んでおられた。






三角点にも行き、しばしベンチで休憩。ボトルに入れてきた氷詰めの麦茶が美味しい。登山者が次々と入れ替わり立ち替わり登ってきては降りていく。身軽な服装の方たちは地元の方たちだろう。登山姿の方たちは四国外の人が多い。100%、お昼にはおうどんツアーに変身する。





30m下にあるおじょもの足跡のある展望所に降りた。象頭山を跨いでションベンこいて土器川を作った、というわりには足跡は小さすぎる。展望はすこぶるいい。





象頭山(琴平山・大麻山)や空海五岳が見え、讃岐平野が眼下に広がっている。





景色を楽しんだ後、降りることにした。ホタルブクロの咲き残り、そしてシャシャンボの花が咲いていた。





これはヒメヤブランだろうか?リュウノヒゲに見えないことはないが葉が細く花数も少ない。ハギソウの白花?





ハギソウの赤花?六合目の展望所で、いつもなら休息するのだが、今日は暑いのでパス。天霧山方面が綺麗に見えている。





ウツボグサもほとんどが花を終えている。ヒナギキョウだろうか、小さな薄紫の花弁が清楚だ。夏の里山は暑い、それでもやはり気持ちが癒されるので止められなくてまた来たくなる。さて、涼しい映画館へ急げ。






(参考)
 野外活動センター登山口10:17-西又分岐10:54-遊歩道合流点11:19-11:23飯野山山頂11:44-六合目展望所12:03-西又分岐12:17-12:25野外活動センター登山口

※飯山町側の土居にも登山口と20台ほどの駐車場があり、トイレも有る。春には桃畑にピンクの花が咲きとても綺麗だ。地図の南東側に記載されている破線がそれだ。上部では遊歩道と合流する。なお、山頂少し下に天狗周遊道があって、岩場からは絶景のビューポイントがある。


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